ヤマワケエステート償還延期で投資家騒然、人気の不動産クラファンに何が《楽待新聞》
トルコリラと同じように、なぜ人は学ばないのか・・・
不動産クラウドファンディングで高利回りでバンバン資金を集めていたヤマワケエステートがプロジェクトの一部で償還延期(つまり元本を返済できない状態)になり話題になっているが、もうこれは過去15年ぐらい何度も見てきた光景である。
あぐら牧場・HOPEラブホテルファンド・ソーシャルレンディング・みんなの大家さんと例を挙げればキリがなく、決まって資金の使い方がずさん・あるいは詐欺でどこかに消えてしまって、結局出資者はほぼ全損で終了という流れである。
これらに共通する内容については下記の通りである。
・匿名組合出資契約
大体こういう投資案件は匿名組合出資契約となっている。
この匿名組合出資契約とは流動性が低い案件に投資をするときに低コストで行う際にメリットがある投資形態で、投資を受ける側もカウンターパーティーが最終的な投資会社一本に絞られるので、投資家とのコミュニケーションコストが安く済む。
しかし、匿名組合出資契約の場合、基本的に資金の使い方について出資者は口出しできず、事業者が勝手に資金使途を決められるし、それを出資者に報告する必要性もない。
いわゆる全くチェックされる体制が存在しないのである。
そのため、不動産業者と癒着してあり得ないバリュエーションで不動産購入をしたり、最悪のケースの場合出資金を別のプロジェクトの支払いに使ったりと、その不正的な使い方には枚挙に暇がない。
この投資形態自体がかなり性善説に基づいたものであり、悪だくみを考えている人にかかればちょろいにも程がある。
・不自然な高利回り
この匿名組合出資契約の不都合を臭いを消すために高利回りという餌をぶらさげるのである。
普通に考えればまともな案件ならもっと低金利で銀行とかが金を貸すやろという話を当然思いつくはずであるが、高利回りというニンジンを目の前にぶらさげられると匿名組合出資のリスクを忘れて全力で資金を突っ込んでしまう人が後を絶たない。
また、じゃあ不自然じゃない利回りだったら良いのかというとそういうわけでもなく、結局一般的な貸付や債券と比べて高利回りという餌で釣っているわけで、しかも信頼させるために何件かは正常償還させて「今まで元本を毀損したことはありません!キリッ」というのを謳い文句にして馬鹿を釣るのである。
総じていえば、個人的にはまず匿名組合出資という投資形態で小口リテールで金を募っているものは大体がやばい案件だと思うべきだろうと思っているし、そもそもその制度が悪だくみを考えている人にとってはあまりにも都合が良く、いくらでも詐欺を働ける余地のある投資スキームである。
これが本当に名が知れている大企業の場合は、償還されなかった資金についてレピュテーションリスクを考慮して補填がありえる(実際にSBIソーシャルレンディングの時はSBIが補填した)が、わけのわからない新興企業の場合は補填される可能性はほぼゼロで、さらに言えば目ざとい人はさっさと訴訟して回収しに行くので、ぼんやり待っている人は回収率ゼロでフィニッシュするのが終わるのが通例である。(棒)
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
トルコリラと同じように、なぜ人は学ばないのか・・・
不動産クラウドファンディングで高利回りでバンバン資金を集めていたヤマワケエステートがプロジェクトの一部で償還延期(つまり元本を返済できない状態)になり話題になっているが、もうこれは過去15年ぐらい何度も見てきた光景である。
あぐら牧場・HOPEラブホテルファンド・ソーシャルレンディング・みんなの大家さんと例を挙げればキリがなく、決まって資金の使い方がずさん・あるいは詐欺でどこかに消えてしまって、結局出資者はほぼ全損で終了という流れである。
これらに共通する内容については下記の通りである。
・匿名組合出資契約
大体こういう投資案件は匿名組合出資契約となっている。
この匿名組合出資契約とは流動性が低い案件に投資をするときに低コストで行う際にメリットがある投資形態で、投資を受ける側もカウンターパーティーが最終的な投資会社一本に絞られるので、投資家とのコミュニケーションコストが安く済む。
しかし、匿名組合出資契約の場合、基本的に資金の使い方について出資者は口出しできず、事業者が勝手に資金使途を決められるし、それを出資者に報告する必要性もない。
いわゆる全くチェックされる体制が存在しないのである。
そのため、不動産業者と癒着してあり得ないバリュエーションで不動産購入をしたり、最悪のケースの場合出資金を別のプロジェクトの支払いに使ったりと、その不正的な使い方には枚挙に暇がない。
この投資形態自体がかなり性善説に基づいたものであり、悪だくみを考えている人にかかればちょろいにも程がある。
・不自然な高利回り
この匿名組合出資契約の不都合を臭いを消すために高利回りという餌をぶらさげるのである。
普通に考えればまともな案件ならもっと低金利で銀行とかが金を貸すやろという話を当然思いつくはずであるが、高利回りというニンジンを目の前にぶらさげられると匿名組合出資のリスクを忘れて全力で資金を突っ込んでしまう人が後を絶たない。
また、じゃあ不自然じゃない利回りだったら良いのかというとそういうわけでもなく、結局一般的な貸付や債券と比べて高利回りという餌で釣っているわけで、しかも信頼させるために何件かは正常償還させて「今まで元本を毀損したことはありません!キリッ」というのを謳い文句にして馬鹿を釣るのである。
総じていえば、個人的にはまず匿名組合出資という投資形態で小口リテールで金を募っているものは大体がやばい案件だと思うべきだろうと思っているし、そもそもその制度が悪だくみを考えている人にとってはあまりにも都合が良く、いくらでも詐欺を働ける余地のある投資スキームである。
これが本当に名が知れている大企業の場合は、償還されなかった資金についてレピュテーションリスクを考慮して補填がありえる(実際にSBIソーシャルレンディングの時はSBIが補填した)が、わけのわからない新興企業の場合は補填される可能性はほぼゼロで、さらに言えば目ざとい人はさっさと訴訟して回収しに行くので、ぼんやり待っている人は回収率ゼロでフィニッシュするのが終わるのが通例である。(棒)
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