ICE BofAML US High Yield CCC or Below Effective Yield - FRED
CCC格よりもBBB格ゾーンの爆発が一番危ない。
昨今米国ハイイールド社債の中でも飛び切り格付けが下のゾーンのスプレッド(対国債上乗せ金利)が上昇している。
CCC格ではこの数値が10%と2018年12月以来の高い水準にある。
B格についても約4%とそこまで高くはないものの、2017年・2018年のリスクオン水準と比べると随分高い。
しかし一方でBB格はスプレッドがたったの2.2%程度しかなく、ハイイールドの中でもBB格を見るとリーマンショック以降のヒストリカルロウレベルのスプレッドしかない。
一部ではこのCCC格のスプレッド上昇が止まらないのを指してリスク資産の大幅下落が近いという説を唱える人もいるし、気にしている人も多いようだが、個人的にいくつかのこの説に反論したい点がある。
それについていくつかポイントをまとめたい。
1、米国のハイイールド債の市場規模自体が格付けが低い順に縮小している。
実は米国のハイイールド債市場は規模が漸減している。
特にCCC格なんてのはひどい状態で、2014年に2400億ドル近くあった市場規模は今や1650億ドル程度にまで縮小しており、規模にして2/3になっている。
なぜこのような状態になったかというと2014年の資源バブル崩壊以降、主にドベの格付けの借り手であったシェールガスオイル業者の新規発行というのが壊滅した。
その後もなんだかんだで市場はこの格付けゾーンを保守的に見ていたせいか市場規模は漸減していったのがおそらく市場規模減少の原因だろう。
一部新規テック企業が新規発行などをしていたが、やはり何かブームがないとよっぽど変な財務の企業は社債を発行できないということだろう。
2、新規発行プレーヤーの減少により相対的に劣化債券しか残らない状態が増加し始める。
これは銀行を調べている人ならご存知だろうが、銀行は融資の伸びが止まる=経済不振による不良債権の増加+新規健全融資が増えないことから全体の不良債権比率が急速に増加する。
現在CCC格で起きている減少はこれで、比較的ましな発行体による社債発行が途絶え、既存の人達の信用力状況が劣化していることが主な原因だろう。
逆にBB格が200bps前半というタイトなスプレッドが維持できているのは次々と新規発行体による新発債が発生しているからで、これがハイイールドの中でもBB格とそれより下で大きな差が生まれてきている原因だろう。
逆にBB格が200bps前半というタイトなスプレッドが維持できているのは次々と新規発行体による新発債が発生しているからで、これがハイイールドの中でもBB格とそれより下で大きな差が生まれてきている原因だろう。
3、しかし社債市場全体で見るとA格とBBB格市場の急速な増加により存在感は大幅低下。
このようにB格およびCCC格中心に社債市場は新規発行よりも償還の方が多く、市場規模がピークから20%以上もの減少を見せていた。
一方で、投資適格については国債の金利水没に伴う機関投資家の旺盛な需要と企業側が安く調達したいという供給側の言い分がマッチしてA・BBB格中心に堅調に市場規模は拡大していった。
そのせいもありB格・CCC格が市場全体に占める割合は2014年それぞれ9%・4%と合計13%占めていたのが、足元では6%・2%の合計8%と単純な市場規模以上に存在感が下がっている。
このレベルの比率は2002年のITバブル崩壊後の水準レベルやリーマンショックど真ん中ぐらいの一番暗い時代だったレベルの時と同程度の比率でしかない。
BB格はまだ市場規模は維持しているものの、比率は7%ぐらいまで低下。
リーマンショック前のB格・CCC格比率がそれぞれ12%・5%あった時代と比べるとその存在感の薄さは否定できない。
このように現在のドベハイイールド社債市場自体をそもそも熱心に見ている人が少ないし、米国銀行も色々な情報を見る限りこのような危ないところに無節操に金を貸すほどアホな行為をしていない。
(というより金融規制強化でそこまでド派手なことは間接金融ではしづらい)
というわけで2014年から色んなプレーヤーが既に手を引いていてもう5年が経つ市場の低迷が経済の根幹を揺るがすような経済ショックの引き金になることはまず考えづらいというのが率直な感想だ。
CCC格よりもやはり一番気になるのはBBB格で、現在の社債市場で最も成長速度が速く、規模も全格付けの中で圧倒的な大きさになっている。
しかもこぞってみんなが買っている市場だ。
ここで大きな問題が起こると多数の巻き込み事故が発生することは現在の社債市場に占めるBBB格の割合を見ればまず間違いなく、BBB格市場に対して異常が発生するような事態になったら問答無用で全リスク資産を投げる必要があるだろう。


