村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2025年07月

赤沢大臣のアフタートークから考えるトランプ政権の性格

【参考動画】
アメリカとの関税交渉から帰国 赤澤亮正 経済再生担当大臣が生出演! 【平・木原の地上波いらず】

実際に対峙した人の話は貴重。

相場のリスクオンに火をつけた日米通商交渉合意であったが、その裏側を確認できるのは誰かの回顧録待ちかなあと思っていたら、上記Youtube動画で赤沢大臣が出演し、話せる範囲での交渉の裏側を明かしてくれ、非常に貴重な情報なので、その中で特に個人的に意識した部分をピックアップしたい。

以下は動画を見た限りの個人的に注目に値する部分の抜粋である。

・日米通商交渉は2回目ぐらいまで日本は米国にとって特別な国であり、日本側は対米関税が非常に低くて、ここから撤廃しても大した数値にならないことから関税は引き下げないけど、米国側は引き下げてくれと交渉して先方が呆れたのか、なしのつぶて的な感じであった。
・3回目以降は搦め手で話を聞いてくれそうな米国政治家とコンタクトを取っていき、様々な前提条件と提案を交えながらできる提案を模索していき、徐々に米国側ともすり合わせができるようになってきた。
・赤沢大臣は期限ありきではなく、合意できるまで粘り強く、かつどこよりも短期間で回数を重ねて協議することを前提としていた。
・日米通商交渉において怒鳴り合いみたいなのはなく、双方比較的冷静に話が出来ていたと思われるし、トランプは赤沢大臣の話を途中で遮ることなく最後まで聞いていた。
・ただし、少しでもこちら側が黙ればトランプ側が一気に捲し立てる気配があり、とにかく精一杯できる範囲の提案をぶつけていった。
・別の国では交渉の最中にネタがつきて黙ったところでトランプに不利な条件をねじこまれてしまって、急にこれでディールだと言われて面食らったりしていた。
・過去の延長線上には正解はない交渉であり、過去はこうだったからこうしましょうという提案は全くトランプには刺さる感じではなかった。

このことから考えられるトランプ政権は巷で言われるほどクレイジーではないということである。
とにかく懇切丁寧にあきらめずに説明をし、先方にもメリットがあることを理路整然と説いていき、周りが納得できるような話を持っていけば、少なくともトランプはそれを無下にはせずに一旦話を聞くわけである。
しかし、最後の最後はトランプが「これでディールだ」と発言するまでは油断が出来ず、先方の気迫に気圧されれば当初米国事務方と合意していたものと全然違う内容でディールされたことになりかねず、政治的交渉というよりはビジネス的交渉に近いような雰囲気であったようである。

少なくともこの赤沢大臣のアフタートークから、トランプおよびその周りの閣僚はクレイジー過ぎてノリと雰囲気で政策を決定していると考えるのは間違いだし、軌道修正できないわけでもないことがわかったので、トランプファクターで株価が馬鹿崩れする可能性はほぼ払しょくされているのではないかと思う。
まあ、それでも時々市場がトランプリスクを思い出したかのようにボラティリティ高まったりすることもあるだろうが、そこは普通に押し目買いチャンス場面なので、引き続き相場に対しては強気スタンスで問題ないかなと思う。

こういうことを資金を投じている投資家が理解したからこそ、気づけばS&P500が最高値を更新しているのではないかと思っている。

【S&P500のチャート】
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関税悪影響は金融緩和で十分吸収できる量で、相場への心配は必要なし

アングル:日本企業、関税率確定もなお変数 値上げや米国生産視野

うにゃうにゃ言っている間は相場は堅調だと思う。

日本・EUの対米関税率が妥結したということもあり、概ね関税については最終的な数値は決まってきたわけであるが、あらためてじゃあこの関税が米国景気に与える影響について考え、それが相場に与える影響も考えていきたい。

関税については、もうあらゆるところで言われているから今さら言及をする必要性もないが、関税は輸出相手が払うわけではなく、米国内の人が払う税金であり、元々は国内の産業を保護されるために分野を絞りながら実施されるものが、トランプの輸出相手が払うという盛大な勘違いをスタートになぜか広範に課す形になってしまった。
米国内の人が払う税金なわけなので、形態としては限りなく消費税に近いものになっているように思う。
消費税と違うのは、消費者が一体自分がいくら払っているのかがぱっと見えない・かつ調べようと思っても非常に見えづらいという非常に不透明消費税的な側面がある。
その影響というのが、もう各エコノミストが試算しているわけで、いくつかの前提条件を置いたインフレ率に対する影響が+1.5%だが、主要国との関税率が15%で妥結しつつあることを考慮すると、1%ちょっとぐらいの数値になるのではないかと思っている。

【日本総研の関税による米国への影響】
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https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/research/pdf/15614.pdf

関税によって米国の景気が悪化して相場が崩れると未だに言っている人が多いが、少し冷静になってほしいところである。
インフレ率+1%分がいわゆる米国民から政府へ所得移転されるだけであるが、そこにトランプ減税が入るので、おそらく花見酒的な感じで市場に出回るお金の量はおそらく変化しない。
以前の過去記事で書いたように記憶しているが、インフレ率が1%程度のプラスというのは消費税+2%ぐらいの影響かなと過去の日本の統計を見てて思う次第であるが、この程度の増税はデフレの時代では金融緩和限界の壁が存在していて厳しいだろうが、インフレの世界の中ではそれで消費が悪化した分は金融緩和を追加で行うことによって十分に相殺可能な幅だと思う。

関税でのインフレ率上昇では金融緩和できないのではと思うかもしれないが、何度も書いている通り単年度影響かつ場合によっては関税除きインフレ率みたいな数値を持ち出して正当化することも十分にできるため、特に関税についての影響がほとんど関係ないメガテックとかそういうところは関税によって株価が下落すると考えるのはもはや妄想もいいところであり、FRBが政策金利引き下げて株価がジャンプしたところらへんでこれまで状況不透明で株は買えないと言っていた人達がギブアップするのではないかと思っている。

 
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オルツの大規模粉飾から考える、金融・投資は人間の善意と悪意が交錯する場所という考え方



人間の善意と悪意をきちんと把握しなければ金融・投資の世界ではいいカモになるだけ。

上場したてのオルツという企業が売上の9割が粉飾であったことが発覚してあり得ない粉飾決算だとして、往年のFOIを彷彿とさせるような一大事件となり、オルツの株価も上場廃止待ったなしという状況になっている。

【オルツの株価チャート】
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売上の9割が粉飾とかこれ当事者じゃなくても、大株主とかで内情をいくらか知っている人間だったら把握してただろということで大株主のVCは市場を騙して上場させたんじゃないかみたいな話が出ている。
実際にオルツの第三者報告書では監査から循環取引について疑惑を報告されたVCが無視を決め込んでいたとも書かれており、故意犯っぽさが強まっている。
これに対して一部人間は驚くことに上記ツイートのように仮に粉飾に気づいたとしても見て見ぬふりして上場して馬鹿な投資家に売りつけることは合理的みたいなXのつぶやきをして、いかに一般人の感覚から乖離した物言いが金融市場ではさも当然かのように考えている人間がいるものだと思わせるものとなった。

これはまさに金融・投資の世界では悪意があるところには、普通の人間では考えられないようなモラルハザードを平気で公言してしまうような人が馬鹿な人間からお金をだまし取ろうとするのは日常茶飯事であるし、お人よしで人を疑うことがないような人間からは容易にお金をだまし取ろうとするということが十分に理解できる案件であったと思う。
実際、これはもうほぼ世界共通で、米国でもセラノスというとんでも企業が上場まではいかなかったもののユニコーンとして持ち上げられる中、内情は極めてひどいガバナンスであったことは下記参考書籍でも述べられている。

【参考書籍】
BAD BLOOD シリコンバレー最大の捏造スキャンダル 全真相

これはお金に直接触るという性質上、不正を働こうと思えばいくらでも不正ができるわけで、だからこそ金融においては様々な法律や論理規範が業界で定められていたりと、人間の悪意がルールがきちんとなければいくらでも底なしであるからこそそれを防ごうという方策が色々試行錯誤して生まれていて、そうした倫理規制を守れないやつはさっさと退場しろというのが真面目に金融をやっている人達からの意見だろう。
なので、きちんと金融市場では悪意のある人間が存在するということを頭に入れながら、自分はどこに投資資金を投じるかを考える必要性がある。

ただし、一方で人間の悪意だけばかりフォーカスしていると、この世は詐欺だらけで投資自体をすべきではないという陰謀論Youtuberみたいな結論になって、それはそれで馬鹿という話になるし、Youtubeやネット上ではそういう陰謀論ふりかざしてPV稼いで別のマネタイズ手法に誘い込むやり方が横行している。
投資においては、下記参考書籍を読めばわかるが、最後の最後は人間を信じて資金を投じるしかないわけで、人間の善意を見極めることは、投資でプラスリターンを獲得していく上では最重要項目であったりもするわけで、その匙加減は難しいところである。

【参考書籍】
マネ-マスタ-ズ列伝: 大投資家たちはこうして生まれた

こういった人間の本質を観察・考慮しながら投資というのは実行する必要性があるが、こういったことが非常にめんどくさいと感じ、そういった人間の悪意にあてられたくない・自分は騙される気しかしないというのであれば、インデックス投資・しかもS&P500やオルカンに限定した投資にすべきだろうと思うし、それはそれで理にかなっている話だと思う。
  
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EU・米国間の関税交渉も妥結し、関税騒ぎ相場は終了

米国のEU関税、自動車含め15%で合意 EUは6000億ドル投資

日本が決まったからさっさと主要国は決定していくよね。

先週に日米の電撃的な通商交渉妥結が行われたが、対米輸出で大きなウェイトを占める国との妥結は先頭であったことから、日米の妥結内容をメルクマールとして各国とも交渉の詰めが一気に進み始めており、月曜日朝にはEUも関税率15%で妥結という内容が報道されたので、これまでのところについて自分の考えをまとめていきたい。

日本・EUと大きいところの妥結を見ていくと、いわゆる同盟国・友好国のメインどころは関税率15%というところになっている。
これは元々リベレーションデー前に10%ならまあええかと思っている市場参加者が多かったことから、そこから相場に影響ないレベルのプラスアルファがどこらへんかを考えたところ15%というなんとなくの感覚がトランプ政権側にあったのではないかと思う。(この辺の勘所はベッセント氏が一番理解していたようにも思う)
今回の関税にはサプライチェーンの再構築的な側面も大きいことを考えると、いわゆる同盟国の中でも最も信頼できる国については15%関税、そして最も敵対している中国では現在関税率が34%、ベトナム・インドネシアは19~20%というところを考えると、それぞれの国の関税率の落としどころもほぼこの辺ぐらいだろうという目線がほぼ決まったも同然であるし、そもそも日本・EUが決まった時点で米国の輸入のうちの大きなウェイト部分が決定しているので、後の小さな国がどうのこうのなろうが米国にとってはもはやほぼ影響がないという状態になっている。

おそらく全部均すと関税率20%程度ぐらいの位置になるだろうが、自動車などの高額商品系ほど15%関税になるだろうと思っているので、実際の米国全体関税率は20%若干割れぐらいの位置かもねという感じである。
これに対するインフレ影響は+1%、しかもこれは単年度で終わる影響なので、これでようやく関税騒ぎの相場への悪影響は完全終了である。
関税による悪影響が懸念されて株価が下がっていた局面部分は全部杞憂に終わったわけなので、S&P500でいうと下記紫の四角で囲った部分は全て買い場であった・ここで買えた部分はもう売る必要性がなくて、ここで買いそびれた人間が買うのをじっくり待てる

【S&P500のチャート】
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ミーム株にチャレンジするかどうかは今のうちに考えよう

ミーム株復活も熱狂広がらず、個人投資家の投機姿勢に変化

どこまで追いかけるかは人それぞれだが、多少触りに行く勇気は持つ必要性があるかもしれない。

米国の大型株指数が既に過去最高値を更新している中で、その元気さは徐々に相場全体にも影響を与えており、そういった中で米国株市場を見ていると、収益が現時点では成り立っておらず、従来の計算方法ではどう考えてもそのバリュエーションつけるの無理じゃないか?と思われながら株価が急騰するいわゆるミーム株の上昇件数が上記BBG記事に書いてあるように増加している。

例えばミーム株チックな銘柄が多いARKKや、まだまともな収益が成り立ってないけど夢見れる宇宙関連銘柄が上昇しているところからも、かつてのミーム株復活っぽいような動きが散見できていることは確かである。

【宇宙関連ETF(UFO)のチャート】
タイトルなし


ただ、このミーム株復活についてはまだ超絶過熱しているという雰囲気はまだない。
なぜなら、本当に過熱すると最終的にこの機会を利用してIPOして投資家をだまくらかして金をふんだくってやろうというほぼ詐欺師みたいな企業が続出するのだが、現時点ではそういったIPOはあまり活発化していない。
なので、上記BBG記事のように半ば日常化している中で、広がりは金融相場が続いていく中で拡大していく可能性は十分にあるのではないかと思う。
この辺の過熱具合の考え方は下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
熱狂的バブル相場の天井を捉えるために見るべきモラルハザード・不正行為とは?

なので、今後より相場が過熱していくにあたっては、さらにこういったミーム株の急騰が場合としては増加する可能性があるわけで、一部はそこも場合によっては短期で抜くために検討する必要性があるかもしれないと考えており、その傍目から見ると危険な分野に挑戦するかどうかは今のうちから覚悟を決めておくべきだろうと思う。
触ると決めたなら触りに行くべきだし、いくら上がっても売り逃げる才能がないと思うのであればミーム株はどんな動きをしようが触らないという覚悟を決めてあらかじめ作戦を考えておかないと、最悪の場合は最後のババを間違って掴んでしまうような明らかにまずいトレードをしてしまうだろう。

ただし、気を付けたいのはこれがあまりにも続くと、最終的にはそれをトリガーにして景気が過熱していると判断されてFRBが金融引き締めに転じ、そもそも実際に冷静になって考えるとそんなバリュエーションこの企業にないよねというミーム株は一たまりもなく資金を引き抜かれて死んでしまうのは2022年に皆体験しており、おそらく同じようなことが将来的に起きる余地は十分にあるため、ミーム株に自分の人生を全部預けるような取引はしないように心がけておくことが自分も含めてごく普通の投資家が生き残っていく上で重要な考え方だろうと思う。
自分もまだこの分野についてどう取り組むべきか的な答えは持ち合わせておらず、明確なアイデアを当ブログ読者には提示できないが、一つの戦略としては持ち球として考えておきたい。
 
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