ようやくいろいろ一周したかなって感じがしている。

先進各国の金融引き締め懸念であったり、ロシアがウクライナ侵攻ということでこの2ヵ月近くは相当相場がバタバタしていたが、ようやく色々な相場が一周した感じが出てきた。

ロシアのウクライナ侵攻は非常にエポックメイキングな出来事となった。
今回この騒動は大きく欧州景気の不確実性を高めたことになる。
これによって現状市場を見る限りは年内マイナス金利解除まで見えていた欧州政策金利見通しがくだけた。
現在FRBもECBもそうだが、自分達で相場に対して金利見通しを織り込ませているというより、スタンスとして「市場参加者がそう思うならそうなんやろ」と市場参加者が動かしているインプライド政策金利(OISとか)を見て判断しているように思える。
FRBはともかくとしてECBは賃金インフレ見えていないのにドイツの圧力を受けて、政策金利引き上げもありうるかもと発言してしまい、これが多くの投資家が保有しているフランス国債の金利上昇につながって相場に悪影響を与えてきた。

【過去参考記事】

昔に比べて海外金利上昇に弱くなった地銀ポートフォリオ


しかしロシアがウクライナに侵攻したために、欧州の銀行は大なり小なりダメージを受けることになり、欧州景気にも影響あるよねということでOISベースの政策金利引き上げ見通しは相当後退した。
APPもすぐに本当にやめるの?イタリアまずくない?という認識がもたれており、APPのすぐの
取りやめにも疑問がもたれ、相場追随型の現在のECBの判断は揺れ動いている。

あとはこれまでロシアのウクライナ侵攻で揺れ動いていたコモディティ高も一部剥げる気配が見えてきた。
先進各国とも自分の国の経済に都合の悪い制裁はしないというなんともご都合主義的なやり方をしようとしており、とりあえずいきなりコモディティ供給がどうにかなるという可能性が低くなった。
加えて、ロシアー中国間はこれまで通り自由に貿易できることを考えると、多少経費はかかるとはいえコモディティ供給の総量はそこまで大きく変わらないよねという話になると思われる。

【過去参考記事】

結局穴だらけな欧米各国の対ロシア経済制裁


ドル建てハイイールド社債や投資適格社債もかなり値ごろ感が出てきて、ロンガーラン金利がせいぜい2.25%・スプレッドももうタイトニング余地ゼロのところからかなり平常モードレベルに回帰してきたこと・そもそも今致命的にまずいセクターが存在しないことから相場がそろそろ値ごろ感が出てきてエントリーしてきている人も出ているように見えてきている。
クレジット市場が崩壊しない限りは、株式市場も(大型株指数なら)20%以上下げている局面というのはそこまで長くないのが一般的である。

【過去参考記事】
株式投資において最も恐ろしいクレジットクランチとは何か?(リーマンショックなどの過去歴史の解説付き)

色々これまでのことを観察すると実は去年10月頭の金融引き締め開始観測でS&P500ベースで10~15%の下げはありえそうだが、20%を超える下げの可能性は低そうだという記事を書いており、あの時はタイミングが早すぎたが、今の状況にあてはめるとまあそんなもんなんじゃないですかねという感触になると思う。

【過去参考記事】

悲観と期待の狭間にいる相場水準


まだ相場は総悲観には至っていないと思われる理由


文章が長くなってしまったので、残りの考えていることは明日Part2に回すこととする。

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