政府・日銀が円買い介入 7円急騰、151円台から144円に

単独介入で強引に押し下げようという話ではない。

先週金曜日米国時間で、日本時間では日を跨ぐぐらい前になってドル円は152円をつけそうという数値だったのが、日銀が介入したのかそこからばーっと円高になり、最終的に米国時間ひけて147円ちょっとという形のドル円の動きとなった。

今回日銀・日本政府が考えていることは、やはり米国政策金利引き上げピークまでの時間稼ぎと見るのが主流だろう。
日銀・日本政府の官僚ともに東大出身者で馬鹿ではないので、単独介入がどれだけ直接的に為替市場に影響あるかなんてたかが知れているということは知っている。
そのため、この為替介入だけで今すぐドル円の水準を積極的に引き下げようとは考えていないのは明白である。
足下のドル円の水準はほとんど金利差水準で説明がつく。
資源高による日本の経常赤字も一部は要因としてあるが、ドルの方が馬鹿でかい経常赤字と高いインフレ率を出しているので、教科書的通りにいうとドルが上昇する要因はないのだが、覇権通貨であるためこれらの要因が無視され純粋に金利差だけでこの水準までドルが強含んでいる。

今回日銀が介入したタイミングというのが、あともう一回FRBが11月に75bps利上げをしたら12月の利上げ幅は50bpsに速度が緩む可能性が見えている。
緩めるとしたら11月のFOMCでその旨を匂わせる可能性はあるため、10月の時点の為替水準と米国金融引き締めピークを見て、ここから時間稼ぎに入ろうという決断をしたものと思われる。
金曜日の米国時間の介入はかなり積極的なインパクトを狙ったもので、ロンドン時間が引けて為替を積極的に動かそうというロンドン勢がいなくなり、金曜日で土日越そうという人達を引き付けて介入を行った。
加えて、この日はFRBの高官から金融引き締めについてはラグを持って経済に影響を与えるため、次回は75bpsになるが、その次にさらに75bps期待しているやつがいるかもしれないが50bpsにして様子を見ていくという選択肢がありうるといった趣旨の発言が出てきたことから、米国債金利の手前側の金利がやや大きめに低下したことも材料として金利差を主眼とした円高というインパクトも加わった。

これによって金曜日はかなりインパクトのある介入となり、これで変に投機をかましている人達に警戒感を抱かせて、なんとかもう動意づく可能性が低くなる年末を越して、米国金融引き締めのピークまで時間を稼いでいこうと話なのだろうと思う。

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