ウクライナ、翻弄の歴史 揺れる独立にロシア支配の影

緩衝地帯で民主主義っていうのが難しい事例。

ウクライナ情勢について、結局衛星などの監視で明らかに東部に軍を派兵したままということもあり、現実的に欧米も制裁を入れ始めるなど
そもそもこのゴタゴタはかなりの部分がウクライナに原因がある。
ウクライナはソ連崩壊後独立したのだが、独立後の選挙の度に親欧米だったり親ロシアに揺れたりしていく中で、オレンジ革命をきっかけに親欧米に全体として傾く形になっていった。
そのような中で親欧米政権はEU・NATOに加盟することをぶち上げてしまい、緩衝地帯を失ってウクライナにミサイル基地を置かれて直接モスクワを狙えるような状態に置かれることを避けたいロシアが強硬手段に打って出ているというのが現状の状況である。

結局ロシア・欧米の間でのバランス感を取れておらず、ロシアという虎のしっぽを平気で踏んでしまっているウクライナ政治に相当程度責任はある。
歴史的にも一番難しい位置にいるのだから、あらゆる角度を鑑みながら欧米・ロシアに対するスタンスを決める必要性があるのだが、政治家が自分の利益だけを追求しているがためにそういうのを軽視してEU・米国がお金くれるからNATOやEUに加盟するのをめざすといった地政学リスクガン無視の行動をしたがために、ロシアが緩衝地帯を失うことを恐れて強硬手段に出る準備に出ている。

現実的にはこの流れだと朝鮮半島のように親ロシアの東部と親欧米の西部で2分割するまでずっと地政学的に不安定な状況が続く可能性が高く、緩衝地帯で民主主義を貫くというのが非常に難しいことであることが窺える事象だなという感想しかない。
その点でいうとベラルーシは独裁を敷いたままで親ロシアを貫いているということもあり、逆に安定感があることを考えると、緩衝地帯・独裁制というのは一つの安定剤なのかもしれない。

ちなみにそうなると武力衝突の結末はウクライナ東部が親ロシアとして何かしらの独裁制を敷いた政権樹立、西側が従来のNATO加盟をめざす政権という形の別れ方というのが想定できる最悪のパターンだろう。
冷戦時代はこうした力による国境分割は御法度であったものの、コソボ紛争の時のコソボ独立で実質的に反故にされたことから、ウクライナ分割だけで米国とロシアが全面戦争になるということは考えづらいものと思われる。
ここらへんの紛争の話は下記書籍を参考にしてもらいたい。

【参考書籍】

未承認国家と覇権なき世界

ちなみにこれによって当面ノルドストリーム2の稼働が絶望的になった欧州は高い金を払ってカタールからLNG輸入を行う必要性が生じ、地政学的に一番近い欧州だけがとばっちりを受けて米国経済はウクライナってなにそれぐらいの捉え方しかしないものと思われる。

LINE FX 新規FX口座開設&1取引で現金5000円がプレゼント

LINE証券 新規口座開設で3株分の購入代金がもらえるお得なキャンペーン