エビデンスのない雰囲気の話ですが、市場を見ていてなんとなく一般層の限界(海外マネーや富裕層の影響の薄い実需エリア)は1.4億じゃないかと思えてきているんですよね。もちろん小規模やフツーの板状ではなく、駅前タワマンや高級低層のイメージではありますが、新築・築浅は1.4億までは伸びしろがない…
— ニイゴ (@25MKbaby) September 10, 2024
タワマンはちょっと別だけどね。
ここもと、東京の住宅価格においてもSUUMOを見ていると、タワマンはともかくとして、やや駅遠の普通のマンションについては伸びが鈍化しているというか価格が止まっているように見えるし、特に山手線外だと下がってはいないモノのそういった鈍化傾向は顕著なように思える。
そういった中で、文京区の住宅を見ているXのマンクラから70平米1.5億円あたりで成約が上手くいっていない物件がちらほら見られている物件があるという話が出てきており、なんとなくだが1.4~1.5億円らへんに実需が払える壁がやはりあるように思えるので、それについてまとめていきたい。
以前に東京で快適に暮らしている層(年収が統計で第七区分の最上位に位置する世帯)というのは月収で税引き前で170万円ぐらい世帯収入があり、年収でいうとほぼ2000万円というのは下記過去記事で書いてきた。
【過去参考記事】
東京で快適に暮らすにはいくら投資で稼ぐ必要があるのか?
共働きが多いということも考慮して税金や社会保障の控除を考慮し、ざっくり手取り年収1500万円(月収125万円)ぐらいだとすると、1.5億円という物件は大体10倍ぐらいの金額になる。
さて、1.5億円の物件を頭金なしで35年変動金利ローンで借りると月々の支払いが修繕管理費込みだと返済39.6万円+修繕管理費4万円=43.6万円ぐらいになる。
【1.5億円フルローンで購入した場合】
43.6万円の支払いはボーナス含めた手取り収入の1/3におよび、さすがに負担感がやや大きい状態にある。
しかもこの第一階層の人はボーナスの比率が高く、景気や所属している企業の業績の変動によっては大きく変動する可能性があるわけで、実質的な毎月入ってくる定期的な収入の1/2ぐらいの負担感になるように思う。
個人的には手取り月収の半分が住宅関連費用に消えるのは結構心理的にも圧迫感があるように思う。
ボーナスを除いた手取り月収に対して住宅ローンの返済金額が20%以下だと超余裕、20~30%以下ぐらいだとまあそんなもんかなと思えるが、40%ぐらい増えてくると目に見えて心理的負担感が大きくなるように思う。
50年ローンに伸ばすと、おそらく毎月の住宅ローン返済30万円+修繕管理費4万円=34万円の支払いになるので、これで概ね許容できる範囲になるかと思う。
ということを考慮すると、ランドマーク的なタワマンを除くと、普通の70平米マンションというのは1.5億円というところに一つの壁があるように思う。
まあとはいっても、おそらく次回の春闘でも最低3%のベースアップは発生する見込みであり、その分は住宅価格に反映されていくはずなので、今年後半になると3~4%ぐらいは許容できる価格が上昇すると思うので、そこらへんは念頭に入れながら住宅を購入する人は考えてもらいたいところである。
また、そもそも論だが、日本の中古住宅についても徐々に住宅ローンを完済しない前提で購入する傾向が強まる(ようは中途売却ありき)ことも頭に入れておく必要性はあると思う。
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