村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2022年03月

テクニカル分析では相場の大底でポジションを構築できない

個人的にはテクニカル分析も使っているが、万能なツールではない。

S&P500を見るとド天井から13%株価が下落した後に11%上昇する形でほとんどの下げを取り返すことに成功した。
当ブログではこの下げ相場過程の中でポジションを取るのであれば米国大型株だと言い続けていたが、概ねこれは正しい判断だったと言えるだろう。

個人的にこの下げ相場と急回復局面で様々な人の意見をツイッターで確認していると、全体としてテクニカル分析に終始してしまっている人ほど「株は買い時ではない」「まだ下落トレンドは変化していない」「戻り売りが狙える」という論調が強い。
これが意味することはテクニカル分析の限界である。

テクニカル分析はあくまで過去の投資参戦した人達がどのようにエントリーしてきたのか・どの辺にポジションが偏っているのか・統計的に割安なのか割高なのかを見る上で度々確認している。
大底の時というのは売らなきゃいけない人が売っている状態にあり、そういう人達はテクニカルなんて完全無視で売っているわけなので、テクニカル分析は順張り系ツールはどれも下落相場途中であることを示すために、テクニカル分析だけ見ても大底なのかどうなのか当てることはできない。
結局大底の時は自分が投資したい国や個別銘柄を特定して、それを盲目的に信じてエイヤーでポジションを取る姿勢を取らなければ大底を取ることはできない。
その大底を取るためにはファンダメンタルズ分析がかかせず、自分が持っているファンダメンタルズ分析から自分が資金を投じてもいいと思えるところに相場がゲロ下がりする中涙目になりながら買いポジションを積んでいくしかない。
デイトレ・スイングトレードが上手い一部の投資家を除けば、大半の個人投資家が現実的に取れる投資手法はこの手法になる。

なので、基本的にはテクニカル分析しか情報提供できる投資情報を持たない投資啓蒙系インフルエンサーは順張りの時はそれっぽい当たり方をするが、大底は往々にして大外しすることは恒例行事だ。
分析する上では色々数値をこねくりまわしたりするなどして頭を使って分析するが、最後に投資エントリーする時はエイヤーだったり俺達は雰囲気で株をやっているというアート的要素を多分に含む。
なので理詰めでテクニカル分析しかやっていない人が一番利幅を取れる大底局面が取れないなんてことは少し考えればすぐわかる話である。

ちなみに個人的に確認しているテクニカル分析は移動平均線・一目均衡表の雲・出来高程度でその他のテクニカル分析は一切見ていない。
RSIなどは単独ではほとんど使えなく、多数の銘柄で計測して統計的にどうなのか計算する形でしか活用しておらず、銘柄単体ではそこらへんのオシレーター系さえ見ていない。
(というか見ても当たらない)
 
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ドルは過大評価だと思うが、為替は理論通りにはいかない

円安が加速、6年3か月ぶり1ドル123円台…日銀「指し値オペ」に市場が反応

全体的に見ると現在はドルの過大評価だと考えている。

昨日は日銀が10年国債の金利を抑えるために指値オペをしたことによって、日米の金融政策の方向性の違いからドル円は一気に円安に進む方向となった。
キャリートレードの一環だよねえとは思うものの、単純なファンダメンタルズを見るとドルの過大評価要因が大きいように思われる。

1,巨額の経常赤字
米国はシェールガスの生産で2018年ぐらいまでは経常赤字が縮小する形で推移し、その数値は久しぶりに対GDP比2%半ばまで縮小した。
しかし、コロナ禍以降の政府の莫大な支出や大盤振る舞い金融政策を背景に超過需要となり、国内で賄いきれない商品をバカスカ輸入しまくっているために一気に経常赤字は対GDP比4%を超える水準に変化してきている。
このことは一般的には通貨安要因となり、現在の日本の少額の経常赤字とは比にならないレベルの増加ペースとなっている。

2,インフレ率
ご存じの通り普通購買力平価説では高いインフレ率の国の通貨は減価するという学説的が一般的だが、 現在の米国の高インフレ率に対してこの流れは完全に無視する流れとなっている。

これらを考えると日本の通貨安要因よりも米国の通貨安要因の方が大きいように見える。

ただし、じゃあ理論的にドルの過大評価が大きいと考えてショートをすればよいかというとそういうわけにはいかないのが為替の世界である。
為替は投資の世界の中でも最も理論から遠いところにある世界で、特にロンドン時間のロンドンにいる山師達はわざとボラティリティを高めようと相場を動かすことが度々ある。
(アジア・米国勢はそこまで普通はガッツがない。)

さらにロシアのウクライナ侵攻の話で、世界の中でどの通貨が一番安全かと言われるとそれは一番軍事力を保持している米国のドルだという理論にも辿り着いている。
これに加えて上述したように政策金利上昇による各通貨に対するキャリートレードがはかどっていることも要因としてある。

このブログでは当の本人がからっきし為替については投資判断がウンコであることから断言的なことはほとんど言えないが、少なくともドルはサブプライムバブルの時に見たキャリートレードの復活なのかなというのを久々に見た気がする。
まあドルが高い分には米株を保有している身として十分であるものの、キャリートレードが崩壊するポイントはどこなのかはすぐにとは言わずとも、おいおい考えていきたいところだとは思う。
 
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円安でも日本株が上昇反応していない理由


いや、単に出遅れなだけだから。

上記の通りジョージソロスに日本国債売りを推奨して損をさせたためにお払い箱にされて以降、日本の高齢者に日本財政破綻を吹聴して生活費を稼いでいる(FTでまんまそう書かれて笑うw)藤巻氏が円安なのに株価が上がっていないのでスタグフレだと騒いでいる。

https://www.ft.com/content/73a989a2-e11a-11e1-9c72-00144feab49a

タイトルなし

(こんなんグローバル英字ニュースで書かれたら恥ずかしくて死ぬ)

しかし、これは日本株の特徴を念頭に入れておかないと勘違いしやすい。

世界の株投資の中心はやはり米国株である。
なので、みんな十分なポジションを保有していない時というのはまず米国株からポジションを積み増していく。
逆にいうと相場が下がる上では米国株を手放すのは最後の最後である。

日本株は十分に米国株のポジションを保有した後に検討される性格を有する。
そのため米国株が上昇しているのに日本株が上昇しないということは往々に発生しうる。
しかし一度日本株への投資を検討された場合には米国株と比べて市場規模が小さい日本株にどかっと資金が一気に入ってくる。
そのため、出遅れていた日本株がこれまでの米国株の上昇スピードの3倍近くのスピードで駆け上がっていき、これまで先物売りやインバースETFのポジションを保有していた人間を焼き尽くして上昇していく。
逆に言うと日本株はこの3倍近くのスピードで上がる上昇局面で保有できなければほとんどリターンは稼げないためになかなか難しいアセットカテゴリだと思う次第だ。
(個人的には日本株より配当金が常に期待できるJREITの方が3年移動平均線以下まで売られて配当利回り4%になれば買えばいいだけなのでそちらの方が難易度が低いように思う。)

なので、米国株上がってるのに円安なってるのに日本株上がってねーじゃねーか(ブチギレ)とかして変にショートしたりすると、その後豪快に焼かれて二度死ぬみたいなことは普通に起こるので(かつて岐阜暴威氏とかManager2525とか同じような焼かれ方した記憶がある)個人的にはどこかのタイミングで3倍速で上昇する日本株を短期にはエントリーして抜きたいよねえと思う次第である。(できるならばという話だが)
 
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米国政策金利引き上げで投資妙味が高まるJREIT

米ドル保有者から見たらそのうち実質配当利回り5%はおいしいと思う。

ここまで下記参考記事以降顔面つっこみつつひーひー言いながらJREITをナンピンしていた。

【過去参考記事】

地銀勢の米債損失補填損切り売りでJREITは好バリュエーションに向かう

それがここ数日ようやく報われる形で上昇してきた。

【東証REIT指数のチャート】
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この値動きを見るとJREITについては地銀勢が戻ってきたのだろうか?
個人的にはそう考えてはいない。
なぜなら未だ米国債やフランス国債の金利は上昇を続けており、引き続き地銀の外債ポートフォリオは傷ついているはずで、容易にリスク資産に手を出せる状況にはないと思っている。
そうなるとこの買い主体は外国人投資家となるだろう。
では外国人投資家はどのような論理でJREITを買っているのか?

その要因とはFRBの政策金利引き上げにあると考えている。
その理屈はこうだ。

世界の中でのREIT市場では米国REITが圧倒的に大きく、次に欧州・日本・豪州がごっちゃにいるような世界である。
そのような市場で米金利上昇によって徐々にREITの中でもJREITは有利な位置に変化しつつある。
理由は米国人から見た時のJREITの利回りが上昇しているからである。
米国REITはそのまま投資すると配当利回り2~3%しかなく、かつ米金利上昇によって配当利回りと国債利回りの差が薄くなり、徐々に投資妙味として微妙な位置づけになりつつある。
インフレによって家賃上昇が期待できるとはいっても、家賃の上昇でいきなり利回りが4・5%になるとは考えづらい。

一方でJREITは日銀が金融緩和姿勢を継続していることにより、10年あたりの国債利回りとJREITの配当利回りがいつまでたっても縮小しない。
これに加えて米国の政策金利引き上げによって、米ドル保有者から見ればJREITを購入してこれをドルヘッジするとJREITの配当利回り+為替ヘッジプレミアムがもらえるのである。
現在JREITの配当利回りは3.7%付近で、為替ヘッジプレミアムは0.4%ぐらいのはずなのであわせると4%ちょっともらえる。
そしてこの為替ヘッジプレミアムはFRBが利上げをすればするほど拡大する。
仮に4回ぐらい利上げして為替ヘッジプレミアムが1.5%ぐらいもらえるレベルになれば、JREIT購入+ドルヘッジで5%を超える配当利回りを得られる。
これは米国ハイイールド債と同等程度の利回りになる。
しかも、これは日銀のYCCアンカーと為替ヘッジプレミアムは変動であるため米国の固定利付債を買うより金利上昇リスクという点では堅い。

以上を考慮すると利回り4%で放置されたここ1か月は絶好の買い場であったことは容易に想像できただろうと思う。
もちろん米国株みたいな爆発力はないが、今回の相場ではJREITのミドルリスクミドルリターンの特性がよく出ていたと思う。

まあ結果論ではあったが、インフレが叫ばれる中で3年移動平均線以下に位置していたJREITはやはり目を瞑って利回り4パー教を信じて買ってれば大怪我することはなかったですねというオチである。
 
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このブログでインバースETFを推奨しない理由

売りの失敗は買いの失敗の数百倍心理的ダメージは深い。

ツイッターやYouTubeで、相場の下落に対してインバースETFを推奨するような人がいたり、コメントなどで「インバースETFを買いました!」というコメントに対していいねボタンを押すなどといったインバースETF買いを推奨するかのような動きをしている人もいる。

しかし個人的にはインバースETFは多くの投資家が見るチャネルで推奨すべきものではないし、投資経験者でも中級者レベルでも触るべきではないものにカテゴライズされていると考えている。

まずインバースETFはコスト面で割に合わない。
インバースETFの中身は基本的に先物の売りを使ったものになるのだが、毎日実質的に値洗いしていることもあり、相場上昇が続くと単純な先物売りよりも多大なコストがかかる。
そのうえインバースETF自体が高い信託報酬を取っているため、この面でもコスト面で負ける。
ちなみに米国の政策金利が上昇してきていることもあり、単純な先物売りコストも高くなっていることもインバースETFを減価を速める理由の一つになっている。

またタイミング面でもインバースETFは難しい。
個人的にいくつかYoutubeの動画を見てるとテクニカルで底は当てられるという傲慢とも言える言説を真面目に受け止めてしまっている人がいるが、実際はそんなことはなく大抵は下がっている最中にひーひー涙目になりながら顔面から突っ込む形で買っていて気づいたら戻っていてよかったですねー(白目)になるケースがほとんどだ。

結局コスト面・タイミング面を考慮するとインバースETFは非常に割に合わない勝負なのである。
さらに取引形態が難しいタイプの資産のインバースETFほど割に合わず、例えば中国株ベア3倍のYANGはまだ元指数が全然戻っていないが、インバースETFの運用コストが重たいがために既に中国株下落で取れた分を全部吐き出している。

【YANGのチャート】
タイトルなし


なのでいわゆる慎重派を標榜するこのブログでは基本的にはインバースETFを使っての投資というのは推奨しない。
また買いでやられた場合は無謀な夢を見た結果だからまあしゃあないぐらいで諦めはつくが、一方でインバース投資して焼かれた場合は大多数の人間が儲かっている中で一人お金を減らすことになるのでその時の恨みは買いでやられる数百倍でかい。
またインバースでやられると大事な底値の部分においてこの相場はおかしいという思考に囚われてしまい全部見送る可能性が高くなってしまう。

このようにこのブログでの基本的な投資スタンスは買うか買わないかの2つであり、売りは最初から選択肢からは放棄することによって他のことに頭を回せるようにしている。
そして上手く立ち回るために、このブログでは常にどれを買えば安全なのか・どれを買ってはいけないのかを中心的な戦略としている。
 
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村越誠

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