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FRBの米銀のストレステストの結果が公表されたので自分の気になるところをレビュー。
今回はコロナ不況真っただ中のまさに今ストレスかかっている最中ですよねという状態なので、FRBがどの程度の自体までを想定していて、各金融機関の耐久度合いが見えるということもあり注目されていた。
原文は下記になるので興味あるという方は一度読んでみてはどうだろうか

<ストレステストの結果サイト>

Dodd-Frank Act Stress Tests - Federal Reserve Board



<ストレスシナリオ失業率>
タイトルなし

すでに前回の失業率報告は13.3%あったので楽観シナリオはこの時点で失業が止まっていることが前提になる。
しかし未だ新規失業者保険申請数が百万件超えている時点でちょっと楽観シナリオは難しいように思える。

<参考サイト>
新規失業保険申請、148万件に減少も2週連続で市場予想上回る

<米国10年債利回りシナリオ>
タイトルなし

UとかWシェイプのもので0.6%ぐらいのシナリオを予想している。
逆に言うとFRBとしては米国10年債利回り0.6%以下にまではぶっこませる気はないという認識なのかもしれない。
また景気回復とともに10年債利回りの上昇をそれなりに予想していることから、おそらく10年YCCは今のところ検討段階にもないことは確かだと思う。

<米銀CET1比率推移シナリオ>
タイトルなし

足元の米銀CET1比率は12%だが、V字回復なら10%ぐらい、最悪だと8%とかになるという予想が出ている。
先ほどの失業率にある通りすでに楽観シナリオが今現在投資家が期待する最上値に近いということもあり、少なくとも米銀CET1比率は10%ぐらいには下がりそうだという感じだ。
今回のコロナウイルス影響でやはりCET1比率が2-3%ぐらいは普通に下がる想定はしておいた方が良いように思える。
FRBもかなり慎重に見ているのか、わざわざ米銀に9月までの自己株買いの禁止と増配すんなという異例の指導も出している。
(銀行は金融当局には逆らえません)

<予想不良債権発生源>
タイトルなし

今回の不況の大きな特徴はクレジットカードの損失の大きさにあるだろう。
米国では誰もがロックダウン措置で無差別に職を失っている状況であるため、低所得者・多重債務者みたいな人にとっては即死みたいなクビの切られ方かつ就職案件の蒸発が発生している。
そうなると米国人の大半はまさに宵越しの銭は持たないみたいなクレジットカードの使い方をしているので、
一方でリーマンショックの時とは違い、モーゲージの損失はストレスシナリオ下においても190億ドルに過ぎず、対GDP比でたったの0.1%である。
これは以前の英中銀が発表していた金融安定レポートとも整合性が取れる。

<過去参考記事>

BOEが発刊した金融安定レポートから読み解く金融市場


金融機関のレバレッジは高くなく、モーゲージを過度にぶん投げる必要性がないということもあり、金持ちが不動産を買おうと思えばいくらでも金が引っ張れる状況は継続している。
そのことが端的に現れているのが新規許可建設だろう。

<参考ニュース>
5月住宅着工件数、前月比4.3%増の97.4万戸

<ローン貸し倒れ率想定シナリオ>
タイトルなし

まあ6%は平気で出そうですよねという話。
最悪10%となるが、10%になるなら政府サポート入りそうな気もしなくはない。

<金融機関別ストレスシナリオ下CET1比率>
タイトルなし

(小さいので拡大して見てください)
やはり一番厳しいのはクレジットカード融資がメイン事業であるキャピタルワンであることは確かだと思う。

いろいろ解釈の仕方ができると思うので一読してみる価値はあるだろう。

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