個人投資家のギブアップ投げは比較的早期の相場回復が期待できるがはたして。

毎期発表される米国投資信託運用会社最大手のブラックロックの決算資料にはファンドのネットフローが顧客タイプ別で開示されているので確認していると、久々に長期リテール投資家(いわゆる個人投資家)のネットファンドフローが資金流出に転じていた。

【ブラックロック決算資料】
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https://ir.blackrock.com/financials/quarterly-results/default.aspx
↑ブラックロックIRページ

ETFについては別途開示されていて、ETFはさほど資金流入フローは変わっていないものの、ETFを除いた長期リテール投資家について資金流入動向を見てみると上記のように2022年Q1から資金流入量が減少していたが、なんとQ2にいたってはマイナスに転じている。
個人的にこのブラックロックの決算資料上でリテール投資家が資金流出に転じたのは米国の前回利上げ騒動のあった2018年Q4~2019年Q1とコロナ暴落のあった2020年Q1ぐらいしか思いつかない。
しかも2018年Q4~2019年Q1と2020年Q1いずれも資金流出量はせいぜい10-30億ドル程度に留まっていたわけで、それを考えると2022年Q2の100億ドルという資金流出量はでかいと言わざるを得ない。
もちろん、2020年~2021年の資金流入量は過去と比べて明らかに行き過ぎな量だったのでその分の流出があると言われれば確かにそうですねという話で、それがまだまだ続くと主張する人の正当性もあるわけで、特段それを否定するわけでもない。

ただ、一般的に考えればリテール投資家の投げは相場の最後尾付近に出てくる現象だというのは通説である。
リテール投資家が投げ始めたポイントは2022年Q1の底値を割ったところ、つまりS&P500でいうと4200の数値を割ったところからだと推察が可能となる。

【S&P500のチャート】
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リテール投資家が投げたところはそのうち戻るでしょという話であれば、S&P500の居所についてはまず4200の回復は見たいねと思う次第であり、またそこまでの回復はFRBの利上げ終着点が見え始めている中では比較的早く訪れるのではないかと考える。
つまり4200までの回復局面はかなりシャープな全体的な株価上昇があり得るということである。
この過程ではおそらくここまで死ぬほど下がったクソ銘柄も大抵は比較的大きめな上昇が期待できるだろう。

ただし、4200より上については投げ売っちゃった人達のゾーンが終わるため、回復局面は緩やかなものになると考える。
また、S&P500が4200に回復する過程の中でクソ株が本物の回復局面に入ったと勘違いしてエントリーした人達を再度失望させるようにだらっと下落する流れになるだろう。

とにもかくにも、相場の回復局面についてはまずリテール投資家がパニックに陥って投げ売った水準であるS&P500が4200に回復する局面をじっくり待ちたいと思う。
そこまでは比較的どんな雑ポジションを組んでも比較的許される形になるのではないかと予想している。

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