実質取り付け騒ぎ。

エバーグランデが 理財商品での借入金を返済できないことが発覚して以降は状況がひたすら悪化を続けている。
エバーグランデは2020年8月に中国当局の指導で銀行がハイレバレッジ不動産デベロッパーに融資が出来なくなって以降は実質的なシャドーバンクから資金調達を依存する形になった。
しかし理財商品での借入金返済ができなかったことから完全に全ての資金調達源を絶たれてしまった。

<過去参考記事>

エバーグランデは理財商品の償還に失敗して完全に詰む


これによってそれぞれのステークホルダーで以下のような行動が発生する。

不動産購入予定者・・・今契約するともしかすると物件が完工しないリスクがあるから買い控える
取引先・・・工事関係者・資材・販売代理店・メンテサービス会社が買掛金を払ってくれない限りサービスを提供しないと取引の実質停止
銀行・・・より状況が危なくなっているし、政府が介入してくれないので貸し渋り
理財商品投資者・・・他に危ないところがあるかもしれないから投資資金を引き上げたり、投資を控えたりする

<明らかに買い控えられている中国不動産デベロッパー各社の販売状況>

上記を見るとエバーグランデなんて9月の販売契約金額が前年同月比-91.3%ともう実質的に営業できていない状態になっている。

これによって中国の民間不動産デベロッパーのほぼ全てのキャッシュフロー源が急速に収縮している。
これは実質的には取り付け騒ぎに等しい状態になっている。
ステークホルダー全員が合理的な行動をした結果、合成の誤謬によって企業の信用が崩壊しているのである。
事態の悪化は急速に進んでおり、ファンタジアのデフォルトからその認知が進んでいる。
大半が不動産デベロッパーで構成されている中国ハイイールド社債指数の利回りはもうほぼコロナショックど真ん中レベルに上昇、つまり毎日加速度的に社債価格が下落しており、もはやどのデベロッパーがデフォルトしても不思議ではない状態になっている。

<ドル建て中国ハイイールド社債の利回り>

この実質的な取り付け騒ぎは自然に任せていると全く解決できないどころかスパイラル的に状況が悪化するので、もはや政府が介入する以外に解決方法がなく、中国政府が今の方針を全て撤回して全力で救済することを表明するまでは続くだろう。

これが相場にとって最もおそろしいクレジットクランチである。
今はまだグローバルにはこの現象は認知されていないが、一度認知されれば非連続的な株価下落は免れないと思っている。

<過去参考記事>

相場に大惨事を起こすクレジットクランチとは


これがまだ株は買い時ではないと判断している一番の要因である。

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