狂騒の20年代か、戦後の消費ブームか:ロバート・シラー

普通に考えるとそうなるよねと。

現在米国では小売統計が好調に推移していて、住宅販売統計も好調ともうまるでコロナ禍の影響はなかったみたいな統計数値が出ている。
個人的には小売統計と住宅販売統計は密接に関係している状態にあると思われる。

家を購入して引っ越しした人があることはすぐに想像できると思うが、したことがない人は今一度想像してみてほしい。
家を購入して引っ越すにあたって古い家具や家電製品を捨てて、新しい家用に家具や家電を揃え直す。
テレビ・冷蔵庫・洗濯機・エアコン・収納家具・ベッド・机・台所用品・その他細々とした家電製品をはじめ、さらに水回りにリフォームをかければトイレやバス用品も買う必要性がある。
さらに新しい家にお気に入りのインテリアなどの雑貨をどんどん入れていけば必然と買うものが大量になる。
トータルすると普通に100万円を超えるような買い物になり、場合によっては200万とか300万円とかの買い物にもなったりする。
まあようは住宅購入をして引っ越しなしでは考えられないレベルで買い物をすることになる。

このブログでは何回も記事にしている通り、現在米国はモーゲージ金利が非常に低いため、バカスカ住宅が売れていて、在庫が枯渇状態にあるレベルになっている。

<米国モーゲージ金利チャート>
https://muragoeinvest.com/property

住宅が購入されると同時に米国全土で引っ越しに伴う買い物が大量発生しているということである。

なので単に補助金効果でモノが売れているだけでなく、新しく家を購入して新生活をするためにモノをバカスカ買っているというのも米国の小売統計を押し上げる要因になっている。
その他の国でも住宅統計が好調な国は同様なことが発生していることは想像に容易いだろう。
当面米国を中心に住宅販売統計と小売統計は密接にリンクした状態が続くと思われる。
住宅統計が落ち込まない限りは堅調な小売統計は続く可能性が高いと思うので、米国住宅動向を読むことが相場を予想する上で非常に重要な局面になっている。

ちなみに個人的には拡張的な米国財政政策をやめる前に金融緩和をやめることはできないため、新住宅バブルが来る可能性はやや高いと思っている。
これが行き着く所まで行き着き、皆が住宅を購入するにあたって積み上げる債務増加ペースが加速し、その後政策金利引き上げを含めて金融引き締めが起きた時点で積み上げすぎた債務が逆回転して最後は住宅ブームが破裂するというところに帰結すると思う。

不動産相場が逆回転し経済が足を引っ張られるのは、それまでにどれだけ過剰債務を積み上げたかどうかに依るので、住宅販売数の増加ペースと不動産債務の積み上がり方を両にらみしながら考えていきたい。
ちなみに上記の過剰債務と不動産相場の話は下記前日銀総裁の白川氏の書籍にも記載があるので、読んだことがない人は読んでもらいたいところである。

<参考書籍>

中央銀行―セントラルバンカーの経験した39年


まあもちろん今すぐ住宅バブルが破裂するなんて考えるのは愚の骨頂で、そんな考えを持っている時点でお前は副島隆彦かよというレベルに妄想に取りつかれていると評されるだけなので、まだ何かを心配するような段階にはないだろう。

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