Airbus prepares to increase A320 production

先を見据えて一部航空会社が動き始めているということでしょう。

上記FT記事ではエアバスがA320の生産についてコロナ禍以降抑制していたが、航空業界の見通し改善に伴いいよいよ生産を引き上げる時に近づいているのでサプライヤーに準備をするよう指導しているとコメントしている。

ご存じの通り、今回のコロナ禍で最も悪影響を受けているのは、国際的な人の往来が完全に制限されてしまっている航空会社である。
コロナ禍初期はもう国際線も国内線もグローバルにズタボロになり、もれなく全員大赤字で政府救済要請や銀行へのつなぎ融資のお願いなどに駆けずり回る形となった。
足下でも国際線しかないような航空会社は引き続きひどい状況にあるが、少なくとも国内線需要が厚い国の航空会社はそれなりにマシな状況になった。

米国の航空会社の1Q決算を見ると、例えばデルタ航空ではまだ利益自体は純損失状態だが、営業キャッシュフローは黒字に転換している。
営業キャッシュフローが黒字に転換しているということは少なくとも資金流出は止まっており、つなぎ融資さえもらえれば資金状況は回るという状態になっている。
この状態まで米国航空会社は状況が改善したが、上記エアバスのコメント記事を見る限りは、もう2022年や2023年の国際往来の復帰を狙って溜まっていた航空機の受注消化状況の再開に向けて動き始めたことを意味している。
IATAが国際線の復帰は2023年か2024年に復帰するのではないかという見通しを示していて、まだ2年も先の話で、生産引き上げも2023年2Qをターゲットにしているが、航空機は製造に時間がかかるため、それを狙って動くにはこの時期ぐらいから生産再開要請をする必要があるということだろう。

この報道で素直にエアバスの株価は9%上昇し、ボーイングも連想的に買われている。
エアバスはとうとう3年間移動平均線(750日平均移動線)より上の位置になってきた。

<エアバスの株価チャート>
タイトルなし


一番最悪だと思われていたセクターがこの発表で素直に買われていることを考えると、よっぽどもうデフォルト見込みとかでなければ、3年移動平均線より下にある銘柄(基本バリュー銘柄になるだろうが)は買ってもいいみたいな状態が続きそうだ。
まあようは、よっぽど無理なバリュエーションの銘柄で無理したポジションを抱えていなければ、とりあえずバリュエーション的に無難な銘柄をてきとーにそれなりに持っておけばそんなひどいことにはならないでしょうという話だと思う。
(コロナ禍前の値段に戻るかどうかはまた別だけど)

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