米住宅価格指数、7月は過去最大の減速-市場の冷え込み映す

世界的に既に高金利なんだからそうだよねえという話。

世界的な金融引き締めによって、数年前まではデフレで金利がなくなってどうしようという世界から、気づけばあっという間に正常化した金利水準になっていき、これがこれまで雑ファイナンスで拡大してきた不動産市況に暗い影を落としてきている。

昨日の米国S&Pケースシラーの住宅価格指数はまさにそれを端的に示した内容であった。
市場予想は前年比17.05%の価格上昇・前月比では0.2%の価格上昇であったが、結果は前年比16.06%・前月比-0.44%と予想比下振れし、加えて前月比では既に価格下落に転じている。
7月のデータということは実質的に5月の住宅ローンが30年で6%・15年で5.5%という数字での話である。
なので、最新データだと住宅ローン金利が30年6.9%・15年で6.3%という世界では、より価格減速は目に見えている話だろう。
ケースシラーよりデータ速報性が高いREDFINのデータを見ても引き続き8月は7月と比べて価格下落しているし、Sale-to-Listの数値も100%を割っていることから、やはり住宅ローン30年6%以上の数値というのは基本的に需要を冷ますには十分な金利であることを示している。

【REDFINのデータ】
https://www.redfin.com/news/data-center/

これは米国だけの話だけではない。
欧州もこれまで大手不動産会社(住宅分譲中心や賃貸中心問わず)は長い間低金利による資金調達に慣れ切っていたために、各会社は平均負債コスト1%みたいなクソ安い負債コストでポートフォリオ拡大に爆進してきたわけだが、ドイツ国債10年金利2.2%みたいな信じられないレベルになってしまったことから、これにリスクプレミアム込みで+3%で新規負債調達コスト5%とかになってしまい、賃貸利回りを余裕で超える状態となってしまっている。
そうなると不動産会社は新規の負債調達ができなくなる・あるいは馬鹿高い負債調達コストでなくなく応じるかのどちらかになるわけで、その事態を避けるために物件売却を進める方向に舵を切っている。

こうしたことから、世界的に不動産業界は借入金利がほとんど変化していない日本を除けば完全に冬の状態となってしまっており、しかもピーク金利水準は来年いっぱいまでは少なくとも続きそうとなれば、不動産市況冬の時代は来年も続きそうということになる。
米国不動産関連企業は元々負債コスト3-4%みたいな数値であったことから、全部借り換えてもせいぜい負債コスト1.5倍とかいう数値だが、一方で欧州は1%が5%になるわけなので5倍の数値になるのでこれは米国より欧州の方が影響は甚大だろう。
こういうことからも欧州への投資は避けたいと思うばかりである。

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