米新築住宅販売、4月は予想よりも減少-高価格が需要を抑制

住宅価格は市場予想を上回ったが、中古住宅販売件数も新築販売件数も建設許可件数も市場予想を下回るという状態になった。
ニュースでは価格の高騰に伴って顧客がついていけなくなっているのではないかと報じられているが、今一度起こっている可能性があることと、これから何が起こるのかを予想しておきたい。
おそらく米国経済の現在の回復の大きな要因がここにあるので、ここはしっかり考えておきたい。

まず現在何が起こっているかだ。
価格上昇が続いているが、成約数や建設許可件数が市場予想を下回ったことについて何が起こっているのか考えたい。

1、
単に市場にクソ物件しかないため成約数が伸びなくなっている。
現在米国の住宅統計を見ると、中古在庫はかつてないレベルで少ないことが示されている。
今市場に残っているのが通常時であれば買うに値しないクソ物件ばかりになってしまい、価格とは別要因で需要層が買い控えを起こしている。
これは日本でもSUUMOを見ているとわかるが、東京23区の特定地域ではまともに買いたいと思える物件さえ出てきていない地区が存在したりしているレベルで在庫がない。

2,
ニュースが報道するように、コストプッシュ型での不動産価格上昇に顧客がついていけなくなってきている。
モーゲージ金利の低下も一服し、これ以上借入金利の低下が見込めない中で、顧客は一旦様子見姿勢が強まっている。

この2つのシナリオのうちどちらが真なのかで、今後の投資スタンスは変わるだろう。

そしてこれから米国住宅市場に起こるシナリオも考えておきたい。

1、
新築は市場に販売できる在庫が極限的に少なくなっている中、作れば作るだけ売れる状態のはずである。
しかし木材価格を見てもわかる通り、高値になっている理由が原材料入手ができていないためや米国内で働いたら負けレベルの給付金によって建設労働者が集まらないために建設が遅れている。

<木材価格のチャート>
タイトルなし


<過去参考記事>

働いたら負け状態の証拠となる米国マクドナルドの時給引き上げニュース

ただ、資源が高値になっていることによって供給が徐々に増加していき、米国給付金が切れて建設労働者が戻っていくことによって建設件数が一気に増加し、不動産価格は高値を維持したまま新築物件が爆発的に売れていくことにより、米国は不動産バブルへ突入していく。

2、
既に住宅価格の急騰はやりすぎで、今の価格上昇に顧客がついていけなくなってきている。
在庫が少ない中のでコストプッシュ型で業者は不動産を値上げするが、在庫が少ないまま成約数が落ちていき、なんとも言えないバランスに落ち着く。
在庫が少ないため業者は損を出してまで投げ売る必要性がないため、成約数は伸びないものの不動産価格は上げ幅を失うとも下がらず、奇妙な安定に留まる。

どちらのシナリオになるかによって、今年後半の米国財政政策・金融政策・株価の伸びが決まっていくので、どちらになっていくのかは今後追加で出てくるデータを見ながら考えたいと思う。

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