PBOC to Guarantee Bank of Jinzhou's CD Issuance

中国金融当局は地方銀行のファンディングについてはモラルハザードを考慮して基本的な銀行間取引に対する資金供給にとどめていたが、もはや四の五の言っていられないと判断したようだ。

市場では包商銀行のあとどこがベイルインされる可能性があるか、またベイルインされることによりどのような損失を被るかということに焦点をあてており、決算開示の遅れている銀行に対するファンディング圧力が増大していた。
特に次に危ないと思われている一行である錦州銀行はドル建てAT1債がその危険な兆候を察知して単価が60台にまで下落していた。

その火消しのために中国金融当局はこの錦州銀行が発行するNCD(譲渡性預金)については保証すると個別行ファンディングに直接に介入してきた。
中国の中小銀行にとっての譲渡性預金は重要な資金調達源であり、包商銀行が公的管理下に置かれて以降は資金の出し手がいざ公的管理下におかれた時のベイルインで譲渡性預金にも損失が出ることを恐れて資金がドン引いていた。

しかし中国金融当局が保証すると発表すれば、それはもう無リスク資産に変化するわけなので、一気に錦州銀行については厳しい調達環境が和らいだと考えてよいと思う。
また、これはほかの中小銀行も危なくなったら同じように個別銀行の債権について保証しますよというシグナルにもなっている。
包商銀行で対応を失敗した中国金融当局は方向性を転換して、一定程度のモラルハザードは許容して市場を安心させる方に急旋回している。

なお、公的管理下に置かれた包商銀行も公的管理下におかれてもう安心ですよと定期預金の金利を引き上げて預金を集めているという話も日経新聞の記事になっており、まあ商売魂たくましいですねと思う。 
日経新聞の記事ではこうした危ない中小銀行があるものの、パニックにはなっておらず、逆に公的管理下に置かれたことをセールにして商売にしてしまう開き直りさえ見れるといった実に味のある報道となっている。

中国、中小金融の再編着手 内モンゴルの地銀管理下に