<フィリピン総合株価指数のチャート>
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高度化しない産業構造の国の弱点。

個人的に色々な国の株価指数の状況を確認しているが、GDP成長率や国内景気の動向を鑑みてもちょっと割安っぽく見えるフィリピン株がなかなか上昇してこないのは常々なんでなのかと不思議に思っていたが、様々な角度から観察すると上昇ポテンシャルを市場から見限られているのではないだろうかと勘繰っている。

ではなぜ市場はフィリピン株価指数の上昇幅を見限っているのか?
それを知るにはフィリピンの経済構造を知る必要性がある。
フィリピンの経済構造というのはBOPなどのアウトソーシングサービスと出稼ぎ労働者の送金によって経常収支が成り立っている。
一方で国内の産業高度化は進んでおらず、製造業関連はからっきし進展しているように見えない。
アジアの中でも製造業の発展が遅々として進んでいないのはフィリピンとインドの二か国だが、中でもフィリピンはインドより状況が進んでいないと言われている。
そのため常に貿易収支は赤字気味というのがフィリピンの現状だ。
これを海外からのアウトソーシングビジネスと出稼ぎ労働者の送金で外貨帳尻を合わせている。
ではここで考えたいのが、フィリピン国内の景気が盛り上がってきたら何が起こるかだ。
フィリピン国内の景気が盛り上がると国内での雇用が増加するのは当たり前の話だが、これは逆説的には国内の雇用者数が増加することによって出稼ぎ労働者が減少することを意味している。
出稼ぎ労働者が減少すればフィリピン国内に送金する金額が減少するので、国内景気上昇による輸入増加+出稼ぎ労働者の減少による送金金額の成長率鈍化のダブルパンチで経常赤字が急速に増加しかねない。
一般的に言われている国際収支の天井にぶつかるのが目に見えるということである。
国際収支の天井にぶつかれば、為替減価や金融引き締めが必要になるため必然的に株価は下落することを意味する。
つまり国として底が浅いため、国内景気の盛り上がりというのは構造上短命になりがちで残念ながら株価の伸びもたかが知れているということだ。

フィリピンの株価が爆発的に上昇していくには、どうしても輸出産業の育成が必要になってくるが、まだその芽は見えてきていない。
それに中国を中心としたグローバルバリューチェーンからも若干逸れ気味ということもあり、ベトナムのような中国製造業の分散目的のおこぼれにあずかるのも難しく、フィリピンは独立独歩で製造業の立ち上げを行わなければいけない。
それができれば個人的にはすぐにでもフィリピン株への投資を開始するが、今のフィリピンの経済構造状況を考えるとそれはまだ時期尚早のように思われる。