英ポンドが最安値、追加減税方針でフラッシュクラッシュか

派手な矛盾行為やらかせばそりゃそうなるわなと。

これまで通貨でいうと円ショートが人気だったのだが、ここにきて他の先進国通貨も売ったろという流れが強まりつつある。
その中でも特に現在注目されているのがイギリスポンドである。
加えてイギリスでいうと国債のギルトも連日くそみたいに売られており、これは何が起こっているのかの解説が必要そうである。

まずイギリスは米国と同様に現在金融引き締めを続けている。
ただ欧州と同様にエネルギーインフレ主導であり、中身としては内需主導とはやや言い難いものの、見た目のインフレがすごく激しいということで金融引き締めペースは先頭を走っている。
最近では手持ちの社債売却にも踏み切るなど、QEも明らかにその場のノリで行っている雰囲気がある。

一方で、政府の方はエネルギー高に伴う景気減速に関して非常に警戒感を持っている。
ボリス氏が辞任して支持率を稼がなければいけない与党は大減税に踏み切ろうとしている。
大減税に踏み切るということはすなわち穴埋めのために国債を大量発行する必要性がある。

しかし、ここに大きな矛盾が生じてしまった。
政府が大量発行に踏み切ろうとしている中、中央銀行は見た目のインフレ抑制のために強烈な金融引き締めを行っている。
さらにいえばBOEはバランスシートを縮小させるために手持ち債券の売却にも踏み切っている。
中央銀行が金融引き締めもやっていて、手持ち債券の売却も行おうとしている中で、一方で景気減速やエネルギーインフレに対応するために減税政策を大規模に打ち込めば、それは市場に国債が大量にあぶれるので市場にショック的な金利上昇をおよぼしている。
きちんと市場に配慮する形で減税政策を打ちこむのであれば、少なくとも手持ち債券の市場売却というのは行わらずにやらなければいけないのに、それをガン無視して大減税に踏み切ろうとしたことから、これは矛盾をつけるということで英ポンド売り+ギルト売りという組み合わせが一気に人気トレードとなった。

そういった意味ではECBもそうなのだが、それ以上に大きな金融政策と財政政策で矛盾を抱えたまま突っ走っているのがBOE・イギリスの現状である。
これまでの投機筋のターゲットは円売りドル買いであったわけだが、円買い介入が入って来たことから米国政策金利ピークまで時間を稼がれてしまうと金利差要因で中々これ以上の大規模ショートはリターンが薄くなりつつあるように思われる。
なので、次なる投機筋のターゲットは英ポンド売りドル買い・あるいはギルト売りのどちらかに傾きそうな気配である。

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