US companies lobby Seoul to release jailed Samsung chair

やべー内政干渉かましてでもやりたいことを実現しようとする米国ごり押しパワー。

上記記事で米国企業ロビーが韓国政府に対して贈賄罪・不正相場操縦などの複数罪状で実刑を受けているサムスンCEOの拘留を早期に解除しろと圧力をかけているようだ。
この記事を読んだときに個人的に感じたことは、これは本当に米国はすさまじいことを考えついて、それを内政干渉だろうが実行しようとするとんでもないごり押しをするなという感想である。

現在世界ではご存じの通り半導体が不足していて、様々な製造業のボトルネックになってしまっていることはこのブログの読者であれば既に知っている話だと思う。
米国政府含め先進国各国はTSMCにさっさと半導体生産能力を上げろとせっついているが、なまじ様々なグレードの半導体が足りないということで利益率が悪い製品も多く含まれており、TSMCとしては大きく利益を犠牲にした投資はしたくないというのが本音で、のらりくらりとかわしてマイペース投資をしているというのが現状である。
そのため、半導体不足と言われて既に数ヵ月経つが、未だに解消目処が立っていない。
半導体のファウンドリー業界ではTSMCに遅れを取っているが、サムスンも世界二位でシェアがそこそこあり、半導体でも最先端でなければ基本的に生産能力を持っている。

ここで米国のお偉いさんが考え付いたことは未だ韓国当局によって拘留中であるサムスンCEOに米国内に半導体ファウンドリー工場を建てることを取引条件に韓国政府に釈放するように圧力をかけるというモラルもクソもない内政干渉手法である。
米国にとっては韓国政府に圧力をかけることなんていうのは簡単な話で、北朝鮮問題・駐留米軍の取り扱い・中国との関係性・米国への輸出貿易・為替の不当介入といった5つの事柄に絡めてインセンティブ削減や制裁を課すなどの脅しをかければ韓国政府は屈する以外に選択肢はない。
そしてそのような取引をサムスンCEOは持ちかけられれば、本当に実行可能であればすぐにでも首と縦にふるだろう。
金で人生の貴重な数年を取り返せるなら願ってもいない話だろう。

現状は上記記事を読む限りは米国業界団体からそういう圧力をかける発言が相次いでいるというレベルの書き方だが、おそらく業界団体は米国政府にもそういう圧力をかけるよう要請しており、これを米国政府が実行に移すかどうかがキーポイントになる。
もし米国政府が実際に圧力をかけ、サムスンCEOが釈放されるとなれば米国にとっては韓国ー米国政府間でひと悶着が起こり、関係が悪化する可能性はあるが、そんなことより米国のための半導体生産能力強化の方がよっぽど重要という判断になるということだ。

その際は昨今のTSMCと同様にサムスンの株価もいわゆる効率の悪い投資を強制されることを意味するので株価は悪影響を受けることが想定される。

<参考記事>

TSMCが世界の公器として圧力がかかる日が近いかもしれない


<サムスンの株価チャート>
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