中国人民銀、短期資金の供給を2兆円に拡大-恒大で市場動揺後

点滴だけでどこまでごまかせるか。

中国の中央銀行であるPBOCは金・土・水・木・金(今週月・火は祝日)と毎営業日連続でリバースレポで資金供給を行った。 
こんなに連続して資金供給するのは久方ぶりで、しかも前の連続リバースレポは春節前の資金需要の高さを補うものであったため、現在明らかに中国の短期金融市場にはエバーグランデはじめ多くの民営不動産デベロッパーの資金繰りが苦しくなっていて圧力がかかっているということがわかると思う。

<PBOCリバースレポ資金供給の状況>
タイトルなし

このリバースレポを入れている効果もあり、市場に資金が入ることで相場はまだ完全には崩れておらず中国株はなんとかぎりぎり体裁を保っている。
(上海総合指数だと国営が多いのでCSI300よりややチャートはまし)

<CSI300のチャート>
タイトルなし


ただ、このリバースレポでの資金供給は例えれば入院患者に対して点滴を打っている行為と同じである。
入院患者が回復方向に向かっていたり、そもそも病状が軽いものであれば点滴でも十分回復するだろう。
しかし、現在中国景気は習近平の共同富裕政策の下ひたすら民営企業が痛めつけられている。
そこに中国景気の要である不動産に対しての規制圧力で広範な民営デベロッパーの業況悪化は止まっていない。
短期で資金供給を行っても社会融資総量の残高の伸びは最新で前年比10.3%と伸びの低下が止まらない状態になっている。
日に日に資金繰りが苦しいデベロッパーの名前が増えて行っているのも承知の通りだと思う。


病状が悪化している入院患者に対して点滴だけ打ったところで最初は回復期待がでるが、実際は回復しない。
つまりPBOCがリバースレポでの資金供給は短期的に市場のカンフル剤になるものの、根本的なマクロ環境の悪化に対しての治療にはなっておらず、資金供給行った日こそテンションが高くなるもののこの資金供給に効果がないことや市場に飽きられた場合には効果がなくなる。

実際に米国でもリーマンショックの時はFRBがリバースレポ資金供給を随時行ったものの、マクロ経済環境悪化の大波にはそれでは対処できなかったことはポールソン回顧録を読めばすぐにわかる。

<参考書籍>

ポールソン回顧録

なので、一時的にハイレバレッジでショートふるようなイカれたプレイヤーのポジションはこのリバースレポ効果で切れるものの、中長期でリスク資産にベットするようなプレイヤーの買いを誘うことは難しいように思う。
個人的には引き続き腰を据えて押し目を待つ形を取っている。
 
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