バイデン政権、ポンド安受け国際金融市場の動向監視-ホワイトハウス

先進国通貨に火の手が上がると、米国も一定程度配慮せざるを得ない可能性はある。

これまで先進国は全体として高インフレに対応するために利上げをして需要を下げることによって抑制していくために利上げをしてきていた。
しかし、ここにきてイギリスが先日のブログ記事で書いたが、大減税によるポンド急落を防ぐためにいくらでも利上げするという、いつの間にか通貨防衛的な理由に変わってしまった。

【過去参考記事】

矛盾したイギリスの金融・財政政策に投機筋が殺到


このままだとイギリスは通貨防衛のために11月に150bps、12月に50bpsとこれだけで200bps利上げみたいな無茶苦茶な金利パスになってしまっている。
新興国の一か国や二ヵ国の通貨がぶっとんだぐらいでは米国は金融引き締めコースを変えることは基本的にはない。
しかし、グローバルな流通通貨のうちトップ5以内に入る通貨のうち、ご存じの通り円買い介入が入り、さらに先日のブログに記載した通り英ポンドに問題が生じており、上記ニュースは米国の裏庭的な位置づけであるイギリスの通貨が炎上し始めていることについて、米国もまずいと認識し始めていることを裏付けている。

そして英ポンドは一度下げ始めると日本円ほど対応できる手段が限られていることが問題となる。
理由はイギリスが対した外貨準備高を保有していないことと経常赤字が大きいことにある。
東アジア諸国が異常に外貨準備高を蓄えているという事情はあるが、欧州は総じて見ると外貨準備高を東アジアほど蓄えている国というのは一ヵ国もない。
イギリスの外貨準備高はせいぜい日本の1/10しか保有しておらず、人口規模を考えると実質的には耐久度は日本の1/5しかないことを意味する。
これに加えてイギリスは先進国の中でもアホみたいに経常赤字が大きい国で、平気で経常赤字が対GDP比で4%ある国である。
なので、一度通貨売りアタックを食らうと緊迫した状態が続きやすい国のうちの一つである。
これに加えて日本のインフレ率はせいぜい2%後半という中で、イギリスはインフレ率10%という数値になっている。
米国みたいに基軸通貨でもないので普通に高インフレ・高水準経常赤字の組み合わせなので普通に為替は下落しているということになる。
(そういった意味では日本円の下落は金利差によるキャリートレード的な側面の方が大きいため、英ポンドの下落と相当程度要因が異なる。)
英ポンドは総合的にこうした理由から先進国通貨というよりは、やや新興国通貨的な側面が強く、結局足下の下落は下記要因と米国金融引き締めに起因している。

【過去参考記事】
新興国経済を見る上で重要な「国際収支の天井」という概念

これを踏まえると、現在市場で織り込まれている米国利上げ11月75bps、12月50bps、2月25bpsで打ち止めという路線からFRBがさらに過激化する芽は消えつつあると見込める。
 
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