村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2025年10月

なぜ金曜日に米国株は最高値を更新したのか?

米国株式市場=主要3指数最高値、予想下回るCPI好感 好決算追い風

きちんと状況把握していないと怖くて売りたくなるよね。

金曜日はまさに米国株はフィーバー的な動きをして、2週間前の金曜日に米国の対中関税強化の予定示唆で大きく株価が下落したところを完璧に奪還しての米国株最高値更新という展開になった。

【S&P500のチャート】
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金曜日はこれまで遅れていた米国CPIの発表であったが、まずこれが市場予想で総合・コアともに前年同月比3.1%上昇と予想されていたのが、結果としてはどちらも3.0%と市場予想を若干下回る数値となっており、関税影響はあるが全体としてインフレ率は概ね管理可能な範囲での動きになっており、まずこれが好感された。

その上、これまでずっと失望が続いていたインテルの決算についても、AIブームがあまりにも強いためにインテルにも発注を回さざるを得ないという展開になっていることや、以前のブログ記事でも書いた通りTSMC独占はビジネス上大きな問題があるということで米国メガテック勢がオールUSで支援するということが確実になっていてバランスシートも強化され、今後投資を拡大できる余地があるよねということを考えればネガティブ視する必要性はないよねという話がさらに株価上昇を強化する流れとなった。

でも色々本来米国株にマイナス材料の話もあったよね?例えば米中対立再燃懸念とか雇用の弱さから米国景気は全体としては弱まっているとかの話あったよね?というのを疑うとこの株価動向は矛盾しているように見えるが、市場はそう考えていないのである。

つまり総合的に考えれば米中貿易摩擦のマイナスはある一方で、それをはるがに凌駕するレベルでAIブームがすさまじいことに加えて、インフレ率はみんな関税率を考慮しない数値を考えていて、雇用が弱いので全体としては利下げが正当化されるということを背景に、全体としてはAI関連株を中心にプラスの影響の方が大きいよねということになる。

なので、よく米国株の予想をみんながしている中での議論となる項目について、実際に株価はこういうことを織り込んで動いていると考えられる。

米中対立再燃は米国株にとって致命的→中国側もぎりぎりの状態なので、そこまでにならない。
インフレ率3%なのに利下げはおかしい→関税率控除して考えればトレンドはインフレ緩和。
AIブームは限界に近付きつつある→インテルの決算で完全否定。
なぜ利下げするのか→インフレ率はぼちぼちで雇用が弱いから。

強い材料があると同時に、先行きについて懸念すべき話もあるので株価は上昇するという、下記過去記事のような一見矛盾する話があるが実際は株価が上昇するのに十分合理的な話があるからこそ上昇しているという考え方通りにまさに動いていると思う。

【過去参考記事】
先行き不安材料がなければ株式市場は上昇しないと思う理由 

これらをきちんと把握していないと、なんとなく怖いから株はこの辺で売っておこうという判断になりがちだが、個人的には追加買いするかどうかは別として、持っている株を売る理由はインデックス投資であればほとんどないんじゃないかなあと思う。
      
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上昇相場の時に「よりもっと高くなるもの」を選別したりレバレッジをかけるのは本当に難しい

もう一段レベルの高い投資家になるために必要だとは思っているけど・・・

投資についていつも苦悩しながら色々考えて予想しているわけであるが、その中で特に最近の苦悩を書いていきたいと思う。

当ブログでは2022年の後半ぐらいからずっと株式市場は中国を除いて上昇傾向になる方向だろうと書き続けており、おおむね予想の方向性は正しかったということで自分の相場に対する考えに対して概ね満足している。
正直言って、下落相場なのか上昇相場なのかは一定程度の知識が身について色々経済を論理的に考えられるようになると、短期的な変動はともかくとして中長期のところで大外しするということは少なくなってくるように思う。
逆に今が上昇相場なのか下落相場なのかを当てられないのは結構論外だし、上昇相場を下落相場と勘違いするなんてのはもう万死に値する所業であるが、2022年半ば以降から上昇相場なのに売り煽りをするYoutuberが現れては途中で外しすぎて疲れたのか更新が途絶えて消えるというのを繰り返すのは、もはや見慣れた光景である。

問題なのは、上昇相場の中で、より上昇するものを選別することである。
ここ2~3ヵ月はS&P500を見れば絶好調であったことがわかると思うが、2~3ヵ月で見ればS&P500よりよっぽど上昇率が高いものが多数存在するフィーバー相場であった。
例えば日本株は日経平均だけでもそう言えるし、その中でも構成比率の高いソフトバンクGやアドバンテストなどはcis氏の大人買い効果もあって上昇率は短期間でとんでもない数値となった。
その他ゴールドやシルバーなどの貴金属価格動向もすさまじかったし、AI関連で米国市場上場している小型株が何倍も上昇するなど、その話題には暇がなかったように思う。

しかし、個人的にはこの上昇相場の中でより上昇するものを選別して、そこにポジションをティルトさせるというのがあまり得意ではないというより、やや苦手である。
例えば、ここもとの相場でいうと上昇が結構大きかったし、一定程度知見があったが全然ポジションが取れなかったなあと思うのが、原子力関連や宇宙関連の株といったところである。

【原子力関連ETF(NLR)のチャート】
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【宇宙関連ETF(UFO)のチャート】
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このフィーバー相場の時により上昇する銘柄を掴むというところは、自分の持っている銘柄にポテンシャルがなければさっさと見切りをつけて売り、積極的に乗り換えるという身の軽さが必要になる。
ただし、これは乗り換えた際に乗り換え先が間違っていたりして上昇しなかったり、あまつさえ売ってしまった銘柄の方が上昇率が高くなったりというのがあり、ミスる度に自己否定された気分に心理的なダメージが深くなっていく。
さらに、投資家の資金というのは無限にあるわけではないので、結局あれもこれもと追ったところでド高値掴みになりがちになる危険性もはらむ。
実際にとある投資系Youtube動画投稿をしている人がシルバーを買いましたといった翌日から即10%下落するなど、傍から見ればなんであんなところからエントリーすんねんみたいな話が当然に出る流れになったりしている。
またレバレッジの賭け方によっても大きくリターンが変わってくるわけで、同じ銘柄に投資をしていてもリターンの取れ方は人によって大きく違うので、この賭け方のタイミングしだいでもリターンは天と地ほどの差が生まれる。

しかし、自分の性格はどちらかというと確実性の高い銘柄をノンレバで着実にリターンを積み上げるというのを主戦略にしているのと、やはり上述した投資戦略はなかなかに心理的ハードル・技術的ハードルが高いなと思うが、今後の自分の課題として考えている。

ということで、くだ巻くような形で記事を書いてしまったが、個人的にもう一段レベルの高い投資家となるには、この上昇相場でより高いものを掴む・あるいはレバレッジをかけて高いパフォーマンスを出すということを、まだまだ続く可能性が高い上昇相場の中で一部投資可能枠で練習しないといけないなと感じている次第である。
  
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なぜ日経平均ダブルインバースで焼かれる人が後を絶たないのか

最高値の日本株、「逆張り」個人は持続に疑念-弱気ポジション急拡大

日本株の特性と過去の呪縛に囚われれている。

高市政権爆誕となった中で、日経平均はもはや年内5万円ほぼ確実みたいな位置にまで上昇し、先行きについても強気な向きを予想する人が徐々に増加しているように思う。

【日経平均のチャート】
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しかし、上記BBG記事やXを見ればわかるが、この相場をエンジョイしている個人投資家ばかりではなく、日経平均ダブルインバース(株価が下がると2倍儲かるETF)に相当のポジションをティルトしてたら全面的に焼かれているように思う。
実際去年末とかは結構日本株に対して弱気な発言している人がYoutubeには多かったことはなんとなく個人的にも覚えているので、おそらく去年からずっとダブルインバース持って苦しんでいる人はそれなりにいるんじゃないかなと思う。

【日経平均ダブルインバースETFのチャート】
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個人的にはこの日本株をショートしてたら全力で焼かれて立ち直れないぐらい大損かますみたいな個人投資家がX上でちらほら見られるのは2018年以降に何度も見かけており、個人的にも一度2018年ぐらいに一回少額ダブルインバース触ってみたら信じられないぐらい逆をつかれて即損切りみたいな目にあったことがある。
一般的に米国株村と違ってこの日本株界隈ではこのダブルインバースで骨も残らないレベルで個人投資家が焼かれるケースが後を絶たないのはなぜなのか?

まずこの現象を理解する上では日本株の特徴を知らないといけない。
日本株は安定した上昇するケースが少なく、急落・急騰するケースを除くと株価が動きにくいという特徴があり、この動いていない時にもう株価は限界にあり下がる一歩手前であると勘違いしてダブルインバースを積んでしまう傾向がある。
実際に2024年の日本株は米国株と違い、ほとんどパフォーマンスが出なかった。
さらに2024年7月の日銀ショックや2025年4月の米国関税ショックで2回も下側に揺さぶられたので、上昇が抑えられている中でもう上値は大したことないと思い、ダブルインバースを積んでいくのである。
このように他国株に劣るパフォーマンスを見て、これは日本株絶好の売り場と勘違いした人が続々とダブルインバースを仕込んでいたように思う。

そして、上昇する時はこれまで上昇してこなかった分を一気にカチ上げしていくので、短期間で他国株の2~3倍ぐらい上昇する。
この時にこれまでずっとレンジを続けてたんだから相場がおかしいとムキになってダブルインバースの保有を継続するどころか買い増しとかして、最終的に死を迎えるというのが一連の現象の流れだと思う。

なので、日本株ではテクニカル分析でボックスだから~とか上値抵抗線が~とかを雑に見てダブルインバースで勝負かけたりすると、最初のうちは微損ぐらいで済んだりするが、その後にマジモンのカチ上げを食らって結局ぺんぺん草も生えないレベルの爆損を食らって退場するので、チャート見るよりファンダメンタルズと需給を考えながら取り組む方がパフォーマンスは良いだろうと思う。
 
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AIブームに伴って猫も杓子もデータセンターに取り組む時代

Prologis Expands into Data Centers with $25B Investment to Fuel AI Growth

とにかく需要に対して供給が足りないってことなんですかねえ。

米国株決算シーズンも始まり、色々な企業の決算開示が進んでいるが、その中で個人的にいつもちらっと確認しているのがプロロジスの決算である。
プロロジスとは米国最大の物流倉庫REITの会社で、全米に物流倉庫を持っているので荷動き+物流倉庫契約状況などでなんとなくの景気の方向性などが確認できるので、結構決算コールを重宝していたりする。

決算内容自体はまあぼちぼちといったところで、会社コメントでも需要はまだ強くないが、供給が絞り込まれてきており、契約状況・稼働率が底這いしつつあるといったコメントを出しているので、基本的にFRBがきちんと金融緩和を進めて景気をサポートすれば問題ないよね的な感じっぽいように思われ、実際に株価もぼちぼちといった動きをしている。

【プロロジスの株価チャート】
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しかし、今回は個人的にはもっと別のところが気になった。
このプロロジスの決算数値と決算コールを聞いていると、なんと同社はデータセンター向けの不動産も拡大していくというのを表明しているのである。

プロロジスはいわゆる米国の物流倉庫REITとして最大の企業であり、これまで実質的な物流倉庫専業的企業である。
長年の実績を考えれば、他の不動産アセットタイプより物流倉庫やっていた方がノウハウがあるわけなので一番利益率が良いはずである。
しかし、ここもとのAIブームを背景にデータセンターの設置場所が需要に対して供給が足りない状態なのか、物流倉庫専業不動産会社でさえ食指を働かせるような状態にあることが明らかになっているのである。
もちろんまだプロロジスが手掛けている量は既存の物流倉庫事業と比べてればゴミみたいな規模であるが、わざわざ決算説明会でデータセンター向け不動産の投資拡大を表明しているわけで、取り組み的には本腰を入れていることは明らかである。
ほんまかいなと思う人は下記プロロジスのIRページの最新決算資料から確認してもらいたい。

【プロロジスのIRページ】
https://ir.prologis.com/events-presentations/events/detail/20251015-prologis-q3-2025-earnings-conference-call

このようにAIブームを背景に猫も杓子もデータセンターに取り組む時代に変化しつつあるわけで、本来物流倉庫専業だった企業さえ動かすことを考えるといかにAIブームがバカでかい影響を示しているかを示すものであったと思うと同時に、やはりAIブームが既にバブルで行き過ぎてて株価は危ないと考えることが、やはりAIブームを過小評価しすぎているなと思う次第で、もう魔の9月が終わったことを考えれば基本的に強気で臨むのを継続すべきだろうと思っている。
       
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中国不動産大手万科のトップ拘束で再び揺れる当局の不動産市場対応

万科の辛傑会長が失踪 中国不動産危機の「火消し役」に突然の異変

個人の責任にするっていうのが無理筋だと思うんですけどねえ。

上記記事はこれまでずっと問題としてくすぶり続けている中国不動産バブル崩壊の中でも影響が大きい万科(Vanke)の一番偉い人が辞任したが、どうやら当局に連行されての強制辞任であったという話であり、これについてまとめていきたい。

Vankeについては、中国不動産バブルが崩壊して以降、他の民営系とは違い、一応深セン政府傘下の地方政府系不動産企業として何が何でもデフォルトさせるなということで、深セン政府がつなぎ融資をずっと続けている最大手不動産企業である。

不動産業態なんていうのは個別要素で駄目なパターンは他業種より圧倒的に低く、全員がバタバタ死ぬときはもうほぼマクロ経済環境の大波一発で決まる業態である。
正直いってもはやトップがどうのこうのしてどうにかなるレベルにはないのは、これまでの中国不動産セクターの負債のでかさと足下の販売数減少量を見れば明らかであり、結局これまでやりすぎたツケをお金と時間を使ってどうにか処理するしか手はないのである。
しかもVanke自体も負債がバカでかく、ほぼこれまでデフォルトしてきた中国不動産企業と状況は同じなので、トップが誰になろうがもはや誰かが借金返済用の資金を融通しない限りはデフォルトは避けられない。

なので、実際にVankeに対しては親会社の深セン政府が融資をしたりしてごまかしを継続していて、この元CEOも親会社から派遣された人物である。
しかし、この人物がどうやら9/18の会議中に当局に連行され、その後全く音信不通となり、そして今週になって辞任が発表されたということで、外部から見れば中国当局のあまりにも場当たり的な対応に幻滅せざるを得ないというところが正直な感想だろう。

【Vankeの株価チャート】
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信賞必罰と言えば聞こえはいいかもしれないが、金融や不動産という大きなマクロ経済動向で動かさせれるのはもうこういう局面までいくと政府介入が100%必要であるにもかかわらず、こうなると誰も責任を取れるような態勢にはないことは明らかである。
つまり抜本的な対策が打たれずに、だらだらと状況をごまかすような対応が続くことが決定的になるわけであり、これを見る限り何も日本の不動産バブル崩壊から学んでいる形跡はないなあとしか思えない状況が継続している。
 
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