Chinese regulators will restructure Baoshang Bank as soon as possible

以前にブログで記事にした包商銀行が公的管理下に置かれた件について、債権者の債権、特にインターバンク債権についてどれだけカットされるのかに注目が集まっていた。

どうやら上記ニュース記事によるとほぼ満額保護されるということになったようだ。
99.98%の債権者の債権は未払い利息含めて全額保護されて、残り0.02%の債権者の5千万元を超える預金のみ平均して1割カットされたようだ。
日経新聞では大口預金が1割カットされたとしか書いておらず、カットされた範囲が広範囲なような誤認を与えていたが、実際は中国当局が譲渡性預金市場およびマネーマーケットの混乱を危惧してほぼ全額保護の方向に走ったということで間違いないだろう。

もしインターバンク債権を3割もカットしてしまった場合には中小銀行の資産クオリティなんて外から真実を見るのなんてほぼ不可能に近いので大混乱が起きる可能性があったが、とりあえずその可能性はほぼなくなったと考えてよいだろう。

<過去記事参考>

中国の中小銀行が公的管理下に置かれた時、AT1債はどうなるのか

またまだ取り扱いは不明であるがTier2債についても相当程度保護されることが期待される。
なぜなら中国の銀行はいずれもシャドーバンクのオンバランス化によって資本の拡充が必要であり、そのためには劣後債の発行が欠かせないことは周知の事実だ。
ここでTier2債をむやみにベイルインさせてしまうと劣後債の資金集めが急速に難しくなる可能性があるため、中国当局としてはなんとしても避けたい事態だろう。

以上から中国当局は金融不安よりモラルハザードが起きるほうが現時点ではマシと割り切って動いていると考えてよいだろう。