村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2025年07月

参院選も終了し、材料出尽くしで日本株の高値更新が見え始める

参院選【速報】自民・公明50に届かず過半数割れ、続投明言の石破首相に退陣論…国民や参政が躍進

とりあえず材料通過というだけの話で、トリプル安とかはないかなと思う。

注目の参議院選挙であったが、結果として与党過半数割れというのが確定した。
選挙結果としては今回は若者の投票率の上昇率や物価対応に対する切望などが上がったこともあり、現時点の与党には完全逆風の選挙となる中、国民・参政といった新規勢が台頭する結果となった。
(なお共産党はもはや党勢がれいわ以下、れいわは伸びづらくなっていて段々飽きられている感じが出ている)

結構ネット上では与党過半数割れすれば円安間違いなしという論調が強かったものの、参院選結果がわかり月曜日の相場が動き始めると結局初手円高反応・その後時間がたってもさほど目立った大きな動きもなく、為替についてはまあまた今度考えればええやぐらいの静かな展開となった。

為替を見る限りでは現時点ではほぼ材料が通過した以上の反応はなく、大分参院選前のドル円4円分の円安でほぼ参院過半数割れという数値自体は織り込んでいたように思われる。
さらに言えば、そもそも日本というのは政治のボラが低いという自国特性がある。
なぜなら歴史的に日本は険しい山林地帯・厳しい自然災害・海に隔てられていることによる単一国民性により、トップダウンよりボトムアップ性が強い国民性があり、トップがごり押しで物事を進める余地が民意がなければ低い。
例えば戦国時代であっても、大きな大名であっても部下の支持がなければ戦の時に人が集まらないわけで、常に部下将軍の機嫌をうかがう必要性があったことからも、その時代から日本ではやや民主主義の土台みたいな素地があったわけである。

つまりお国柄として、明らかに道理に反したことを実際にやろうとすると急速に支持を失うということもあり、そんなに変な方向に振り切るということはないだろうというわけで、下記過去記事のようにきちんと日本という国民性考えないと極論に走ってトリプル安とか言い出して相場判断を間違えたりするわけである。

【過去参考記事】
それぞれの国の歴史・気候・立地・文化を無視した経済・投資議論は有害である理由
 
まあ逆に言えば本当に切羽詰まったり外圧などがないと劇的に変わらないというマイナスもあるため、そこは一長一短であるものの、石破政権は一応続投ということで日米通商交渉をとりあえずまとめる方向に行くということを考えれば、いきなり大減税で財政危機みたいなテンションにはならないし、そもそも隣の米国の方が財政ずっと放漫やんけということを考えると、ドル円が過度に円安にも円高にも振れづらい形なんじゃないかなあと思うので、皆があまりにも為替に注目し過ぎていて警戒感が強いので、今年はそこが主戦場ではないだろうと思っている。

一方で、日本株はとりあえず材料をこなしたということや、今回の選挙で与党は経済対策のスピードアップが必要なことがわかり、それに向けた動きが期待できるということで、個人的にはそろそろ日本株も十分に過去最高値を更新する素地が整いつつあるだろうと思っており、トリプル安懸念とか言っている人はさすがに投資観点的に言うと左巻きすぎるかなと思っている。

【TOPIXのチャート】
タイトルなし

 
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中国は産業向け補助金を削減しなければいけないほど経済が苦しくなっている

Xi Jinping warns Chinese officials against over-investment in AI and EVs

本当の実力は下り龍の時に明らかになる。

上記記事を読んで、いよいよ中国の躍進の時代は終わったなと思ったので、それについてまとめていきたい。

上記記事は習近平から正式にAIとEVに投資偏重するなというお触れが出ているFTのニュースである。
当初はXでいくつかそういうつぶやきをちらほら見たが、本当かどうか微妙ということでいくつかもっと信憑性あるソースがないか見ていたところ、FTから記事が出ていたわけで、それを考えるとこれは真実だと言えるだろう。

このことは端的に中国経済の苦しさというのがにじみあふれ出るものとなっている。
中国は今まであらゆる産業が中央政府や地方政府の補助金によって育成されてきた背景があるのだが、上記はもはや政府には十分に補助金を出すだけの資金がなく、産業向け補助金にさえ手を付け始めたと考えるのが妥当だろうと思われる。

中国の成長というのは、結局海外からの投資と不動産売却を駆使した錬金術による負債膨張で成り立ってきて、それがあらゆる産業の補助金となってきたわけであるが、これまでは共産党と補助金に回されながらも一般国民の給与が上昇するぐらいの有り余った増加があったわけである。
しかし、海外かの投資を絶たれて不動産バブルも崩壊した今、これまで行ってきた雑なインフラ投資と補助金によって膨らんだ返済のあてがない負債は、共産党が既得権益を維持するために一般国民から絞りとって返済しているのが現状だ。
ただそれでも焼け石に水ということもあって、上記FTの記事の通り、産業向け補助金を削減することによって負債返済原資を捻出しようとしているわけである。

しかし、これはもう完全に日本のバブル崩壊をトレースしているし、さらに言えば日本のバブル崩壊より状況はひどいといっても過言ではないだろうと思う。
中国共産党の既得権益維持に加えて、中国は法律があってないようなものなので、下り龍となっている中でなりふりかまわらないお金の争奪戦になるはずで、そのような状態で経済が進展するわけはなく、下記過去記事の考え方をすれば中国への投資はほとんど意味がないことがすぐにわかると思う。

【過去参考記事】
なぜ借金のサイクルが経済・株価にとって重要なのかを解き明かす

いずれにしろ、中国・香港株は他地域と比べて下がるかどうかは不明であるものの、上昇ポテンシャルは非常に低いだろうと思う。

【CSI300のチャート】
タイトルなし


さらにいえばこんな状態で実質GDP成長率が5%あるなんて思うのは狂気の沙汰であり、普段「立場が偉い人はきちんと統計ぐらいは正確な数値を出すだろう」という性善説を基に経済を見ている育ちの良いエコノミストは経済動向を見誤ってしまうのである。
下記過去記事の通り、中国景気の低迷は長引くことは必須であることはあらためて頭に入れておきたいと思える事象であった。

【過去参考記事】
中国経済の低成長を招いた原因と再成長に必要な要素についての考察
 

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明暗はっきりしない米国経済統計と停滞する中小型株・爆進する大型株

米小売売上高、6月は幅広く回復-消費減速懸念和らぐ可能性も

体感できる実経済と株価はやっぱり違うんだよなあ。

先週は米国でCPI・PPI・小売・輸出入物価・新規失業保険関連統計など様々な統計が発表されたが、いずれの統計内容も何か決定的に一方方向に米国景気が動いていることを示唆できるような内容ではなく、皆景気はまあまあ底堅いけど~・関税政策でインフレ率が高くなりそうだけども~・そんなに強い感じはしないけども~、みたいななんとも中途半端な状況が続いていて、大体Youtube上で投資系情報を発信している人は先行き不安があることを煽りながら、オルカンの積み立ては継続すべしとか米国株は60~75%ぐらいは株を保有して残りは現金保有とかいう、S&P500保有継続と言うだけでこの長尺動画?となったりしている。

【結局S&P500保有継続というだけで長尺動画作っているYoutuberに対する感想】
タイトルなし

発表される経済統計は何もかもが中途半端で、これでほんまに株価は上がるんかいなと思ったりする人は多い。
実際にラッセル2000のチャートを見ると、下記のように未だ2021年の山を越えることはできていない。

【ラッセル2000のチャート】
タイトルなし


 米国経済の停滞感とか先行き懸念を考えていくと、米国経済の真実というのはこちらのラッセル2000の株価チャートのように2021年終わりごろをピークにして未だ最高値を更新をできていないし、リベレーションデーの関税政策発表の余波を克服しきれていないようなイメージ感の方がしっくりくるだろうと思う。
絶対値的な金利水準も高いし実質金利も1.5%ぐらいあるわけで、実質金利の高さを理由に株価は上昇しないというのも実はラッセル2000を見るとフィーリング的には合っているのである。

しかし、これはあくまで「普通の企業が体感する経済」だと思う。
だから普通の考え方をすると今は株を買うべきではないという判断に陥ってしまいがちである。
ご存じの通り、米国大型株の構成比率で高い比率を占めているメガテックの企業はAIブームも背景として世界でビジネスをして利益成長をしている。
彼ら程度のビジネス成長ペースを考えれば、実質金利1.5%というのは普通の企業が感じる重たさでは全くなく、「安い実質金利」と考えられるほど負担感は軽いように思う。
その結果が昨今のナスダック100指数の最高値更新の強い値動きに反映されていると思う。

【ナスダック100のチャート】
タイトルなし


こうしたことを考慮していくと、色々米国経済統計はなんだか良いのか悪いのか判断がつかないような微妙な数値が続く中で、実質金利の重たさから普通の企業は株を買うことを怖がっている人達が想像するような中々に苦しい状況が続いている一方で、エクセレントカンパニーはバンバン業容を拡大させて株価が最高値を更新するという二極化状況となっているわけで、きちんとそこを切り分けて考えないと相場判断を見誤るだろうと思う。
ようは下記過去記事に書いてある通り、一部の銘柄しか上昇していないから相場は不健全と考えて、決定的に相場判断を見誤りがちという話である。

【過去参考記事】
「一部の銘柄しか上昇していない相場は不健全な相場」と考えることがどうして間違っているかを解説

 
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TSMCとASMLの決算のテンションの差はどこから生まれたのか?

TSMC最高益、4〜6月60.7%増 AI向けの先端半導体が好調

半導体製造装置もぼちぼち悪くはないと思うけどね。

決算シーズンがスタートし、序盤に出てくる半導体企業の決算がぼちぼちでてきている。

その中で最注目のTSMCはAIブーム継続でAI関連半導体の注文がバカバカ入っているということもあり、なんなく決算クリアをしているし、先行きについても強気コメントが得られたとして株価は調子よく推移している状況である。

【TSMCの株価チャート】
 タイトルなし

一方で露光装置の方のASMLはなんとも微妙な形であった。
決算数値自体は市場予想を超えていたものの、先行きについて警戒感を示したということもあり、発表されていた時間帯がまだ日本市場の場中だったこともあり初動は半導体関連銘柄は上昇したが、決算カンファレンスの先行き警戒発言が出たところで下がったという展開になった。

【ASMLの株価チャート】
タイトルなし

やっている事業は全然違うが、雑に半導体関連とくくるとTSMCとASMLの決算反応は真逆になっているが、どちらが真実だろうかと少し考えていたのだが、個人的にはこの差は半導体最終メーカーと製造装置の決算スタンスの差で生まれたものであり、実際は半導体装置も徐々に再度盛り上がるのではないかと思っている。

TSMCの方はエヌビディアから際限なく注文が来ているわけで、それが決算の中で強気な発言の要因になっているし、現時点で先行きについて見通しやすいことが強気発言の要因になっているように思う。
一方で半導体製造装置メーカーの方はなかなか決算を見通すのが難しいように思う。
理由はもう簡単で、トランプの関税政策で実際の設備投資がどうなるか非常に予見しづらく、仮に強気な決算予想を出したりして、その後予想外のことが起こって業績が予想未達だった場合、経営陣が総退陣みたいなことになりかねないため、不要なリスクは避けておきたいと考えるのが常である。
日本でもディスコの決算では2Qの出荷がやや保守見通しだったり、かなり先行きについては変な言質取られるとやばそうということでAI需要が非常に強いことは言いながらも、半導体製造装置について先行きについてやや弱気な発言をしている感触を持っている。

半導体セクターなんていうのは数ある業態の中でも非常に業績ボラが大きいセクターなので、こういった先行き慎重のような発言が出るとどうしてもなかなかまだ相場が半信半疑の中で攻め手に欠けるような動きなってしまっている。

【日本半導体関連ETF(2644)のチャート】
タイトルなし

ただ、半導体バブルでド真ん中銘柄であったレーザーテックが既に株価ピークから半値八掛け二割引の株価にまで一回沈んだところを見ると、大分半導体製造装置株も底打ち感が強くなりつつあるのではないかと思っている。

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徐々に状況が再び悪化しつつ見える中国経済

中国住宅販売の低迷続く、デフレが所得圧迫-米中の関税停戦は効果薄

全く状況は何も改善していない。

最近の中国の経済ニュースは関税政策関連のヘッドラインばかりが流れてきて、元々不動産バブル崩壊して経済死んでるよねというのが無視されがちになっている。
一応は2024年頃から財政支出拡張とか金融緩和とかを強化したことによって、香港株や中国本土株がド底から見ればそれなりに高騰したことから一旦安定化したのではないかと考える人がそれなりに増えたように思われる。

【香港ハンセン指数のチャート】
タイトルなし


しかし、一番の癌となっている不動産販売は依然として状況が改善していない。
上記BBGの記事だと5月の上位100社不動産企業の住宅販売契約金額は前年同月比-8.6%であったが、これは最新の6月になると再び前年同月比でマイナス20%ぐらいの販売落ち込みとなった。
既に中国の住宅不動産販売金額の減少は4年という長期間に亘り、2020年のピークから7割も減少している。

一応まだデフォルトしていない不動産企業への資金繰りサポートみたいなのは中国中央政府や地方政府がやっている気配はあるものの、それはあくまで非常に高いレバレッジがかかっている不動産企業を最低限支えるぐらいのものであり、問題は今まで住宅価格が上がることを前提に住宅購入を考えていた人達が不動産企業がありえない量の在庫を保有していてこんなにだぶついているのであれば買うのは得策ではないと買い控えしてしまっているのである。

そして最大の問題はデフレによる所得悪化と住宅不動産販売の減少は相互に影響しあっているのである。
なぜなら元々地方政府の財源の大きな割合が住宅不動産販売収益によるものであり、それで公務員の雇用・インフラ投資・産業補助金の原資になってきたわけであり、これを当てにして地方政府は借金を重ねてきたわけである。
しかし、それが今や逆回転し、埋まっていない穴を罰金と称して庶民から徴収している始末であり、今までの中国経済成長モデルが逆回転しているのである。

そう考えれば香港株や中国本土株が2024年9月の財政支出拡張発表や金融緩和強化を発表した時期の山を越えられていないのは当然であり、下記過去記事のように中国の現在の不況は単に一時的な経済サイクルではなく構造的な問題であることは明白なので、この辺を無視して中国株や中国関連株を買うのだけは避けたいところだと思っている。

【過去参考記事】
中国経済の低成長を招いた原因と再成長に必要な要素についての考察 


 
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