中国、預金準備率0.25%下げ 金融緩和10兆円規模
積極的な金融緩和に見えて実は後手に回っているだけ。
金曜日の夕方になって突如中国の中央銀行PBOCがRRR(預金準備率)を25bps引き下げるとして、久しぶりに金融緩和策を出してきた。
投資家の中にはこれを見て、よっしゃ金融緩和してきたから中国共産党が景気支援に積極的に転じたので中国・香港株への投資はいけるのではないかと考えるのだが、本当にそうなのだろうか?
直近でもバンカメが2023年取引の主役は中国株買い米国株売りなんていうぐらいで、割安中国株について金融緩和策で期待が持てると考える人がいるかもしれない。
しかし、一度立ち止まってよくよく考えるとこの金融緩和は単に後手に回ったものである可能性が非常に高いことがわかる。
なぜこのタイミングでPBOCがRRRを25bps引き下げたかというと、それは国債金利・譲渡預金利回り・理財商品利回りが高騰したからである。
ではなぜ金利が高騰したかというと、中国政府がこれまでやってきたふりしか見せてこなかった不動産企業への支援策について実効性のあるものを出したところで、銀行が一斉に不動産企業へ融資したことによってクラウディングアウト効果が発生し、流動性のある短期マーケットや国債市場から銀行が金を引っこ抜いて融資に回してしまったからである。
それを見て慌ててPBOCがちゃんと短期市場を支援すると口先介入したものの、実弾を打ち込まないと信用しないぞと市場は引き続き以前より高い金利動向を示しながら動いていたことから、耐えきれなくなってPBOCはRRRカットに出ざるを得なくなった。
総合的に見ればこれは先手を打った金融緩和ではなく、完全に後手に回った金融緩和で、しかもこれの効果は既に不動産企業融資支援の段階で織り込まれてしまっている。
なので、今回のRRRカットは米国の金融引き締めももうすぐ止まることから本格的に中国は景気を下支えするために積極金融緩和に乗り出した!なんてわけではないことは明白である。
以上を考えると、不動産企業融資支援で株価が反発した分以上の効果はなく、このRRRカットだけで中国・香港株がさらに上昇するなんて可能性は非常に低く、基本的に株価が騰がるとすればさらなる不動産企業融資支援を発表した時だろうと思う。
ただし、さらに拡充させると、より短期流動性がひっ迫して金利高騰を招かないので、結局は本気で不動産企業支援をやろうと思ったら洪水式の金融緩和(しかも量を重視したもの)を行わざるを得ないという結論になるので、果たしてこれまで健全な金融政策を行ってきたという御旗をどれだけ続けられるかは見ものである。
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投資家の中にはこれを見て、よっしゃ金融緩和してきたから中国共産党が景気支援に積極的に転じたので中国・香港株への投資はいけるのではないかと考えるのだが、本当にそうなのだろうか?
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しかし、一度立ち止まってよくよく考えるとこの金融緩和は単に後手に回ったものである可能性が非常に高いことがわかる。
なぜこのタイミングでPBOCがRRRを25bps引き下げたかというと、それは国債金利・譲渡預金利回り・理財商品利回りが高騰したからである。
ではなぜ金利が高騰したかというと、中国政府がこれまでやってきたふりしか見せてこなかった不動産企業への支援策について実効性のあるものを出したところで、銀行が一斉に不動産企業へ融資したことによってクラウディングアウト効果が発生し、流動性のある短期マーケットや国債市場から銀行が金を引っこ抜いて融資に回してしまったからである。
それを見て慌ててPBOCがちゃんと短期市場を支援すると口先介入したものの、実弾を打ち込まないと信用しないぞと市場は引き続き以前より高い金利動向を示しながら動いていたことから、耐えきれなくなってPBOCはRRRカットに出ざるを得なくなった。
総合的に見ればこれは先手を打った金融緩和ではなく、完全に後手に回った金融緩和で、しかもこれの効果は既に不動産企業融資支援の段階で織り込まれてしまっている。
なので、今回のRRRカットは米国の金融引き締めももうすぐ止まることから本格的に中国は景気を下支えするために積極金融緩和に乗り出した!なんてわけではないことは明白である。
以上を考えると、不動産企業融資支援で株価が反発した分以上の効果はなく、このRRRカットだけで中国・香港株がさらに上昇するなんて可能性は非常に低く、基本的に株価が騰がるとすればさらなる不動産企業融資支援を発表した時だろうと思う。
ただし、さらに拡充させると、より短期流動性がひっ迫して金利高騰を招かないので、結局は本気で不動産企業支援をやろうと思ったら洪水式の金融緩和(しかも量を重視したもの)を行わざるを得ないという結論になるので、果たしてこれまで健全な金融政策を行ってきたという御旗をどれだけ続けられるかは見ものである。
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