焦点:JGB売り維持する海外勢、さらなる日銀政策修正を視野
市場参加者でもかなり疑心暗鬼な状況だが、基本に立ち返った分析を心掛けたい。
日銀がYCC変動幅を拡大させて以降、まだ目立った形で債券市場機能が回復しているとは言い難い状況が続いている。
特に今足元日本債券市場を動かしているのは日本円OISである。
日本円OISを順に見ていくと、2年0.278%・5年0.52%・10年0.82%と10年より手前側のゾーンにて金融引き締めを催促するような形で動いている。
(一方で20年以降はJGBの方が金利が高いので、そこまで行くと催促されているわけではない)
これは外国人投資家が催促参戦しているということに加えて、日本勢がこれまで低い金利で日本国債を買ってきたことから動きづらくなっており、こうした外国勢主導の売りに対して積極的に買い向かえていないという事情がある。
そういった意味で、日本国債金利についてほぼ10年ぶりぐらいにきちんとインフレ率と賃金上昇率を真面目に見る必要性が出ているという状態に推移しつつあるように思う。
諸外国を見れば、他の先進国中央銀行も「重要なのは単なるインフレ率ではなく、賃金インフレ率である」と言っているわけで、単にインフレ率が2%を超えているから自動的に金融引き締めをするという話ではない。
日銀は金融引き締めについては繰り返し「持続的な賃金上昇率2%」というのを金融緩和解除条件としている。
まだ賃金上昇率1.5%やんけということで、米国のようにすでに賃金インフレ率の居所変わっているわけでもない中で、後ろ側ならともかく手前側金利を動かす動機は見えづらい。
(ただし、世界全体でモノの需給ひっ迫度合いが強いことから、日本でも一定の賃金インフレが見える可能性が出てきていることは確か)
また緩和解除についても、解除の順番がどうなるのか考える必要性がある。
外国ではあまりにもインフレターゲットから外れた賃金上昇率となったことから、量的金融緩和縮小やバランスシート自体の縮小を利上げと同時に行い始めるという形で、かなり順序を無視した金融引き締めをしていった。
日銀の場合、これまでリーマンショック以降利下げ→債券購入によるQE→株・JREIT購入によるQE→マイナス金利→YCCという順序で来ており、現在YCCの変動幅修正から動いてきているので普通に考えるとYCC解除・マイナス金利解除までたどり着かないと「事実上の利上げ」という単に長期金利動いてるだけやんという話で、本当の意味での利上げ(政策金利の引き上げ)にはたどり着けない。
以上から、ヘッドラインインフレだけでなく、賃金上昇率を丁寧に見ていく必要性があるという、ここ10年ではやはり日本の債券市場では見てこなかった事態になりつつあるように思う。
なので賃金上昇率がもっと上昇するかどうかで投資の方向性は変わってくると思う。
なお、色々報道を見ると賃金インフレするけど金融緩和を継続するという意味不明論理を展開する人と、賃金上がらないって言っているくせに金融引き締めが起こると言っている人がおり、これは全くの意味不明と言わざるを得ない。
賃金インフレが起きて金融引き締めが起こるか、賃金がやっぱり上がらないのでそんなに金融緩和は過激には修正されないかの2つであることは認識するべきで、賃金上昇をなしにしてはそもそも銀行勢の貸し出し増加率が預金増加率を下回っている環境下では日銀に積極的な金融引き締めをするインセンティブはないと思われる。
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市場参加者でもかなり疑心暗鬼な状況だが、基本に立ち返った分析を心掛けたい。
日銀がYCC変動幅を拡大させて以降、まだ目立った形で債券市場機能が回復しているとは言い難い状況が続いている。
特に今足元日本債券市場を動かしているのは日本円OISである。
日本円OISを順に見ていくと、2年0.278%・5年0.52%・10年0.82%と10年より手前側のゾーンにて金融引き締めを催促するような形で動いている。
(一方で20年以降はJGBの方が金利が高いので、そこまで行くと催促されているわけではない)
これは外国人投資家が催促参戦しているということに加えて、日本勢がこれまで低い金利で日本国債を買ってきたことから動きづらくなっており、こうした外国勢主導の売りに対して積極的に買い向かえていないという事情がある。
そういった意味で、日本国債金利についてほぼ10年ぶりぐらいにきちんとインフレ率と賃金上昇率を真面目に見る必要性が出ているという状態に推移しつつあるように思う。
諸外国を見れば、他の先進国中央銀行も「重要なのは単なるインフレ率ではなく、賃金インフレ率である」と言っているわけで、単にインフレ率が2%を超えているから自動的に金融引き締めをするという話ではない。
日銀は金融引き締めについては繰り返し「持続的な賃金上昇率2%」というのを金融緩和解除条件としている。
まだ賃金上昇率1.5%やんけということで、米国のようにすでに賃金インフレ率の居所変わっているわけでもない中で、後ろ側ならともかく手前側金利を動かす動機は見えづらい。
(ただし、世界全体でモノの需給ひっ迫度合いが強いことから、日本でも一定の賃金インフレが見える可能性が出てきていることは確か)
また緩和解除についても、解除の順番がどうなるのか考える必要性がある。
外国ではあまりにもインフレターゲットから外れた賃金上昇率となったことから、量的金融緩和縮小やバランスシート自体の縮小を利上げと同時に行い始めるという形で、かなり順序を無視した金融引き締めをしていった。
日銀の場合、これまでリーマンショック以降利下げ→債券購入によるQE→株・JREIT購入によるQE→マイナス金利→YCCという順序で来ており、現在YCCの変動幅修正から動いてきているので普通に考えるとYCC解除・マイナス金利解除までたどり着かないと「事実上の利上げ」という単に長期金利動いてるだけやんという話で、本当の意味での利上げ(政策金利の引き上げ)にはたどり着けない。
以上から、ヘッドラインインフレだけでなく、賃金上昇率を丁寧に見ていく必要性があるという、ここ10年ではやはり日本の債券市場では見てこなかった事態になりつつあるように思う。
なので賃金上昇率がもっと上昇するかどうかで投資の方向性は変わってくると思う。
なお、色々報道を見ると賃金インフレするけど金融緩和を継続するという意味不明論理を展開する人と、賃金上がらないって言っているくせに金融引き締めが起こると言っている人がおり、これは全くの意味不明と言わざるを得ない。
賃金インフレが起きて金融引き締めが起こるか、賃金がやっぱり上がらないのでそんなに金融緩和は過激には修正されないかの2つであることは認識するべきで、賃金上昇をなしにしてはそもそも銀行勢の貸し出し増加率が預金増加率を下回っている環境下では日銀に積極的な金融引き締めをするインセンティブはないと思われる。
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