オフィスREIT復調は本物か 還元強化で買い集まる

薄氷を踏む思いだが、各種要因で想像より強い状況が継続。

足下未だ相場は全体として軟調な状態が続いているし、各種ボラティリティが高い状況であるが、その中で一際ボラティリティが低く安定推移している資産としてはJREITが挙げられる。

【東証REIT指数のチャート】
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安定している要因について下記の2つが主な要因だと考えている。

1、ドルを保有している投資家から見ると非常に高い利回りを得られる。
現在JREITの期待配当利回りは3.5-3.6%ぐらいの範囲で推移している。
しかしこれはあくまで円ベースでの利回りであり、ドルを保有している投資家がJREITを保有してドルヘッジをかますとそこに+短期金利差が貰えるので、現状の短期金利差だとなんと利回りは7%近くになる。
(足下短期金利が急速な利上げを背景に急上昇しているので、とりあえず3%ちょい超え程度と置いている。)
米国REITの配当利回りが3%あるかないかという世界の中では利回り7%取れるREITなんてのは世界探してもそうそうない。

2、日本国債不足からJREITを購入する地銀勢
日本の銀行というのは基本的に預金を全部貸出に回すほどの貸出先がなく、じゃぶじゃぶに余らせている。
特に地銀勢が購入する10年以下の日本国債というのは無限に日銀が購入してしまっているために買えるものがすくなくなっており、困りに困っているのが現状である。
そうした中で外国債券は金利上昇で中々厳しい動きをしている中で、JREITというのは国債を購入する代わりの一定程度円ベース資産としては貴重な資産であるため、一時的に損切りをせまられても結局余剰資金の振り向け先がないのでJREITを購入することになる。

以上の2つが以前から当ブログでは示唆しているがJREITが安定した推移をしている要因だと考えている。
ただし、こうしたJREITの安定は全て日銀の金融政策が変わらないことが前提となっている。
前提が変わってしまうと、金利上昇とともにこうした為替ヘッジによって高い利回りを獲得できている外国人の撤退を促してしまうことに加えて、銀行勢が国債にポジションを振り替えてしまうためにJREITにダメージが向かってしまう可能性が高い。
なのでJREITは引き続き日銀の金融政策修正について注意が必要で、ここから買い進むのではなく3年移動平均線を割った時に偶然拾えればいいぐらいの感覚で取り組むぐらいの保守的な姿勢を維持したい。

あともう一つよくよく見ると確かに米国REITの現地通貨ベースのリターンは悪いが、円安ドル高分のリターンを加えると過去1年のリターンはJREITのリターンを超えているため、決して爆発的にリターンが良いわけではなく、あくまでボラティリティ低く安定して推移しているという話である。

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