村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2026年05月

投資中級者ほど足下の相場に乗れていない理由

株高に乗れぬ「さわかみファンド」 アクティブ型投信の課題浮き彫り

投資情報はたくさん集めても大半はゴミ。

足下の相場は多くの人が想像するよりずっと上昇幅が大きい状態となっていることは、既に多くの人が知るところだろう。

【ナスダック100のチャート】
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そうした中で、X上の投資成績報告など見ていると、投資レベルによって下記のような状態になっているのが見られる。

・投資初心者
意外と「なんか〇〇って銘柄がいいって誰かが言ったりどこかで見たりしてたので~」ていうノリだったり、カジュアルに3倍レバETF触っていたりして儲かっている人がいる一方で、駄目銘柄掴んだまま死んでる人もいるなど結構千差万別。

・ベテランかつ投資が上手い人
普通にAI関連株を触りながら、アドホックに儲かりそうな銘柄にしっかり投資していたりしているし、最低でもインデックス投資ポジションはかなりの量保有し続けているので普通に儲かっている。

・中途半端に投資を勉強した人
株価に不安を感じていて、上手くポジションを持てておらず、上げ相場の大半を十分に享受できていない。

・さらに中途半端に投資を勉強した人
日経ダブルインバースとかSOXSで全面的に焼かれていて、投資初心者より圧倒的にパフォーマンスが悪い。

このように投資情報に接している量が投資初心者より明らかに多い投資中級者がおしなべてパフォーマンスが悪い雰囲気が強い。
実際、X上で中途半端に投資関連書籍を出版してインフルエンサーっぽく活動している人のX情報を追っていくと、足下の相場を十分に取れている雰囲気がない人の方がよっぽど多いことがわかると思う(誰とはここでは書かないが)

なぜこのような状況が生まれているかというと、AIブームによる相場の地殻変動が大きく、ネット上で噂された銘柄の上げ寿命が長いために、意外と投資初心者で全く知識はないが、他の人が推薦したような銘柄を素直に買うといった行動をしても全然エントリーが間に合っていて、それによって大きいリターンを得ているのである。

一方で、投資中級者になってくるとノイズに惑わされていくようになる。
投資初心者を脱しようと色々投資を勉強し始めると、金融市場においては見るべき情報があまりにも多いことに大体の人は気づき始める。
そしてあらゆる投資情報に接しようと努力をする。
しかし、あらゆる情報に接した結果、「なんか世の中は不安定で危なそうだから・・・」という理由でガードが固くなるのが多くの人に該当する。
その結果、下げ相場などでは比較的傷が浅く済む一方で、こういった激しい上昇相場の時はポジション維持量も不十分だし、追加買いも株価が高くて怖くてできないということで、多くの現金ポジションを握ったままフリーズしてしまっているケースが多くなる。

自分もこういう時期が昔はあって、実際に過去を振り返ると十分なポジション量維持していなかったなという時期があった。
そこから脱するようになってきたのは、このブログももう書き始めて7年ぐらい経っているのだが、その過程の中で世の中に出回っている投資情報の99%は要らない情報だと気づいたことにあると思う。
いや、99%は少し大袈裟にいいすぎかもしれないが、少なくとも95%は要らない情報であり、情報20個に接すれば本当に投資において意味ある情報で自分の投資判断の変更に影響する可能性があるのはせいぜい1個ぐらいという感覚である。

つまり投資中級者のパフォーマンスが悪くなるのは、情報入手はいいのだがその後の情報取捨選択のスキルが十分にないことに原因があると思っているので、そういう人は情報を得るソースを広げるのではなく、得た情報のうち何が本当で何が嘘かを見抜くことに意識を向けると良いのではないかと思う。

ただ、今儲かっている投資初心者の場合、こういう上げ潮相場の時は爆発的に儲かったりするが、相場が曲がると全部の銘柄が下落する中でナンピンしたり、大きめの下げが来た時に耐えられないような信用取引ハイレバをしていたりするので、結局どこかのタイミングで上げ相場の時はきっちりエントリーできていて、下げ相場でも十分耐えられるポジション構成だったり、華麗に売り抜けられているようなベテランになる必要性はある。

足下の相場でいえば、結局AIブームがどれぐらい続くかの見極めが重要であり、どういうポイントを見ればよいかは下記過去記事を読んでもらいたい。

【過去参考記事】
どのようにAIバブルが醸成され、最終的にどうはじけるかのプロセスを考える
 
  
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宇宙関連株はどの時点で再エントリーすべきであったのか

Amazon to acquire Globalstar and expand Amazon Leo satellite network

今から振り返ると、ここでエントリーしなかった時点で負け確定でした。

個人的なポートフォリオはここまで上げ相場はきちんととれていて、ぼちぼちといったパフォーマンスであるが、その中でもなぜこのポジション取れなかったかなあと後悔しているものが一つある。
それはやはり宇宙関連株である。

【UFO(宇宙関連株ETF)のチャート】
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2020~2021年頃に個人的にも何回か宇宙関連株投資信託などでエントリーチャレンジしたが、あまり上手くいかず撤退した苦い記憶があり、結局この分野は中々まともなフリーキャッシュフローがでなくて厳しい業界なんだろうなと思って、その後は手控えていたし、そもそも目の前にはAIブームというもっとキャッシュフローの確実性が見えるテーマがあったのでそちらに集中していた。
しかし、その後宇宙関連株は2025年に再点火し、半導体に並ぶ株価高騰テーマの一つとなったわけであるが、自分はこれを全部取り逃してしまった。

今でもバリュエーションおかしいやろと思っているが、どこで判断を間違えたかと振り返ると一つ大きなものがある。
それは足下の相場というのは金融業界が動かしているのではなく、実業界が動かしていることにある。
つまり見た目の株価だけでなく、実際に実業界がこれだけ金を出してこの会社を買いたいという意向による市場の動きの方が性格的に強いというこである。

そして宇宙関連株でいうと、上記報道のようにアマゾンが衛星通信企業Globalstarを買収した時点で、確かにバリュエーションは無茶苦茶かもしれないが実業界はそのバリュエーションでも実際に買収したいという意向があるということに気づく必要性があった。
企業が買収したいという値段がわかれば、そこが一つのバリュエーションアンカーになるのが足下の相場動向であり、4/14にこの買収が発表された時点で後から振り返ればという話ではあるがエントリーすべきだったと思う。

ちなみにアンカリングされているバリュエーションは下記の通りのイメージである。

【宇宙関連株のバリュエーション比較】
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売上高対比42倍でもアマゾンが買収しているわけであるので、これぐらいのバリュエーションであれば買いたいと手を挙げる企業は存在するということを念頭に置く必要性があった。
ただ、こういう市場は買収されることを前提とした割高バリュエーションがついていたりするので、景況感や金融市場が混乱して買収どころじゃないよねとなると自然なバリュエーション判断がされていない分落ち方が大きくなるので、そのことを認識しながらどこかでエントリーすべきかどうかはちょっと考えておきたいと思う。
(とはいっても足下の相場主軸はAIだと思っているが)
  
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株高に都合の良い数値が出ている米国経済統計

米GDP、26年第1四半期改定値1.6%増 速報値から下方修正

株高にとって都合の良い材料ばかり出てくる。

木曜日にちらほらとイラン情勢ニュースが入ったのと米国経済統計が出たのを見て、いやーこれは相場強い状況続きそうですねえと思ったので、今回はこれをまとめていきたい。
実際に木曜日の米国株は上昇しているので、相場に警戒感を持って傍観している人達と、実際に市場に資金投入している人達の考えががどれぐらい足下で乖離しているかを言語化していきたいと思う。

【ナスダック100のチャート】
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まずイラン情勢についてだが、報道で合意間近みたいなニュースが出てきている。
ほんとかいなという話はあるが、はっきり言えば市場は米国とイランの停戦合意はされるかどうかではなく、時間の問題だと既に見切っている。
なぜなら双方からは嘘かほんとかわからない情報ばかり出てくるが、どちらも「相手が譲歩するなら合意してやっていい」というシグナルが出ていて、明らかに協議自体は水面下で続いていることは確実であり、完全決裂になる可能性はほとんどなさそうだと理解しているからである。
下記過去記事にも書いた通り本当に合意される前にめいいっぱいこれを織り込みにいく動きは当然である。

【過去参考記事】

双方の発言とは裏腹に協議継続で相場影響が薄れつつある米国-イラン戦争

こういった中東情勢を背景にFRBが金融政策を決める上で重要なPCE統計が発表された。
まだ原油価格は高い位置にあるが、発表されたPCEは市場予想通りの数値しか出ておらず、FRBが連続的に利上げに迫られるような状況でないことも確認できているわけで、中東情勢+原油価格高騰による相場悪影響というのは主要メディアで報道されるような懸念材料には全くなっていないのである。

さらに発表された米国GDP成長率は上記報道の通り若干下方修正されている。
この水準感自体は堅調とは言えるが、いって経済先行きに自信を持てるほど強いものでもないことは確かであり、伸びもなんともいえない数値である。
これはAIブームに伴う大量設備投資が動いているにもかかわらず、他の産業が極めて厳しい状況にあることから、総じてみると米国景気は強くも弱くもないという非常に不思議な状態にあることを示している。
しかし、これは極めてAI関連企業にとっては都合が良い。
なぜそう思うかは下記過去記事を読んでもらいたい。

【過去参考記事】
どのようにAIバブルが醸成され、最終的にどうはじけるかのプロセスを考える

以上を考慮すると、AIブームが止まるような材料は手元になく、株は個別銘柄はともかくとして全体が皆が警戒するような下落をするとはとても思えず、まだ世間一般がリスクが多い中で株高になっているのは不思議だと考え方と自分の相場認識ギャップは大きく、このギャップが埋まり切るまでは相場を引っ張り続けられる可能性高そうだよねと思っている。
ちなみに一旦の上昇目途はどうなのかと言われれば下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
S&P500はどれぐらい上昇すれば調整しやすくなるのかを様々なアプローチで考察
 
 
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半導体株の上昇の主犯は本当にガンマスクイーズなのか?



異常な上昇あるとすぐにみんな理屈こじつけが始まる。

相場は引き続き半導体株が時価総額の大きな押し上げとなり、指数ベースでも相場を押し上げる原動力になっているが、この上昇についてコールオプションの買いが主導するガンマスクイーズだと説明するトレンドが続いており、ここ数週間「ガンマスクイーズ」という単語をよく目にするようになったように思われ、上記のようにマイクロンの株価上昇についてはガンマスクイーズだと言い切るXのつぶやきもちらほら見かける。

実際自分も下記過去記事のようにオプション市場が相場を行き過ぎさせるという記事も書いており、相場の急騰をコールオプションの買いが引き起こしているという話は深く考えないとそうかもと思ったりする。

【過去参考記事】
株価が上にも下にも行き過ぎる現象をオプション市場から考察する

しかし、ここはきちんとデータを見ておこうということで、実際にコールオプションの買いが激しいのかどうかを確認していきたい。

例えば最近人気の宇宙株でいうと、米国で代表的なETFであるUFOというETFがあるが、これは足下でオプション出来高が増加するとともに、そのほとんどがコールオプションの出来高で構成されている。
この場合、コールオプションの取引がプットオプションを圧倒的に上回っているので、ガンマスクイーズが発生しているという表現はかなり正しい様に思う。

【UFOのオプション動向】
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https://www.barchart.com/etfs-funds/quotes/UFO/put-call-ratios

また、現在一番人気のマイクロンだとコール:プットが6:4ぐらいの出来高になっているので、コールオプション出来高が多く、マイクロンでガンマスクイーズが発生しているというのも説明としては合理性があるように見える。

一方で、SOX指数方面の取引は実はプットオプション取引の方が断然に多い。
米国半導体ETFで代表的なETFであるSMHで確かにオプション取引量が増えているが、この取引の8割が実はプットオプションであり、コールオプションはたったの2割しか出来高枚数がない。

【SMHのオプション動向】
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タイトルなし

https://www.barchart.com/etfs-funds/quotes/SMH/put-call-ratios

さらにSOX指数3倍レバであるSOXLについても、イメージとしてはコールオプションがもりもりかと思いきや、プットオプションの出来高が6割で、コールオプションの出来高は4割しかない。

これが意味することは、個別半導体株では確かにコールオプションでの追いかけによるガンマスクイーズが発生していると言えるかもしれない。
しかし、実は半導体セクター全体でいうとコールオプションで追いかけているわけではなく、個別株でコールオプションを買っている分、セクター全体はプットオプションでヘッジしているような雰囲気が強いように見える。
コールオプションが買われれば先物が買われて相場が上がると言うのであれば、プットオプションが買われれば先物がその分売られるので相場が下がるという説明は理に適っているはずである。

なので、相場が上がってきてオプション出来高が出来ていると「これはガンマスクイーズだ!」とすぐ解釈するのは拙速な判断ではないかと思うし、半導体株についてはガンマスクイーズで相場が説明できるほどテクニカルに依存しているようには見えないように思う。。
もちろんインプライドボラティリティが上昇しているからオプションに強い需要があり、それはガンマスクイーズを誘発する要因だというのは一利あるので、ガンマスクイーズを全否定するわけではないが、半導体株全体の上昇をガンマスクイーズによる異常性であると言い切るには随分プット多くないですか?と思うわけである。
    
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中国当局の海外証券取引サービス取締りは棚ぼた

China trading curbs may hit HK$250 billion of Hong Kong assets

強制手仕舞いさせられてかわいそう。

上記ニュースは中国本土で海外証券取引サービスを提供していたブローカー各社(Futu、Tiger Brokers、Longbridgeなど)に対して、無許可で中国本土顧客に海外証券取引サービスを提供していたとして取り締まりを発表し、対象顧客は2年間の移行期間中に売却をしなければいけないと強制手仕舞いを迫られることを中国政府が命じたことの報道であり、これについて今回まとめていきたい。

これについては、もうXアカウントを見ていればつぶやいている人が多いが、中国からの投資資金流出を懸念して取り締まりたいという中国当局の意向を如実に示している。
足下下記過去記事のように中国は構造的な不況にある。

【過去参考記事】
中国経済の低成長を招いた原因と再成長に必要な要素についての考察

そうした中で、中国国内の投資は全く投資妙味がないということもあり、超過利益を求めて海外に資産流出する意向が強まっているのが現状の中国の現状であり、香港ハンセン指数を見ればそれは明らかである。

【香港ハンセン指数のチャート】
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さらにここに中国特有の問題があるのだが、政治リスクなどから一度流出すると戻らない傾向が強いのが中国の難点で、足下で個人含めて海外資産にいかに投資するかということに躍起になっている中で、当局はどうにかして資本流出を止めたいということに躍起になっている。

これに目を付けた中国の証券ブローカーは海外株へアクセスできる手法を本土の人に提供していたわけであるが、これが違法だとして取引がBANされる見込みである。
2年間の移行期間中に海外証券の売却が必須となり、CITICの予想では300億ドル分ぐらい海外株が売られると見込まれている。

ではこの規制されて売却された資金はどうなるかといえば、結局ぐるっと回って外国資産に投資される。
売却された資産は結局どこかに預けておく必要性があるわけであるが、中国国内や香港の銀行に預け入れるしかない。
しかし、この預金を銀行が有効活用できるかというと、そもそも貸出先需要が死んでるから中国国内リスク資産価格が上昇しないわけであり、結局余資にしかならず、これは結局すぐに外国の資産(債券が中心だろう)に投資されるしかない。

つまり、今回の規制強化で売却に迫られる投資家は本当は儲かるのに強制的に手仕舞いさせられるという機会損失を被るわけで、その売りはすぐに足下の相場で吸収されることが見込まれ、我々はこの変に売られた分はよろこんで買わせてもらいましょうということで良いと思う。
    
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