米金融当局のテーパリング、重要なのは開始時期ではなく終了時期

テーパリングになにかしら言及することは前提。

さて、今日の米国時間にはジャクソンホールで注目のFRBパウエル議長の講演でテーパリングについて言及されるかどうか注目されている。
一般的にFRB各議長はこうした一般公開の場だけでなく、米国各メディアのFRBウォッチャー担当者に遠まわしに匂わせながら少しずつ市場に織り込ませるなどしているわけで、ここまで各議長が匂わせていれば基本的にジャクソンホールでテーパリングについて最低でも年内開始的な趣旨の発言は出てくるものと思われる。
年内開始といっても12月開始みたいな市場が薄い上に、これまでコロナ対応でバタバタしていて去年は疲弊していたことを考えれば今年の12月ぐらい休みたいよねということで11月開始となることが前提だと個人的には考えているし、11月開始と12月開始にはほとんど差はないものと思われる。
逆にこれだけアドバルーンをあげられたにも関わらず年内はないとか考えている人間は自分のみたいものしか見れていないと思う。

また経済指標面でもほとんどFRBがテーパリングを躊躇う理由がない状態だ。
テーパリングにおいて、ひとつ閾値的になっているのが新規失業保険申請件数(イニシャルクレイム)だろう。
これが週次で35万件の数値が出てきた段階で経済的には正常化していると当局的には判断がしやすい。
2013年の時もこのイニシャルクレイムが35万件を切ってきたところでバーナンキ氏がテーパリングを示唆したところからテーパータントラムが発生したということもあり、なんとなくわかりやすい認識の仕方だと思う。

また2013年の時と違うのはあの時は非農業雇用者数増加ペースが月次で20-30万人みたいな数値だったが、足下では月次で94万件とハイペースとなっている。
2013年の時は毎週35万件が失業保険が申請されながら月次で20-30万人の雇用増なので、大体月次で200万人ぐらいの転職含めた新規雇用がなされていた。
一方で今は同じように毎週35万件の失業保険が申請されながら月次で90万人の雇用増なので260-270万人が転職含めた新規雇用がなされている。
2013年の失業保険継続受給者数が290万人で足下も同数の数なので、2013-2015年よりも経済改善度合いは速くなっている。
そこに米国ではあらゆるもののインフレが進んでおり、特に住宅価格は危険なレベルのスピードになっている。

デルタ株感染拡大がリスクとか言う人もいるが、米国人はワクチン打っている人はほとんど気にしていなくて、ワクチン打たずに死んでいる人は勝手に死ねという非常にドライな対応をしており、政府や州から強制的に経済制限をかけられない限りは経済活動が縮小する気配がない。
ここらへんは大きく日本とは環境が違うと個人的には考えている。
となれば、ほぼFRBにとってテーパリングを躊躇する理由は見当たらないだろう。

テーパリングの相場への影響はかなり予想が難しい
今のブレークイーブンの位置を考えると米債金利はどの年限もちょい上昇はしてしかるべきだと思っている。
株について被害が出るとすればまず中国株からだろう。
金融引き締め時は常に不確実・ファンダメンタルズ悪化・流動性の低いものが一番被害を受ける。
中国株は現在それに該当しており、個人的にはそれに端を発して米国株も巻き込まれてやや大きめな調整を受けるというシナリオを現在基本路線で考えている。

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