中国、「資本に乗っ取られた」教育産業見直し-モデル転換不可避

前日話題にした中国共産党の勘違い行政について引き続き相場に悪影響を与えている。

中国・香港・米国上場中国ADRの下げが続いているが、中国オンライン教育企業の非営利化政策が実質的に私有資産の接収だと投資家は捉えたことが原因にある。

この事態についてなんとなく同じような事態を思い起こさせるのはベネズエラのチャベス政権時代の私有資産の接収である。
1999年にチャベスがベネズエラの大統領に就任して以降、チャベスが次々と外国資本が保有する資産を接収していき、外国人投資家をドン引きさせたのは、やや年齢を重ねた投資家ならまだ記憶に残っているものと思われる。
これ以降ベネズエラの民間企業は外国から資本を獲得することができず、国営化された企業は次々とでたらめな政策を受けたことにより弱まっていき、最終的には今の貧民国家に転落することとなった。

今回の中国の上場私営塾の無償化は実質的に私有資産の接収とほぼ同義だと投資家は捉えた。
さらに、まだ裏では次々とADRを米国上場させている企業回りを中心に制裁をかけており、外国資本にダメージを与えている。
しかも、これまで多くの外国資本がこうした中国の急成長企業へPEやSWFを中心に投資を行ってきた。
外国資本が中国の私有資産接収に実質的に大規模に直面するのはほぼ初めてのケースで、これは鄧小平の開放改革から逆転する方向にあることを意味している。
しかもこれまでは米国政府に制裁を度々受けているという中で急成長しているからと我慢して投資していたところに対して、全く斜め上から投資を全損させるようなことを中国共産党が行ったことというのは非常に度し難い。
まず外国人投資家は香港・中国本土株・米国上場ADRについての投資戦略を抜本的に戦略を見直す必要性に迫られるだろう。
外国人投資家だけならまだいい方で、中国で真に怖いのは内側から攻撃を受けることにある。
中国は歴史的には広大な土地・大量の人口を背景に外国からの攻めに対しては粘り強い我慢を続けることにより、最終的に戦争に打ち勝ってきた。
しかし、少しでもトップが間違ったことを行った場合には内側から反政府などが湧きたつし、勝手に資本を逃避させるなど平気で行い、愛国心もクソもない自衛行動に移す。
今回のエドテック企業の締め付けは外国人からも内側からも資本を逃避させるような大失策であった。

そして最大の問題は現在習近平政権が交代する時期というのが不明なことにある。
今までは2期10年という制限が憲法に記載されていたが、2018年にこれを撤廃しているため、やろうと思えば習近平が死ぬまでトップを続けることが可能だ。

<参考ニュース>
中国、習主席の任期制限を撤廃へ 2023年以降も

中国の政治なんて面子が全てで、一度行った政策を撤回させることなんて不可能なんだから、当面このナショナリズムを受けた強硬政策が続くことは想像に難くない。
なので、習近平政権が終わって新政権が誕生して、このような私有資産を接収するという愚行政策を二度としないと誓約するまでは外国人は中国株投資に戻ってくることは基本的にはないだろうし、そもそも今外国人投資家が考えていることはどれぐらい中国株エクスポージャーを減らさなければいけないのかということにあるので、現在大幅安になっているからといって掴みに行くことは危険極まりない行為だと思っている。

個人的にも習近平政権が終わるまではおそらく中国株に投資することはないだろうと考えている。

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