雇用者数、12月は予想下回る14.5万人増-平均時給の伸び鈍化

雇用ドライバーは結局非製造業。

米国の雇用統計については毎月非農業雇用者数が発表されているが、これと別途で製造業雇用者数というのも発表されている。
大体現在の非農業雇用者数変化が月次+15~20万人ぐらいで推移している。
では製造業雇用者数はどれぐらい増えているのだろうかと思うだろう。
しかし統計を見ればわかる通り、12月の数値でいうと雇用者数は-1.2万人という数値である。
ここもとの六カ月平均をとっても2千人しか増加しておらず、直近で景況感が良かった2018年頭でも増加数はせいぜい2万人程度である。
つまり製造業の雇用者数増加なんていうのはほとんど発生しておらず、ほとんどが非製造業、つまりサービスセクターから生まれているということである。
個人的にはこの製造業雇用者数というのも合わせてみているが、これを見ても米国の製造業が回復していないことは一目でわかると思われる。

<米国製造業雇用者数月次変化>
タイトルなし


さてこの製造業雇用者数増加がはっきり増えなくなったのはいつ頃だろうかと統計を見直してみる。
すると、1980年前半までは増加する時は10万人ぐらい増加していたのが1985年以降からガクっと山が下がり、景気ピークでも月次5万人程度しか雇用を生まなくなった。
これが2000-2009年になるとさらに製造業の雇用状況は深刻になっていき、景気拡大期もプラスをはじきだすのが精いっぱいとなった。
これはやはり中国に大規模にサプライチェーンをアウトソーシングしてきたことによる雇用流出は間違いないだろう。
米中国交正常化が1979年なのでそこから足掛け6年ぐらいで米国企業は大量に製造部分をアウトソースしてきた。
この点では中国が米国の雇用を奪ってきたというのは当たらずも遠からずといったように見える。
しかし2010年代からは山は低いが、それでもピーク時は4万人ぐらい雇用を生み出すような状況に改善したようにも見える。
これはおそらくだが、中国にアウトソーシングできるものはほとんどやりきったということを意味しているのではないだろうか?

そうなると、トランプ政権による製造業の自国回帰をめざした様々な貿易妨害政策というのは、もはや製造アウトソーシングをしきった米国企業にとっては邪魔な政策以外でもなんでもないということではないだろうか?

以上を鑑みながら二つの結論として
・製造業はもはや雇用のドライバーではなく、非製造業がやはり米国景気を引っ張っていく重要ファクターである。
(ただしあまりにも激しい製造業雇用者数減少は注意)
・米国国内からアウトソースすべき製造業はほとんどアウトソースしきっているので、トランプの貿易政策は単に米国企業の事業を妨害しているだけ

というような結論が導き出せそうだ。
そう考えると直接的には米国株で製造業株買う理由ってなんでしたっけ?となるわけで、そこを考慮して米国株を触る際は製造業エクスポージャーは避けた方がパフォーマンスが良くなりそうな気がしてならない。