相場観間違えるのは誰でもあるけど、教科書に書いてある理論間違えるのは擁護できない。

未だにレバナスが米国の政策金利上昇で金利コストがかかるというのを理解できない人がいるようなので、再度ブログで詳しく書いてみたいと思う。

レバレッジETFや投資信託というのは先物を使ってレバレッジをかけている。
しかし先物というのは満期までの期限が存在しているわけで、大抵は3-6ヵ月ぐらい先の満期となる先物を保有して期限が近付いたら再度3-6ヵ月先満期の先物を購入するというのを繰り返す。
この時ほぼ満期となって現物価格に近づいた先物を解約して、再度理論価格に基づいて計算される満期の長い先物を買いにいくことになる。

さて、ここで先物価格について確認したい。
先物価格というのはすこし「先物 金利コスト」でググれば計算式が書いてあり、以下の三井住友DSアセットのHPでは以下の通りに書かれている。

https://www.smd-am.co.jp/glossary/YST0634/
ーーーー

現物の価格を基準に算出した先物の理論上の価格のこと。現物価格に金利負担分を加味したものです。

先物理論価格=現物価格×〔1+(短期金利-配当利回り)×(決済までの日数÷365)〕
※決済期日になると日数が0となり、現物価格と同じになります。

ーーーー

先物価格は満期に近づけば近づくほど現物価格に近づくわけで、つまり最初は現物価格より短期金利分高い価格で購入して、これが満期になるとほぼ現物価格と同じ価格で売るということになる。
なので、「先物取引に金利コストはかかるというのはデマ」という言説は証券外務員2種や証券アナリストでは教科書のかなり最初の方に書いてある理論を完全に無視した意味不明な言動なのである。

そしてじゃあ具体的にどれだけ大和投信のレバレッジナスダックに金利コストがかかるか説明したい。
先日のブログで最終的な米国政策金利は3.5-3.75%が着地点と説明したが、瞬間風速ということもあるのでここでは簡便的に3%としておこうと思う。
大和投信レバナスは仕組み的には保有円現金のうち30-40%をドルに転換し、これを証拠金として差し入れ2倍の先物を購入している。
まず2倍の先物の購入で短期金利の2倍のコストを払っているので、単純に3×2%=6%払うことになる。
また30-40%のドルに対する為替ヘッジで3×0.4=1.2%の為替ヘッジも払うことになる。
一応ドルの証拠金に対して短期金利の払いを受けることが可能だとは思うが、一般的に差し入れている証拠金がもらえる金利は普通のものより低いのが一般的なので半分程度しかもらえないと考えると実質的な為替ヘッジコストは0.6%程度になるだろう。
あわせると6.6%の金利コストになる。
もちろん政策金利が3.5%になれば7%ちょいぐらいになるので、米国政策金利が3%近辺にある間は大体6-7%の金利コストがかかる。
ちなみに大体のコストは下記CMEの先物価格からも計算できるので、ほんとかよと思う人は計算してもらいたい。

https://www.cmegroup.com/markets/equities/nasdaq/e-mini-nasdaq-100.settlements.html

この風丸氏がつぶやいたものに対する信者のコメントを見るとこの言説をそのまま信じている人が多数おり、ほんとこいつらちょろいわと思える知的能力しか持ち合わせていないことに驚きを禁じ得ない。
別に相場観で間違えるのは誰でもある話なのだが、教科書に書いてある理論かつ単なる算数を間違えるのはやばいとしか言いようがない。
ちなみにこの後風丸氏はあれだけ煽り散らかしておいて指摘を受けすぎたために認識違いと言って大和投信に取材するとか言い出しているが、大和投信側からしたら普通に金商法違反の動画出しそうな風丸氏の取材申し込みはコンプラ違反リスクで金融庁から刺される可能性を考えれば受けないと思われる。




【キャンペーン記事】

乗っかるしかないauカブコム証券の採算度外視クレジットカード積み立て投信でのポイント還元


【au Payカードとauカブコム証券の申し込みでポイントがもらえるサイト】
高還元率ポイントサイト《ハピタス》