村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2026年04月

AIブーム終了を予想して新興国株に投資することは間違い

【新興国株ETF(EEM)のチャート】
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AIブームが終わりなら全部終わりなんだよなあ。

イラン情勢前までは米国株より米国以外の先進国株や新興国株の方が上昇していたこともあり、一部ネット上では米国株の終わりと他地域への比重を高めるべきという話が結構広がったように思う。
加えて、新興国株はグローバルサウス(笑)の未来を信じていたりするのか、異様にアンチ米国株で相場を見ているがために、AIブームの終了による米国株の下落と新興国株の有望性について説いていたりする。

しかし、今や新興国株はインデックスで投資すると実はAI関連銘柄がかなりの比率を占めてしまう時代になっており、昔とは全く違う様相になっていることを下記にて確認してもらいたい。

【emaxis新興国株インデックスファンドの運用内容】
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https://emaxis.am.mufg.jp/fund/252878.html

このファンドは新興国株の代表的な指数であるMSCIエマージングカントリーインデックスに連動するように運用されているので、新興国株の国別構成・業種別構成・構成銘柄は忠実にトレースされていると思えばいい。

そうなると、まず組み入れ構成銘柄を見ればわかるが、上からTSMC・サムスン・テンセント・SKハイニックス・アリババと構成比率28%ぐらいがハイテクとなっている。
この中で直接的に米国AIブームから恩恵を受けているのはTSMC・サムスン・SKハイニックスだが、この3銘柄で22%もある。
さらに業種別構成も見ると、半導体関連とテクノロジー関連で合計31%ある状況であり、米国AIブーム動向が

このため、はっきり言えば米国株が下落すると思うのであれば新興国株も下落すると予想するのが論理的な考え方であり、米国株が下落して新興国株だけが上昇を続けると考えるのは妥当ではない。
ましてやAIブームが終了すると思うのであれば、もう米国株どころか新興国株もぶん投げるべきであり、結局足下の相場で重要なのは「AIブームがどれぐらい長く続くと思うのか」というこの一点に尽きると思われる。

もちろん、米国株が上昇する中でより新興国株が上昇するみたいなことは全然あり得るわけで、そういった考え方は論理的に正しいが、アンチ米国という思想が人によっては強い中で、米国株は下落するが新興国株は上昇するという考え方は下記過去記事の考え方に照らし合わせても普通はあり得ないわけで、論理的にどう考えても間違ってるだろという投資意見を排除することは投資を考える上では非常に重要である。

【過去参考記事】
世界の経済や金融市場を見るうえで、米国経済の分析から始めなければいけない理由

    
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テクニカル分析はあくまでファンダメンタルズ分析のトッピングに過ぎない

【エヌビディアの株価チャート】
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テクニカル分析だけで勝とうなんて幻想に過ぎない。

引き続き相場では株価上昇が続いている中で、そういえばというのがあったので、今回はテクニカル分析が主だと全く今回の相場では勝てなかっただろうねという話をまとめていきたい。

米国株の中でAIブームのド真ん中であるエヌビディアの株価というのは株式投資について情報発信する人にとっては最も注目されている銘柄であるが、2025年11月以降株価がうだうだしている状態が継続する中で、テクニカル分析で相場を解説している人の中で、特にダウ理論を主としている人は今年3月の調整相場の中でエヌビディアの株価はダウ理論でいうと169ドルを割れると下落トレンドになるので、ここを割れたらアウトみたいな言い方をする人が続出した。

結果として3月末付近の一番イラン情勢の緊張感が高かったところではエヌビディアの株価は169ドルを割れ、下落トレンドが確定したみたいな言い方をするようになり、人によってはこの下落トレンドによってエヌビディアの株価は下落が加速するだろうみたいな言い方をする人まで現れた。

【テクニカルだけでエヌビディアの株価下落を予想した代表例】
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(かわいそうなので、動画リンクは割愛。あまりにも逆神すぎるので逆張りセンチメントとして非常に重宝している)

しかし、結果はどうだっただろうか?
結局そこが完全なボトムであり、その後は全く押し目がない形で最高値まで+25%も株価がぶち上げられてしまったわけであり、ピュアなダウ理論だけであれば売り一択だったところが逆に絶好の買い場であり、テクニカル分析信者は全くこの上げ相場はついてこれなかったどころか、人によってはショートを打ち込んだせいで損失さえ被る人が出た。

この時点もう多くの人は理解できていると思うが、テクニカル分析オンリーで戦うなんてことが市場で勝てる武器でないことは明白だろう。
ファンダメンタルズがアップサイドなのかダウンサイドなのかによって使うテクニカル分析を変える必要性があり、全ての市場に適応できるテクニカル分析はないのである。
今回のエヌビディアでいうと、AIブームド真ん中銘柄で機関投資家含めて買いたい人が大量に存在しており、正常な範囲で株は買いたくない=みんなが売りたいと思っているような安いところで買いたいという意識が強いので、ド素人がテクニカル分析ダウ理論で割れたところで、これは逆に株価が安い証拠だよねということでバシバシ買いが入っていき、結果としてダウ理論的に売りと判断されるポイントが絶好の買い場となった。
このように変にテクニカル分析にだけ詳しいと本来取れるべき相場が取れなくなるという事故に直面してしまうのである。

なので、あくまでテクニカル分析はきちんとただしいファンダメンタルズ分析ができた上で、さらにそこにトッピングする程度ぐらいで考えるのが相場の考え方としては王道であるだろうと個人的には考えている。
さらにいえば、自分はテクニカル分析は極めて少ない指標のみしか見ておらず、何を見て投資判断しているかは下記過去記事を参照してもらいたい。

【過去参考記事】
どのようにして株式相場で投げ売りされていると判断すべきか注目すべき3つのポイント

まあ結論として、テクニカル分析を主として相場で戦うなんていうのは馬鹿の極みなんでいますぐやめろというだけの話であるが、こういう人が存在し続ける限りきちんとファンダメンタルズ分析しているプレイヤーが勝てるわけで、そのまま愚鈍であり続けてくれというのも本音である。
     
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オリックスのオリックス銀行売却から考えるワンルームマンション投資の終焉

大和証券グループ、オリックス銀行を買収 3700億円で完全子会社化

ワンルームマンション投資の終焉かな?

ぼんやりとニュースをチェックする中で、上記のようにオリックスが大和証券Gに子会社のオリックス銀行を売却するというニュースが出てきているのを確認した。
このニュースを見た時に真っ先に思いついたのは、ワンルームマンション投資はもう市場として成り立たないのかなという考えだったので、これについてまとめていきたい。

このオリックス銀行というのは、自分の知る限りではよくワンルームマンション投資で提携銀行として名前が挙がってくる銀行である。
実際にオリックス銀行のIR資料を見ると、ワンルームマンション比率はわからないが、投資用不動産ローンが貸出残高全体の70%以上を占めており、実質投資用不動産ローン専業みたいなのが見てとれると思う。

【オリックス銀行の貸出残高】
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https://www.orixbank.co.jp/aboutus/disclosure/results.html

しかしワンルームマンション投資は大きな曲がり角を迎えている。
資材費高騰と融資金利引き上げが同時に襲ってきており、ただでさえ採算性が良くないのに、頻繁に住民が変わることによるリフォーム代・広告代・修繕費用がかさむと、低金利時代でようやく若干赤字程度で済んでいたワンルームマンション投資のキャッシュフロー赤字金額が大きくなってしまう。
しかも供給過剰であることからファミリー向けのような賃料引き上げも難しい。
よく不動産GメンのYoutube動画を見ている人ならわかるが、これまではワンルームマンション業者が口八丁でどうにか個人投資家を丸め込める程度の金額であったが、こういった昨今の経済環境ではいよいよ口八丁で丸め込めないほどシミュレーション段階でキャッシュフローの赤字金額が出てしまうことは容易に想像できる。

もちろん、既存で融資引っ張っている人は給与収入などで補填してなんとか返済するので融資がすぐに焦げ付くということはないだろうが、新規での融資はどう考えても伸びなく、この分野専業に近いオリックス銀行はほぼ旨味がないも同然になりつつあり、実際にオリックス銀行の利ザヤは縮小傾向にあるることがIR資料で確認できていた。

それをしっかり把握していたオリックスは、一方で証券業以外に事業拡大を狙いたい大和証券Gにこれを高値で掴ませるのに成功したと捉えるのが上記ニュースを見た時の個人的な考えであった。
こういう風向きの変化に敏感なオリックスが丸ごと事業売却することの意味を十分に吟味すると、こういう結論しか出てこなかった。

単純にオリックスの商売の上手さ・大和証券Gの下手さというのが露呈しただけではなく、オリックスが見限った時点でワンルームマンション投資(あるいはもう少し大きめのアパマン投資)についてもここからの新規参入なんてのは労多くして利益出ずといったほぼ将来性がないことが確定したように思うので、自分で物件きちんと探して指値して買うならともかく、さすがにこういう経済環境でワンルームマンション投資を業者の口車に載せられてそのままやっちゃう人は投資センスゼロなので、おとなしくオルカン買うだけにしとけと思う。
    
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相場にいるのは牛・熊・豚だけではない

「ブルは時々儲ける、ベアも時々儲ける、だがホッグは決して儲けない」

明らかに存在しないも同然みたいな扱いを受けている動物がいる。

よく市場の格言として、上げ相場に乗っていく牛(ブル)、下げ相場に乗っかる熊(ベア)はいいが、最後まで相場を貪ろうとする豚(ホッグ)は儲からないという格言がある。
しかし、大体この言葉が論じられる時は「だからこそ相場には慎重に挑まなければいけない」みたいなクソみたいな発言とともに、相場慎重論を掲げてかしこぶるというのがXの投資インフルエンサー系の大半である。
しかし、個人的にこの概念には実は意図せずなのか意図的なのかはわからないが、本来存在するはずなのに無視されている動物がもう一匹いると思うので、それについてまとめていきたい。

それは鶏(チキン)である。
これは牛のように上昇相場で買い向かえないし、熊のように売りを狙う勇気もないし、豚のように強欲に突っ張ることもできない、ただ相場の目の前の動きにあーだこーだ浅薄な考えをピーチクパーチク披露して現金を抱えたまま投資できない臆病者のことを指せると思っている。
実際、今年の3月~4月頭のホルムズ海峡封鎖による原油価格高騰によって発生した株価押し目の最終局面では、株価の絶対値水準が高いと言い、「まず生き残れ」とか言ったりしてフリーズしたまま動けなかった人がX上では多かったように思う。

なぜ、このチキンというのが相場格言に出てこないのか?
大体こういう相場の格言的なものは一番市場の懐が深い米国株式市場で生まれた言葉であるわけだが、米国というのは常に需要の方が強く、インフレが高めに出やすい国である。
そういった中で株式市場に参戦しないことは現金を握りしめているだけなので、下記過去記事の通り常に価値が落ち続けているわけで、市場参加者にとっては単なる搾取対象なのである。

【過去参考記事】
資本主義経済において現金の価値が落ち続ける必然性について考える

鶏は牛に踏みつぶされ、熊に引き裂かれ、豚からは横から餌を奪い取られる風景がなんとなく思い浮かぶだろう。
なので、チキンというのは言わなくてもわかるやろというわけなので、マッチョ文化が強い米国では存在しないに等しい扱いを受けているわけである。
それに牛にとっても熊にとっても豚にとってもチキンは搾取対象であり、搾取対象は搾取対象のままでいてくれというのが市場参加者全員の願いなのだろう。

特に過去過去記事の通り、デフレからインフレに世界がレジームチェンジしたことを背景にあまりにも大きな現金ポジションはひたすら市場参加者から金を収奪され続けるだけなので、自分が過度にチキンになっていないかどうかは定期的にチェックする必要があるだろう。
 
【過去参考記事】
デフレからインフレへなぜ世界は大きくレジームチェンジしたのか?

今回チキンだった人は牛どころか豚にまで搾取されてしまっていることは下記ナスダック100のチャートを見れば明らかだろう。

【ナスダック100のチャート】
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JPモルガンがプライベートクレジット参入という梯子外し

JPモルガン、プライベートクレジット本格参入へ-巨額投資で巻き返し

ダイモンの言葉を真に受けたやつなんていねえよなあ~!?

ここしばらくJPモルガンCEOのダイモン氏はずっとプライベートクレジットについて、まだ大量にゴキブリがいるとか言って市場に対する懸念を表明していたが、それについては下記過去記事でポジトーク的な側面が強いのではないかと考えていた。

【過去参考記事】

なぜプライベートクレジット市場の懸念をJPモルガン・ダイモンCEOはあれだけ煽るのか?


そして今回記事冒頭にあるBBG報道記事を見てもらえればわかるが、JPモルガンアセットマネジメントがプライベートクレジット市場に自前で本格参入しますというニュースが投下されてきており、全くダイモンの発言とは真逆の方向に動いていることが確認できた。
つまり、ダイモン氏のプライベートクレジットにゴキブリが大量にいるという発言は、なるべくJPモルガン(今回はアセマネ子会社での参入であるが)がエントリーしやすくなるように、そこまでに資産の投げ売りを誘発させようという意図的発言だったわけで、本気でプライベートクレジット市場が危険だなんて一ミリも思っていなかったということになる。

Xでは少しでも著名投資家とか経営者が金融市場に対して目立つ発言をすると、トラの威を借るキツネ的な形で発言を引用して、さらにそれっぽいデータを見せて自分の主張がいかに正しいかを補強しようとする。
なまじ、金融市場に対する知識が薄い人だけでなく中級者ぐらいまではこれで十分騙すことが可能(まあ情報拡散させている人は騙す気はないのかもしれないけど)で、ついつい多くの人がやりがちな市場分析の仕方だったりする。
しかし、こういう金融市場関連で著名人が発言をする時は、真実なのか嘘なのかとかは全く関係なく、自分のリターンを最大化するために利用されるということを意識しなければいけない。
ポジトークのための嘘であれば、本来取るべきポジションとは逆のポジションを取ってしまう致命傷を浴びる可能性さえある。

今回であればダイモン氏のポジトークを錦の御旗に株価は危険だと煽っていた人達は完全に梯子を外された形となり、この懸念を真に受けた人が全く株式ポジションを取れないまま相場は最高値を更新するステージになってしまったわけで、ごっつぁんですといったところだろうか。
そして、そういう暴落煽りをしていた人がこういうことを振り返るということはほぼ100%ないということで、時間が経つにつれこのことは忘れられていくだろうと予想している。

【S&P500のチャート】
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結局指値でこの市場に参入したいというプレイヤーはわんさかいるわけで、こんな状態で下記過去記事のような相場が本落クラッシュするようなクレジットクランチが起こるわけないですよねという結論でOKだろうという話になる。

【過去参考記事】
株式投資において最も恐ろしいクレジットクランチとは何か?(リーマンショックなどの過去歴史の解説付き)

    
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