日銀黒田総裁、金利引き上げ「今すぐとは考えていない」
マイナス金利解除以上は多分当面ない。
ここもとの円安は先進諸国の政策金利引き上げを続けていることもあり、すわ日銀の金融緩和修正もあり得るんじゃないかという観測が立ちつつある。
来年4月までの黒田総裁任期までは修正なさそうだという話だが、その後の次期総裁(雨宮氏)の時はどうなるかわからないんじゃないかという話で、OISで2年後には利上げがあるんじゃないかという数値まで動かしているのも見えている。
ただし、個人的にはマイナス金利解除はあっても、政策金利をプラス領域に引き上げ(0.25%以上)に引き上げてくるのは基本的にはないんではないだろうかと考えている。
過去の例を見るとリーマンショック前に日銀が一回だけ政策金利を引き上げたわけだが、その時は米国の政策金利が5.25%、EUの政策金利が3%だった時に行われた。
つまり、そこに到達するまではリーマンショック前と大して経済構造が変わっていない中で、普通は政策金利を上げる理由はないと考えられる。
既にオーストラリア・カナダと政策金利の引き上げ幅は鈍化させ始めており、ECBも次回は50bpsに鈍化させる可能性も高いと見られ始めている。
米国FRBも高官が12月75bps利上げの観測についての火消しも入っており、最終地点の政策金利はまだ不透明なもののかなり固まりつつある中、米国政策金利5.25%・EU3%というラインには到達しない見込みである。
マネーサプライのM2について見てもあまり金利引き上げの動機は見られない。
一般的に金融引き締めはM2に影響を与えて市場に出回る金を吸収してインフレを抑えるという形だが、日本は特段金融政策を変えていない中で既にM2の伸びがコロナ禍前の平常レベルに戻っており、ここから金融引き締めしてM2をマイナスにつっこませる理由があまりない。
これは米国・欧州もそうで既にM2の伸びがコロナ禍前レベルに大幅鈍化しているわけで、このまま過激利上げをするとマイナスに突っ込んでしまうのでそれは避けたいと思うだろう。
総合インフレも低いが、その分賃金インフレも低くそこが3%も到達していない中で拙速にプラス領域に利上げを急ぐという事情はあまりないように思う。
また以前のブログ記事で書いたが、為替は金融機関はリスクを取っていないので一定程度大きめに下落したところで大した問題は起きないのだが、国債金利の上昇は直接的に金融機関や年金運用にダメージを与えてシステミックリスクを起こすのは英国のドタバタ騒ぎを見ていれば想像に難くない。
特に日本では貸出先がなく、脆弱な地銀がまだ統合しきれておらず、これが終わるまでまともに利上げできるかというとそういうわけにはいかないだろうと思う。
以上を踏まえると、ここ数週間円安に伴って懸念されていた日銀の金融緩和修正観測は、あっても有害なマイナス金利解除ぐらいで、その他はおそらく当面は変更はないだろうと思われる。
YCCについてもいきなり変更をかけて現在イールドカーブから見られている想定レベル0.5-0.7%レベルまで売られることも地銀のポートフォリオにダメージを与えて貸し渋りが発生しかねないことを考えると修正について疑問符である。
それに既に株・社債・JREITの買い入れを減らして既に日銀のバランスシートはゆるやかに減少してきていて、ステルステーパリングはしているわけで、これだけで事足りるという話もありそうである。
ツイッターでは日銀の政策金利引き上げは近いと煽って住宅ローンの変動金利が高くなって不動産価格暴落だと変な煽り方をする人がいるが、そんなこと言っている間にさっさと借りて残債減らし始めれば影響ないレベルまで減らせそうだし、資産サイドに十分な金融資産を持っていればいざとなればそれを一気に繰り上げ返済に回せばいいので、そういった煽りもあまり気にする必要性を感じないと思う。
村越誠の投資の小ネタページはこちら
マイナス金利解除以上は多分当面ない。
ここもとの円安は先進諸国の政策金利引き上げを続けていることもあり、すわ日銀の金融緩和修正もあり得るんじゃないかという観測が立ちつつある。
来年4月までの黒田総裁任期までは修正なさそうだという話だが、その後の次期総裁(雨宮氏)の時はどうなるかわからないんじゃないかという話で、OISで2年後には利上げがあるんじゃないかという数値まで動かしているのも見えている。
ただし、個人的にはマイナス金利解除はあっても、政策金利をプラス領域に引き上げ(0.25%以上)に引き上げてくるのは基本的にはないんではないだろうかと考えている。
過去の例を見るとリーマンショック前に日銀が一回だけ政策金利を引き上げたわけだが、その時は米国の政策金利が5.25%、EUの政策金利が3%だった時に行われた。
つまり、そこに到達するまではリーマンショック前と大して経済構造が変わっていない中で、普通は政策金利を上げる理由はないと考えられる。
既にオーストラリア・カナダと政策金利の引き上げ幅は鈍化させ始めており、ECBも次回は50bpsに鈍化させる可能性も高いと見られ始めている。
米国FRBも高官が12月75bps利上げの観測についての火消しも入っており、最終地点の政策金利はまだ不透明なもののかなり固まりつつある中、米国政策金利5.25%・EU3%というラインには到達しない見込みである。
マネーサプライのM2について見てもあまり金利引き上げの動機は見られない。
一般的に金融引き締めはM2に影響を与えて市場に出回る金を吸収してインフレを抑えるという形だが、日本は特段金融政策を変えていない中で既にM2の伸びがコロナ禍前の平常レベルに戻っており、ここから金融引き締めしてM2をマイナスにつっこませる理由があまりない。
これは米国・欧州もそうで既にM2の伸びがコロナ禍前レベルに大幅鈍化しているわけで、このまま過激利上げをするとマイナスに突っ込んでしまうのでそれは避けたいと思うだろう。
総合インフレも低いが、その分賃金インフレも低くそこが3%も到達していない中で拙速にプラス領域に利上げを急ぐという事情はあまりないように思う。
また以前のブログ記事で書いたが、為替は金融機関はリスクを取っていないので一定程度大きめに下落したところで大した問題は起きないのだが、国債金利の上昇は直接的に金融機関や年金運用にダメージを与えてシステミックリスクを起こすのは英国のドタバタ騒ぎを見ていれば想像に難くない。
特に日本では貸出先がなく、脆弱な地銀がまだ統合しきれておらず、これが終わるまでまともに利上げできるかというとそういうわけにはいかないだろうと思う。
以上を踏まえると、ここ数週間円安に伴って懸念されていた日銀の金融緩和修正観測は、あっても有害なマイナス金利解除ぐらいで、その他はおそらく当面は変更はないだろうと思われる。
YCCについてもいきなり変更をかけて現在イールドカーブから見られている想定レベル0.5-0.7%レベルまで売られることも地銀のポートフォリオにダメージを与えて貸し渋りが発生しかねないことを考えると修正について疑問符である。
それに既に株・社債・JREITの買い入れを減らして既に日銀のバランスシートはゆるやかに減少してきていて、ステルステーパリングはしているわけで、これだけで事足りるという話もありそうである。
ツイッターでは日銀の政策金利引き上げは近いと煽って住宅ローンの変動金利が高くなって不動産価格暴落だと変な煽り方をする人がいるが、そんなこと言っている間にさっさと借りて残債減らし始めれば影響ないレベルまで減らせそうだし、資産サイドに十分な金融資産を持っていればいざとなればそれを一気に繰り上げ返済に回せばいいので、そういった煽りもあまり気にする必要性を感じないと思う。
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