村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2025年12月

2026年の相場予想(コモディティ)

年末恒例の2026年予想の相場予想(コモディティ版)です。

ここまで先進国株・新興国株と予想を書いてきたが、さらにコモディティについてもまとめていきたい。

・原油および天然ガス
原油については多少上昇しそうと思うが、引き続き上値は重たい動向を予想している。
今年いっぱい米国が利下げを続けそうということを考慮すれば、個人消費は弱く、原油需要はそこまで強まらない一方で、どうしてもOPECプラスは財政収入確保のために随時増産したいというインセンティブがあり、従来からの需給面は相当重たい。
一方でAIブームというエネルギーの大量消費が予想されるセクターが新しく台頭しており、これが場合によっては原油価格の上昇を牽引する可能性もあるかもしれない。
ただトータルで見ると、差し引きゼロみたいな感じになりそうなので、原油価格については驚くような情報はないが、若干上ぐらいの目線を持っておけば2026年はいいかなと思う。
どちらかというと上昇するとすれば米国天然ガス価格の方ではないかと思う。
年末になって気づいたわけであるが、ここもと原油価格は上値がずっと重たい一方で、米国内天然ガス価格はじりじり上昇している。
一部は天候要因などがあるようだが、それにしてもグローバルな原油価格と相反する動きを見せており、これはAI半導体を動かすのにガス火力発電が最も手っ取り早く設置しやすいということで設置に動いているわけで、そういった意味でポジション張るなら米国天然ガスの方ではないかと思っている。

・農産物(大豆・とうもろこし・小麦など)
中国の景気が死んでいて外食需要が伸びるわけがないので、価格の上値は抑えられた状態になるだろう。
ただし、既に相当程度価格は下がっていて生産コスト割れ懸念があるので、米国中心に生産が抑制される事態も視野に入るので、底値割れというのも考えづらいので、基本目線は現在の価格から若干上程度でのレンジ圏内というあまり深く考える必要性のない相場が続くだろうと思う。

・仮想通貨
2025年は仮想通貨周りは醜悪極まるファイナンス動向を見せるプレーヤーばかりであったが、そのツケを払う時が2025年後半に来てしまったわけである。
このやらかしは短期間で解消するものではないと思っている一方で、では仮想通貨が根本的に皆がぎゃーっと悲鳴を上げるほど悪くなるかというと、FRBが利下げしているタイミングということもあり、ちょっと暴落目線で考えるには早すぎるだろうと思っている。
ということで多少の上下がありながら、非常にぱっとしないパフォーマンスが続くのではないかと思っているので、2026年は仮想通貨は用なしだろうと思う。

・ゴールド、シルバー、プラチナ
さて、いっちゃん難しいのは貴金属類である。
2025年はもう貴金属投資が大正解で、逆にネガティブな報道を一切聞かないレベルで皆総強気になっているわけであり、ここから新規でポジション突っ込むなら中長期というよりはやや短期で出口を考えれながらという姿勢が必要だろうと思う。
ゴールド・シルバー・プラチナの中で最も上がる可能性があるのはどれかというとシルバーの可能性が高そうである。
理由として、シルバーのメイン投資家基盤は米国にあるわけであるが、ちょうど米国利下げが継続しそうという中で単価がゴールドと比べて安いのでシルバーだという結構単純な理由にあると思う。
ただ、米国の利下げ見通しが止まった瞬間に過剰に上がった分は一気に下がる懸念はシルバーは大きいので、勝負するなら年前半かと思う。
    
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簡単に優待クロスできることは逆日歩リスクが助長されるのでないか



ネットで皆が手軽に実践できるようになったから、逆日歩リスクは高まる傾向にありそう。

しかし、この優待クロスについてはノーリスクではない。
もしノーリスクなら、持てる資金全部を使ってあらゆる株で実践すればそれだけで相当な優待が受け取れて、それだけで当面の生活が困らないような状態になるわけだが、そのようなあからさまなことが金融市場で放置されるわけがない。

優待クロスのリスクは株を空売りした際の貸株料にある。
一般的に株を空売りした場合には、仕組みとしては証券会社から株を借りて売るという行為をするために、証券会社から金利を取られるだけでなく、皆が同じように空売りをしまくると市場で空売りをするための貸株が不足するため、逆日歩というプレミアムを支払って貸株の調達をする必要が生じてしまう。
そして優待クロスをする際に、優待が魅力的なものであればあるほど皆が同じように優待クロス目的の株の空売りをしてしまうので、優待確定する直前日に向かって急速に逆日歩が高くなるケースが生じる。
そのため優待商品よりはるかに高い逆日歩を支払う羽目になるケースが増加傾向であり、それについて多くの嘆きがX上で見られるのが恒例行事になりつつある。

この優待確定日に逆日歩が大幅上昇するのは、優待という日本市場独特の慣習によって発生しているものであり、本来は金融市場の在り方として外国人投資家に恩恵がないなどの不平等が発生したりしていて良くないものであるが、この本来株投資に対しておまけ的に行っていたものを堂々とハックするような行為は一種のアービトラージであり、ひっそりとやるべきものであり、皆が堂々とハックし始めればアービトラージできなくなることは明白なわけである。

こういった事情がある中で、上記楽天証券のサービスのように優待クロス自体を誰でも簡単にできるといったサービスを展開するのは、さらに手軽に優待クロスをしようとする人が増加することから、この逆日歩リスクをさらに助長されることになるのではないかと思っているし、そういった事情を知らずに実践したら見事に馬鹿高い逆日歩を払う羽目になるということが頻発しそうなので、なんとなくこういうのを見ると優待クロスというものの旨味はもうほとんどなくなっているのではないかと思いつつある。
    
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2026年の相場予想(新興国株)

株価上昇が期待できる国とそうでない国の差は大きそう。

先進国株に続いて、新興国株についても2026年の個人的予想を書いていこうと思う。

・韓国株・台湾株
2026年の大注目新興国株はこの2ヵ国となりそうな雰囲気が継続している。
理由はAIブームであり、韓国株ではSK Hynixとサムスン、台湾株ならTSMCの巨頭が株価を牽引する形になることが見込まれる。
先進国株の予想でも記載した通り、基本的に2026年中は少なくともAIブームが終わるという可能性は非常に低いと見込んでおり、SK Hynixの受注が2027年分まで満杯で打ち切りになっていることを考えると、早々にもう相場は終わりと考えるのは早いということを前提としている。

・インド株
2025年は奮わなかったインド株だったが、2026年こそ期待したいと思っている。
一応金利は個人消費や設備投資をサポートするには既に十分なほど低い状態にあり、あとはネックになっているのは対米との通商交渉だけというところである。
対米通商交渉が合意できれば株価は上昇することがかなり見通しやすいが、問題は一体いつ合意するんですかね?という根本的な問いがあり、この辺を我慢できるかどうかという問題がある。
我慢できないという話であれば、インド株は持たないor持ったとしても少な目にしておく方がベターなように思う。

・中国・香港株
2024~2025年は財政支出コミットがあったことによりなんとか他国の株に負けないパフォーマンスを出してきたものの、Vankeのデフォルトによって不動産不況がなにも底打ちしていないことがあらためて発覚し、財政支出によって埋めなければいけない経済の穴が大きいことが発覚した。
なので市場は再び中国政府に対して財政拡張を要求する催促相場的な形になるだろう。
それに真摯に中国政府が応えない可能性はあまりにも不動産不況の穴が大きいことを考えると十分あり得るシナリオだろうと思う。

・東南アジア株
正直全般的に期待できない国しかない。
全般的に規模間が小さい国が多く、産業発展がここ10年ぐらい何も見られない状況でどの国も中所得国の罠にかかっているというのが現状である。
一番経済規模が大きいインドネシア株は政治のごたごた感や最近何も産業発展が見られていないことから投資家もやや呆れ気味で、絶対値パフォーマンスはプラスになるかもしれないが、先進国株に劣るパフォーマンスにしかならないだろうと思う。
 
・南米株
メキシコ株は色々米国との貿易ごたごたはあったが、結局あまりステータスが変わっていないことに加えて、まだ金利低下余地があることを考えると、比較的メキシコ株はまだ十分上値余地があるように思う。
ブラジル株は相変わらず資源頼みだが、何分中国経済が死んでることを考えると期待していいのかどうか相当疑問だと思う。
とはいえ、資源全般はみんな過剰供給にならないよう調整しているということもあり、ブラジル株は並みぐらいのパフォーマンスかなあと思っている。
    
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2026年の相場予想(先進国株)

基本路線は2026年も好調な相場を予想。

年の瀬も迫ってきたということもあり、そろそろ来年の相場を予想しなきゃなあということで、まずは先進国株の来年相場予想を書いていきたいと思う。

・米国株
基本路線はAiブームとプライベートクレジットブームのダブルブームによって、S&P500ベースで15%ぐらいのリターンは出るのではないかと思っている。

金融政策についても2026年中は利下げ方向で、特段これらのブームによってすぐに利上げに転じるという感じではないはずなので、金融相場チックな動きになる可能性が高いだろうと思う。
ただし、利下げが継続されるということは明らかに不調なセクターが存在することも意味するので、より高いリターンを得たいのであれば不調なセクターは避けて投資する必要性があるので、そこについては各自留意していきたいところである。

2025年はトランプ政権大暴れで非常に政治に動かされた1年であったが、2026年はこれまで無茶をやりすぎた後始末に追われるような展開になると考えており、相場に影響を与えるような政治リソースはほぼ使い切ってしまって無いという前提で取り組んでよいのではないかと思っている。

あとはリターンの上下は今懸念を持たれているプライベートクレジットがどれぐらい再評価されるのか次第かなと思っているので、プライベートクレジット周りのニュースの雰囲気を確認していきたいところである。

・日本株
今年も高いリターンを期待したいと思っている。
日銀の利上げによる金融引き締めについては、植田総裁の経歴を考えれば相当経済に配慮した形で進められる見込みであり、インフレ抑制最優先や為替を理由にとんでも利上げに踏み切る可能性はないだろうと思っている。
そのため、引き続き実質金利が低く抑えられる中で、各種リスク資産はそれを好感するだろう。
さらに日本株にはAiブームを支えるメーカーがたくさんいるので、そういった企業群が引き続き好調なパフォーマンスを出してくれる可能性は高く、そういった意味で実は米国株より大型株で見るとハズレ率は低いのではないかと思う。
こういったことを考慮して、2025年と同様に大型株>中小型株という、あまり奇を狙った変な中小型銘柄に夢を託すのではなく、誰もが知っている大型株に資金配分を寄せておけば少なくとも大きなマイナスリターンになることはないのではないかと思う。

・欧州株
欧州株の難しいところは円ベースで考えるリターンと現地通貨ベースで考えるリターンが大分違いそうというところである。
足下で景気の勢いは弱くなりつつあるように見える一方で、ECBの政策金利動向は2%でびたっと動いていない状態である。
そうした中でAIブームは米国株ほど密接ではなく、さらにユーロ高という逆風もあり、利益の圧迫要因となっている。
なので、根本的にはだらだら続くユーロ高がちょっと止まってくれないと本格的な株価上昇は難しいのではないかと思っている。
一方で円ベースで考えるとユーロ高がリターンにつながったりするので、円ベースだとそれなりにプラスになるかもしれないが、いずれにしろ金融政策動向と為替の方向性について変化がないかを見ておきたいと思う。

・その他先進国株
オーストラリア株は中国経済が相変わらず死んでいるので多分投資検討する必要性はないだろう。
一方でAIブームを背景に世界的にファイナンスが足りないということを考えると、金融銘柄中心のシンガポール株はまだそういった中でパフォーマンスが出る可能性はありそうかなと去年同様思ったりする。
    
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新興国通貨も選別キャリートレード状態が強烈な状態が継続

キャリートレード復活、ドル安追い風に26年の新興国市場に楽観論

今年は為替でも儲かった人が多そうだねえ。

今年はリスク資産にとってまあまあ良い1年であったが、為替も比較的儲かりやすい年であったように思う。
よくキャリートレードと聞くと対円で高金利先進国通貨でという話がメインになったりするが、新興国通貨でもとにかく対ドルでトレンドが続く動きが継続したので、それについてまとめていきたい。

今年一番大人気トレードだったのは、やはりメキシコペソだったように思う。

【USDMXNのチャート】
タイトルなし

トランプ政権再爆誕となった時はどうなるかと思われていたが、その後関税もなんとなーくの居所で着地した上に、政策金利めちゃくちゃ高いやんけみたいな形でひたすら対ドルで買われる展開となった。
ポーランドズロチもユーロ高につられる形でそこまで金利は高くないものの、対ドルで人気トレード対象の通貨となった。

一方で今年対ドルで負けているのがまず韓国ウォンであり、これは以前に言及した通り国内からの投資アウトフローがでかいという話がある。

【USDKRWのチャート】
タイトルなし


またインドルピーも本来インド自体が高金利通貨であり、今も6%以上国債金利あるはずなのに当局が介入に追い込まれるほどバカスカ対ドルで売られていて米国との関税交渉がまだ妥結していない影響が大きいように思う。

【USDINRのチャート】
タイトルなし


一方で、単純に低金利だと通貨がバカ売られされているかというとそういうわけではなく、タイバーツや人民元は逆に買われている。
実質金利差で一定程度語ることも可能だが、それだけでこの動き全部語れるほど物事は単純ではなく、実質金利+インフレ率+これまでの外国人投資フロー+国内の投資フロー+経常収支+みんなが感じるノリと雰囲気みたいな要素がごった煮で、最終的にはトレンドに沿ったトレードみたいな流れが続いた。

こうした諸々を見ていると、自分は専門外であるものの今年の通貨トレードこそトレンドに沿って取引すべし的な話だったなあと思うし、通貨によって売られている理由・買われている理由が継続しているかどうかをチェックしていれば人によっては相当イージーゲームだったのかなと思ったりしている。
来年についても一番新興国通貨トレードのドライバーになっている米国の利下げが継続することを考えれば、意外と来年の新興国通貨トレンドは今年とそんなに変わらないんじゃないかとも思ったりしているが、一方で新興国通貨側は買われている通貨は利下げ・売られている通貨は利上げ対応する可能性があり、新興国側の動きを見ながらトレンドが継続するかどうかを見ていけばいいかなと思う。

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