JT、年初来安値 「加熱式」期待薄く

配当利回り大好きな方々には非常にお気に入りのたばこ株。
米株ならフィリップモリス、日本株ならJT。
あのウォーレンバフェットも昔はタバコ株は顧客が他のセクターと比べて全然離れないので非常においしいとまで言わしめてきたセクターである。
これらの株がこの2-3年で平気で4割近くぐらい下がって配当利回りも6%となっているのに、なんで株価戻らないんだとNISA購入組で怒りを感じてしまう方もいるだろう。

これにはいくつかの複合要因によって生じている側面がある。
一つは健康意識の高まり・タバコ税の増税・代替娯楽の氾濫という背景による構造的な需要減少だ。
もはや日本では一箱500円、海外なら一箱1000円の健康に悪いタバコを吸うことが、無料でできるスマホゲームに勝つということがいかに難しいかがわかるだろう。

ただこれについては昔からわかっていたことで各社コスト削減などで対応しており株価と比べてEPSの下落幅は限定的で、ここ3-4年ではEPSはあまり変化していない。
もう一つ直近で大きな影響を及ぼしているのがESG投資による株の需要減少だ。
ESG投資でタバコ株は特に目の敵にされており、世界最大の年金基金であるノルウェー基金をはじめ、タバコ株を売る機関投資家プレーヤーが増加傾向にある。
ここに上乗せ空売りすればかなり利幅出るんじゃないかと狙っている動きの速いプレーヤーもいるだろう。

このESG投資という観点によるタバコ株ポジションの削減+ブローカーの上乗せ空売りによって皆が想像するよりも株価の下落が続いてしまっている。
しかもこれら機関投資家は絶対に帰ってこない買いポジションでもあるため、従来よりPERの上限は低くなっていることは確実だ。
少なくともJTにおいては未来永劫PERが過去のような20倍に戻るということはないだろう。

かといってEPSが維持できている株に対して過剰に利回りやPERが低くなればそれはそれで安定した投資対象になることも想定される。
ただし、タバコ需要減少によるダメージがJTであれば多額ののれん部分にまでヒットしてしまうとEPSの減少および減配という事態もあり得るので、そこを考えながらどこがボトムかを考えながらタバコ株の買いを実践してほしく、単に足元の配当利回りが高いから・PERが低いからという理由でめくらで金をつぎ込んでいくのは得策ではないだろう。
少なくともPER6-7倍台になったらさすがに買いでしょうとは思うが。
(個人的にはあまりにも夢のない株投資なのでそもそも遠慮するが・・・) 

とりあえず今回のJT株の下落はESGファクター要因が大きく、株投資家はESGファクターで年金基金が売らざるを得ない株を持っていないかというのに目配せする必要がある。


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