投資家「おなかいっぱい」の銀行株、強気過ぎた反動-買い継続の声も
さすがにもう銀行セクター投資妙味は相対的に低くなってそう。
今年は日本の銀行セクターが大正義的な相場になっていて、かれこれバブル崩壊以降全く日の目を見てこなかったセクターが大相場をかちこんできたことで、多くの投資家は虚をつかれる形となった。
個人的にも高配当株ETFで一部はカバーしていたものの、銀行セクター自体にはしっかりロットを張っていなかったこともあり、かなり虚をつかれる形になった。
【銀行業ETF(1615)のチャート】

そして、ここもと日本株について高配当株が注目される中で、銀行セクターに注目する言説をするYoutube動画を投稿する人もかなり見かける中で、さすがに日本の銀行セクターについて投資妙味ここからどうなんよという感触を持ち始めてきたので、まとめていきたい。
まず、日本の銀行株が買われている理由を振り返りたい。
これまで銀行株の上昇は日銀が金融緩和について修正をどんどんかけていくことによって利ザヤが改善していくことを大前提としている。
特に日銀が既にYCCについて10年1%に対しても柔軟姿勢に変更したことから10年JGB1%超えが起こることさえ前提にしているように思われる。
またインフレに伴い、これまでほとんどの銀行株がPBRが0.5倍以下で放置されていたことから、これは超お買い得だし、東証のPBR改革指導もあるからとして、PBR是正が働いてこれまで上昇してきた。
しかし、直近になって米債金利が大きめに低下していることによって、JGBの金利上昇・日銀の金融緩和修正観測に対するコンフィデンスがやや揺らいでいるように個人的には思う。
そもそも米債金利自体が9月FOMCのドットプロット公開以降、FRB3名のタカ派芸人によってマニピュレートされて金利上昇されてきた側面が大きく、実質金利2%以上というのは過剰貯蓄の消滅や米国政府の長期債発行が想定より低かったことを考えると維持できる見込みは低いと思われる。
【米国10年債金利のチャート】

そしてJGB10年1%は米国の実質金利2%以上を大前提としている感触が大きく、既にJGB10年金利が0.75%前後にまで低下しており、かつこれから銀行勢が定期預金利率を引き上げてこのゾーンにどんどん投資資金を回そうとしていることを考えるとこれまでのような勢いでの金利上昇可能性はかなり低いのではないかと考えている。
【過去参考記事】
またこういった中でYCCブリーチされる展開がフェードアウトし、ドル円も落ち着きつつある中で、拙速的に金融緩和修正かける可能性は以前よりも低下していませんかねという疑念も湧き上がってくるのは自然な話だろう。
そういったことを総合的に考慮すると、既に邦銀メガバンクのPBRが0.7~0.8倍ある中で日本銀行セクターの投資妙味ってどうなのよという話になる。
もちろんすぐに下落する・暴落するなんてのは思わないが、はたして市場の中でアウトパフォームし続けられるセクターかどうかと問われるとやや疑問ではないかと考えるようになっている。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック
さすがにもう銀行セクター投資妙味は相対的に低くなってそう。
今年は日本の銀行セクターが大正義的な相場になっていて、かれこれバブル崩壊以降全く日の目を見てこなかったセクターが大相場をかちこんできたことで、多くの投資家は虚をつかれる形となった。
個人的にも高配当株ETFで一部はカバーしていたものの、銀行セクター自体にはしっかりロットを張っていなかったこともあり、かなり虚をつかれる形になった。
【銀行業ETF(1615)のチャート】

そして、ここもと日本株について高配当株が注目される中で、銀行セクターに注目する言説をするYoutube動画を投稿する人もかなり見かける中で、さすがに日本の銀行セクターについて投資妙味ここからどうなんよという感触を持ち始めてきたので、まとめていきたい。
まず、日本の銀行株が買われている理由を振り返りたい。
これまで銀行株の上昇は日銀が金融緩和について修正をどんどんかけていくことによって利ザヤが改善していくことを大前提としている。
特に日銀が既にYCCについて10年1%に対しても柔軟姿勢に変更したことから10年JGB1%超えが起こることさえ前提にしているように思われる。
またインフレに伴い、これまでほとんどの銀行株がPBRが0.5倍以下で放置されていたことから、これは超お買い得だし、東証のPBR改革指導もあるからとして、PBR是正が働いてこれまで上昇してきた。
しかし、直近になって米債金利が大きめに低下していることによって、JGBの金利上昇・日銀の金融緩和修正観測に対するコンフィデンスがやや揺らいでいるように個人的には思う。
そもそも米債金利自体が9月FOMCのドットプロット公開以降、FRB3名のタカ派芸人によってマニピュレートされて金利上昇されてきた側面が大きく、実質金利2%以上というのは過剰貯蓄の消滅や米国政府の長期債発行が想定より低かったことを考えると維持できる見込みは低いと思われる。
【米国10年債金利のチャート】

そしてJGB10年1%は米国の実質金利2%以上を大前提としている感触が大きく、既にJGB10年金利が0.75%前後にまで低下しており、かつこれから銀行勢が定期預金利率を引き上げてこのゾーンにどんどん投資資金を回そうとしていることを考えるとこれまでのような勢いでの金利上昇可能性はかなり低いのではないかと考えている。
【過去参考記事】
日本国債10年に投資するために定期預金をかき集め始めた邦銀
またこういった中でYCCブリーチされる展開がフェードアウトし、ドル円も落ち着きつつある中で、拙速的に金融緩和修正かける可能性は以前よりも低下していませんかねという疑念も湧き上がってくるのは自然な話だろう。
そういったことを総合的に考慮すると、既に邦銀メガバンクのPBRが0.7~0.8倍ある中で日本銀行セクターの投資妙味ってどうなのよという話になる。
もちろんすぐに下落する・暴落するなんてのは思わないが、はたして市場の中でアウトパフォームし続けられるセクターかどうかと問われるとやや疑問ではないかと考えるようになっている。
日々金融市場で思ったことや金融データをつぶやいている村越誠のツイッターはこちらのリンクをクリック