ECB to firm up plans to ward off bond market stress

いきなり気球観測ぶちあげてきた。

昨日の欧州時間は中国で景気サポート材料が出てきているという安心感もあったが、途中からFTに上記のような話が出てきた。

記事の内容としては利上げは進めるつもりではあるものの、ECBの利上げチャレンジとともに南欧周辺国の金利が対ドイツ国債でやはり拡大基調で推移していて緊張感が漂い始めていた。
今のECBの利上げはドイツオンリーで考えれば耐えられる話なのだが、これによって景気がそもそもよろしくない南欧諸国の経済がしばき上げを食らうことは欧州の金融政策変更(特に引き締め方向)に動かすことがいかに難しいものであることかを示すものである。

特にECBが金融政策発表のブラックアウト期間に入ってきていることから、変な観測が出てきてしまうと南欧諸国ソブリンの金利が一撃持っていかれる可能性があることが市場の懸念点になっていた。
そこでどうやらECBはこの懸念を起こさせないようにFTにこっそり記事をリークしたのか、一番上にある上記記事の通り国債購入プログラムについてはストレスがかかるようであれば必要に応じて引き続き行う予定があるとのことである。
これによって昨日やイタリアをはじめ、南欧ソブリンードイツ国債スプレッドが低下する方向で動いた。
これに伴い株価もこれを好感してプラスで推移した。

この記事自体はリスク資産にプラスであるものの、正直いうとこのリークの仕方は行儀がよくないと言えばよくない。


思い出されるのは日銀が日経新聞使ってマイナス金利導入の気球観測ぶちあげてきたことを思い出すが、自分の口からいきなり言うと変に相場をこじらせる可能性があるので第三者に一回リークしてみて反応を見てどうしようか考えるみたいなことをしている可能性はある。

米国の金融引き締めは大量の貿易赤字でドルを世界中にばらまいている分で大分相殺できるしインフレ分給料も上がっているからそこまで消費も致命的な落ち方をしないと考えている一方で、欧州は高いインフレの割に給料は上がっていないし南欧諸国の金利プレッシャーが強い中で無理やりな金融引き締めやバランスシート縮小はかなり無理筋感があると思っている。
ただ、マイナス金利自体は元々大した政策効果はないと言われていたことを考えれば、まあマイナス金利解除ぐらいは妥当な判断かもしれないが、米国のような中銀のバランスシート縮小は直接的に南欧諸国にダメージを与えるのでそれはなるべく避けてほしいところであると考えている。
中国の景気メルトダウン要因がなくなりつつある中、残っている相場の癌はECBの無理筋な金融引き締めにあると思っている。
 
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