http://www.reins.or.jp/library/2022.html

日本の中古マンション市場統計を出しているレインズデータライブラリー

毎月恒例の定点チェックしているものになりますが、今月も前月の日本の中古マンション市場動向を確認していきたいと思う。

【概要】
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7月はかなり成約件数が多かったのだが、8月になってがくっと件数は落ちたイメージで、やはりグロス価格の高さや先行き金利への警戒感があり、成約件数は伸びなくなってきていることがわかる。
一方で価格はまだ前年比10%以上の上昇を見せており、売主側も安値で売却する意向はなく、ここまでは価格は順調に進んでいるということがわかる。

【成約件数動向】
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地域別成約件数を見ると、グロス価格が元々高い東京23区よりもその周辺部の方が落ち方が大きい。
これはこれまで東京の真ん中に通勤できる範囲で探していた年収的には都心の中では平均帯(600-800万あたり)の家庭が、周辺部でさえグロス価格があまりにも高くなりすぎたことによってローンが下りる限度額を超えたことから様子見姿勢に変わってきている。

【成約価格動向】
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その平均年収帯の買い動向が弱くなっているのは成約単価動向からも見える。
これまで価格上昇が大幅に進んでいた埼玉・横浜・川崎・千葉の価格上昇率がさすがに鈍ってきている。
このことから金を持っている人は普通に東京23区内の中古マンションを購入しているが、そうじゃない人は物理的に買えないという壁にぶつかりつつあるように思う。
現在給与自体はインフレに合わせて徐々に伸び始めているものの、その速度に合わせるペースの物件価格上昇率に落ち着いていくのではないかと推察している。
(ただし金利変動がないことが前提)

【在庫水準動向】
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在庫水準と在庫価格を見ると、今年3月以降は実はさほど価格が動いていない。
これは売り出し価格自体がこれまで相場より1割以上高いチャレンジ価格で出して売り出しスタートしているが、チャレンジ価格では売れないので結局徐々に値引いて成約価格が成立していることを意味する。
在庫水準は引き続きゆるやかながら増加しており、売主側が絶対的に有利という局面は終わっている。

総じてみればグロス価格の高さから平均的な実需買い手側が引いていて、売り急いではいないものの売主側はチャレンジ価格では物件が売れないために結局適正価格にまで下げて売っているというのが見て取れる。
一方で年収が高い・手持ち金融資産が多いのでいつでも物件を変えるという人は普通に東京23区の物件を以前ほど熱心ではないが普通に購入しているように見えており、東京区部の値上がりが再度ないと周辺部マンションは一進一退みたいな動きが当面続くように思われる。

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