村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2024年09月

自分がビットコインをここで売ろうと思った理由

https://www.youtube.com/watch?v=_s0-SGf0FBk
↑Youtubeの動画に飛びます

脊髄反射で売りボタン押してしまった。

Youtubeを巡回してきたら、広告動画に上記PVが流れてきた。
内容としてはいわゆる仮想通貨まだ持っていないの?という煽り系動画であるが、これをラップにのせながらFTX崩壊の前に聞いたことあるような二番煎じ煽り歌詞を渋谷のド真ん中で撮影するという極めて軽い調子で撮影されたものである。

自分も少額ではあるがビットコインを持って早数年であるが、このPVを見た時点であまりの動画の気持ち悪さに少額しか持っていないビットコインを今すぐ売りたいという気持ちが高まり、衝動的に投げてしまった。 
そして、一応今後仮想通貨が予想通り下がろうが、逆に思いがけず上がろうが、今回思ったことを振り返りできるように今すぐ書き留めたいと思ったので、ここにまとめていきたいと思う。

上記動画では仮想通貨が革命的なものであることをこれでもかと軽快なラップで声高に主張しているわけだが、そもそもまだ仮想通貨が世界を変える可能性というのがどれぐらい残っているのだろうか?
通貨というのは需要に対して常に供給を満たすという特性を持っていなければいけないが、仮想通貨は構造的にボラティリティを高める構造になっており、最終的に責任を取る人が存在しない。
そのため、結局はマネロン需要によって需給が歪みやすいアンダーグラウンド資産に過ぎず、ドルの流動性の端っこにいる存在だと思っている。
そのため根本的には仮想通貨の値動きはほぼドルの流動性と連動するものだと思っている。

そしてご存じの通り、足下では米国景気はFRBの金融引き締めによって徐々に鈍化していっているわけで、端的に言えばドルの流動性が徐々に減少している。
そうした中で、このようななんの根拠も理論もない、ひと昔前の二番煎じの煽りをわざわざYoutubeにお金を払って広告して流させているというのは、いわゆる仮想通貨投資教室への勧誘という側面が強く、素人勢を勧誘することをメインとしているわけで、投資をやっている身としては頭の中に警告赤ランプが点灯する以外なかった。
ラップ音楽の動画というのも、もはや仮想通貨の実態がどうのこうのという話ではないあまりにも軽すぎるノリであり、これを見て仮想通貨投資を始めようと思うレベルのド素人と同じポジションを持つことの危険性があまりにも高すぎると考えるのは、投資慣れしている人がいればいるほどすぐにアンテナに引っかかる話だろう。
ここから仮に上がったとしても、もうここより上はしょうがない捨てようと思えるぐらい、今後参入してくる人達の質が悪いことはこの動画で嫌と言うほど体感したのである。

ここまで感じた上で、あらためてビットコインのチャートを見れば、ここ半年意味のない値動きしかしておらず、ファンダメンタルズも込みで考えればここで買い煽られてエントリーするやつらなんて養分以外の何物でもないだろというロジックまでが頭の中で構築され、そしてビットコインを売るというボタンを押す決断に至った。

【ビットコインのチャート】
タイトルなし

結局は下記過去記事の考えで、第三者から見れば薄い根拠でなんとなくーで売ってるだろと言われるような手法で売る決断に至ったと思ってもらえればいいと思う。

【過去参考記事】
熱狂的バブル相場の天井を捉えるために見るべきモラルハザード・不正行為とは?

ビットコインが軽く半値とかに下がってくれればまた買うかどうか考えるだろうが、とりあえず当面は触る必要性がなくなった資産カテゴリだなと思いながら観察するのに徹しようと思う。

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石破政権でも岸田政権路線から大きな方針に変更はないと見る理由

石破茂氏、議員票呼び込み逆転 3人の「首相」の暗躍

なにか大きく方針が変わるとは思えないが。

自民党総裁選で石破氏が総裁選で勝利したわけであるが、金曜日の日本市場で勝手に高市氏勝利で株高・円安かと期待したアホどもがいきなり円高・株価先物大幅下落で大きなダメージを受ける結果となった。

【ドル円のチャート】
タイトルなし


またXでも極論では石破氏勝利で日本終了だとか、高市氏でなければならなかったとか述べる人も多く、カスタマイズされたXのトレンドでは日本株大暴落みたいなのも入っていたりするのが見えた。
確かに週明け月曜日は結構大きめに株価は下落するだろうなとは思うが、じゃあ中長期的にもう日本株は駄目かと言うと、個人的にはとてもそうではないと思える。

理由としては、石破氏が今回総裁選で勝利した要因である。
上記日経新聞の記事を見てもらえればわかるが、石破氏は議員票をしっかりと獲得して今回勝利となったが、その議員票の中身をきちんと見ていきたい。
石破氏を支持した派閥は自陣営46+小泉派75+岸田派61という内容となっている。
一応数で最大なのは小泉派であるものの、岸田派も1/3を占めているわけで、岸田派のこれまでの政策を完全無視したような政策をしようとすれば造反に遭う可能性が高い。

こういった石破氏支持で動いた派閥と、なんだかんだで高市氏が肉薄したことを考慮すると、 石破氏自体も自分独自で考えた政策を全て貫き通すのは非常に難しいだろうと思われる。
特に原発再稼働方針・日銀の金融政策への口出し・外交方針については石破氏の独自案のクソっぷりがひどいわけで、ここに対して大きな駄目出しは各派閥から出るはずで、過去の石破氏の主張から随分トーンダウンした話になるだろう。
特に今の日本を支えている外交方針について、石破氏自体は高市氏のような外交過激派でもないために、ここまで上手くこなしてきた岸田派の言うことを聞きながら決めていく流れになるだろう。

以上を考えると、週明けに変に高市シナリオにベットした馬鹿投資家のロングポジションが丸ごと死ぬし、石破氏で本当に大丈夫かという翻弄的な値下がりもあるだろうが、個人的には一部の人が声高に叫ぶ日本の株価暴落ということはないだろうと思うし、逆に下がればチャンスで買えるだろうと思う。
そもそも政治というは多種多様なステークホルダーにどう便宜をはかるかというものであり、非常に複雑であり、人によっては容易に軌道が修正されるわけで、単純に語ることは非常に難しく、極めて単純に語るような人がいればそれはペテン師だと考えておくのが妥当だろうと思う。

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11月50bps利下げの可能性を見せた米国PCE統計

August US PCE inflation cools to within reach of Fed target

諦めの悪い債券ショートプレーヤーは多そう。

月末注目恒例統計として米国PCEと個人所得関連統計が発表されたので、内容と市場反応をまとめたい。

まずPCEについては市場予想が前年比+2.3%に対して結果は+2.2%と下振れ、コアは市場予想と同じ+2.7%となった。
また、個人所得は市場予想前月比+0.4%に対して結果+0.2%、個人支出は市場予想前月比+0.3%に対して結果+0.2%と完璧な下振れとなった。
今月は新規失業保険申請件数は低水準推移で、FRBの失業率予想も4.4%と過去の景気後退局面と比べれば低いが、普通に目をその他の指標に向けると普通に鈍化していっていることが確認できる。

今回のPCE・個人所得・個人支出の下振れを考慮すると、11月のFOMCでの50bps利下げは十分可能性があるわけで、そうなるといきなりFRBのDOTSの中央値から外れるし、さらに言えば多くのエコノミストが9月FOMC前まで考えていた今年合計75bpsの利下げが大外れもいいところみたいな内容になる可能性が見える。

しかし金曜日の債券の反応は月末リバランスもあったが非常に反応は出遅れ気味であった。
まず米国PCE発表前に、フランスとスペインのCPIが余裕で市場予想を大幅に下回って、前年比2%を割れとなって欧州金利が大きく低下していたのが、米国PCE発表前に向かって金利低下幅をかなり縮小させていた。
そして実際に米国PCEが発表されると、市場予想を下回る内容であったのに、債券金利が低下を始めるまでに数分かかっていった。
しかも、今回のPCE発表と併せて発表される個人所得も市場予想を下回っており、一切上回っている指標は今回なかったが、それでもしっかりとした金利低下反応するまでにそれなりに時間がかかった。

【米国10年債金利のチャート】
タイトルなし


以上を考慮すると、失業率と新規失業保険申請件数だけを見て、まだ「米国景気は利下げしなくてもいいほど堅調」と信じている人は多いように思われる。
本当に考えるべきなのは、ちょっと前の金利水準はインフレ抑制を最優先としたものであり、本来のFRBの雇用にも気を配るというデュアルマンデートに戻るにあたって、中立金利まではとりあえず下げないといかんよねという話であり、さらに言えば本当に失業率上昇・新規失業保険申請件数爆増の形の景気減速が発生したら中立金利どころの話じゃない利下げせんといかんよねというところであることを念頭に置いて、機関投資家中心の話ではあるが債券ロングをしっかり保持することが重要だと思われる。

また為替については石破政権爆誕で、変に高市期待があった分の円安も剥げて、さらに2連続50bps利下げが見えている中で、ドル高円安が145円より上に行くという夢もこの時点で消えたと考えれば良いように思う。

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中国政府が景気対策バズーカ第一弾を投入

中国、大手国有銀行に最大20兆円超える資本注入を検討-関係者

3~6ヵ月ぐらい中国リスク資産価格の下支え効果はありそう。

これまで当ブログではひたすら中国が景気対策について超ビハインドしていることを書いてきた。
これがここまで中国リスク資産のセンチメントを悪化させてきた原因であった。

しかし、さすがに若年失業者が誰の目から見ても明らかなレベルで増加してきたことに加えて、失業に伴った社会的動乱が増加しつつあることは頭の悪い習近平でも耳にするレベルになっていた。
日本人学校の児童殺害の案件もその一つだし、実際中国では日本人だけでなく外国人全般に加えて、中国人自動も狙った無敵の人による傷害・殺人事件が相次いでいた。
このことが徐々に社会的不安を呼び起こし、景気うんぬんというより中国共産党の統治能力という点に不安を呼び起こす結果になっていた。

こうしていよいよこれまでの景気対策では埒があかないということがどんな馬鹿でも分かるレベルになったことから、今週頭の広範な金融緩和第一弾となった。
そしてさらにここにきて国有銀行に最大1兆元の資本注入を検討しているというのもニュースとして出てきた。

これまで中国では自己責任論という名のもとに、各企業が今の状況をどうにか打開しろという無理筋な要求しか中央政府は出してこなかった。
しかし、いよいよそうも言っていられないというわけで、まずは一部市場参加者が懸念している金融システミックリスクを払拭する必要性がある。
過去の金融システミックリスクは、政府が金を出し渋ったことによって発生しているわけで、既にこれがわずかであるが懸念されている状態であった。
最大1兆元というのは6大銀行の資産レベルを考えれば大した金額ではないし、そもそもまだ国有銀行レベルでは困っていないだろというのもあったが、予防的に資本注入し、絶対に金融システミックリスクを起こさせないという表明を今回行ったわけである。

そういった意味で、今回の措置はバズーカ第一弾と表現しても良いように思える。
そのことを反映してもう一段中国株は上昇しており、これは素直に今回の措置を外国人投資家が評価したと言えるだろう。

【香港ハンセン指数のチャート】
タイトルなし


もちろん、この対策だけで景気浮揚・V字回復に至ることはないだろう。
不動産バブル崩壊に伴う景気下降はバズーカ1回で解決できるものではなく、これから何回もバズーカを催促されるだろう。
デフレはそれほど容易に解決できない問題であり、それについては下記過去記事を参考にしてもらいたい。

【過去参考記事】
なぜデフレをやっつけるのはインフレをやっつけるのより難しいのか?

しかし、少なくとも無限にスパイラル的に悪化するという思惑は一定程度消せるし、また景気回復がとん挫するまではお手並み拝見ということで時間猶予を得られるわけで、3~6ヵ月程度のタームでは中国リスク資産価格の下落は止まり、またグローバル金融市場の悪化要因からは一旦スコープから外れるものだと思われる。

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日銀レポートのインフレ要因分解を見る限り、拙速な利上げにはならなそう

【参考文献】
https://www.boj.or.jp/research/wps_rev/wps_2024/data/wp24j10.pdf
↑日銀の25年間多角レビューの文書

日銀のぼかした回答の理由がここにある。

この前に日銀の金融政策決定会合について、非常にぼかした回答しかでてこなかったことについて書いてきたが、ちゃんとデータを見ていない人とか知識がない人はこの前までデフレであったのに、もうインフレが続くのではないか、そして利上げを早くすべしという相当血迷ったことを考える人は素人だけでなく、比較的きちんとマーケットを見ているプロにも多い。

しかし、記事上部のリンクにある日銀の25年間多角レビューの中身を見た時に、インフレ率の要因内訳が記載されていたので、これをつぶさに見ていくと、なぜ日銀は前回の金融政策決定会合はなるべく利上げ時期を悟られないようにぼかしたのかが分かる内容であった。

【日銀分析のインフレ率要因分析】
タイトルなし

結局ここに前回日銀の金融政策決定会合で答えが全部濁すようなレベルであやふやであったのかという解答があると思う。
一旦日本年間インフレ上昇率が4%になった時に、そのうち海外要因が2%も占めている上に、さらに為替も0.3%ぐらいあるために、国内要因は1.7%分しかない。
うち大きな要因は国内金融政策要因で、実質国内需要による真水的な上昇は少ないことがうかがえる。
こうしたことを考慮すると、国内金融政策分のプラスは圧縮していくように調整すべきという話は妥当であるが、逆にインフレ率にマイナスに作用させるほど先行きに自信あるようなものかというと、海外要因全部剥げたらちょっとまずくないですかという話になる。
そして、実際に米国の景気が怪しくなっている中で、海外要因がじりじり剥げそうになっている中で、今慌てて金融政策を変更させることが逆にリスキーとなっている。
しかも、為替要因も前年末と同程度の位置にまでバックしていることを考えると、逆に為替に無理に円高圧力をかけにいくことも、本来日銀のターゲット2%に対して届かない形で本来すべきではない金融引き締めをやってしまうのではないかという心配が出てしまう。

さらに世界情勢を考慮すると、ますます日銀は利上げペースについて慌てる必要性がない。
以前の記事にも書いた通り、現在世界主要国において日銀は金融政策において最後尾にはおらず、代わりに中国のPBOCが最後尾にいてくれている。
そのため、ひたすら金融緩和に追い立てられるのは中国であり、日銀は相当フリーハンドでどう動くべきかをじっくり考える時間的猶予が存在しているのである。

こういうことを考えると、現時点ですぐに政策金利は1%になると考えるのはいくらなんでもタカ派的すぎるし、逆にもう日銀は金融政策について出遅れたという言説も世界の実状を理解していない人達と一蹴すべきところだろうと思う。

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