村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2021年12月

来年の相場予想について(パート④)

今年も1年ほぼ毎日ブログ記事を書いてきましたが、来年も引き続き頑張っていこうと思いますので皆さまよろしくお願いいたします。

ド年末ですが、まだいくつか来年の予想テーマが思いついたので、今年最後の記事でパート④まで記載します。

・半導体不足によるサプライチェーン問題は緩和に向かい始める。
今年の半導体不足は、同じ半導体メーカーにも影響を与え、マイクロンはメモリが他の半導体不足でPCなどの最終製品が出荷できないために在庫がだぶついていると決算説明会で話したために、メモリ周りを中心に半導体の株価もやや怪しい雰囲気な動きとなっていた。
しかし以前にブログ記事にした通りマイクロンがここにきて最終製品出荷が進み始めたと言及し始め、どうやら半導体不足はピークを越えたなという確信がマーケットに浸透してきた。
これで来年のサプライチェーン問題は今年はマシそうだというのが予想できそうだ。

・REITは為替変動を考慮しなければ米国REITがやや有利
投資の中ではREITも投資対象にしている人はいるだろう。
REITについても色々考えていると、為替変動を考慮しなければ米国REITがやや有利なように思える。
理由としては家賃の上昇にある。
欧州ではまだインフレの大半はエネルギーコストの上昇からきているが、米国は給料・家賃インフレが発生しており、一時的なインフレではなくやや粘り強いインフレに変化していると見られている。
そこでキーポイントになるのが家賃インフレで、家賃インフレは基本的にREITにプラスに働く。
通常はこういう地合いの時は金利上昇がREIT価格にネガティブで働くが、長期金利がこのインフレ下でも世界的な金余りを背景に金融機関が余資をなるべく利ザヤを取れるところに集めようと米債を買っていることもあり、長期金利の上昇が見られていない中で家賃インフレが直接的にREITにプラスに働く。
一方で日本・欧州ではまだ家賃インフレというところにまでは至っていないので、この差分だけが米国REITにプラスに働く理由である。
ただ、通常は低金利+高インフレの組み合わせは為替安に働くというのが常識で、REITのこの差は通常は為替安で帳消しにされるはずなのだが、現在の米ドルはこの常識が全く通用しない状態になっており、おそらく機関投資家の間でも相当どはまりしてしまっている人は多いと思う。

・為替は予想が難しくノーアイデア
前述した通り、米ドルがこの高インフレ+低インフレの組み合わせにもかかわらず相当強い動きを見せていることは不思議な状態のうちの一つである。
これは米国株・米債に対する高い需要が続いており、これがインフレ分の差を帳消しにして動いているということだろう。
これは米国株が高値更新を続ける限りは続く可能性がありそうだが、なかなか予想がしづらいところだと思う。
なので一旦為替についてはわからないとだけ言及しておこうと思う。

・住宅価格は来年も中国を除けば堅調推移
基本的に低金利が続く中で、このブログ読者ならお察しの通り住宅価格は堅調推移が続くだろう。
日本では住宅価格は現在晴海フラッグの大売り出しが行われており、これが都心の需要をやや吸い取っている側面があるため、晴海フラッグ大売り出しが終わるまでやや価格はこれまでの上昇率より低めという流れが出てきそうだ。
しかし、在庫水準は相変わらず低く、売り手側は全然売り急いでいない。
そのため、晴海フラッグ大売り出しが終わってしまうと再び需給のひっ迫度合いが高まる可能性があり、住宅を買うなら皆が晴海フラッグに気を取られている隙に買うのが無難だと思う。(ファミリー向け限定)
一方で日本では単身者向けは現在かなり需給が緩いらしく、新築1ルームマンション投資はどう考えても採算が成り立つようには見えない。

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来年の市場予想について(パート③)

来年の市場予想パート3です。

・米債金利は 短期不安定で上昇余地はあるが、長期はレンジ内
来年はFRBの金融引き締めが本格化するということで、相場への影響はともかくとしてニュースとしては常に話題になりそうだ。
ただインフレ率も高く金融引き締めもするという割に長期金利の上昇は世界的な資金あまりを背景に長期金利は適当に買っとけという流れが続きそうだ。
QT(FRBのバランスシート縮小)についても色々議論されているが、色んな報道を見ているとQTやっても米国債10年金利へのインパクトは0.3~0.5%ぐらいの範囲なのではないかと試算されているケースが多い。
短期はどうしても政策金利のしばりがあるのでじわじわ押し上げられるが、住宅価格がぐらつくまでは基本的にテーパリングが終わったら3ヵ月に1回ぐらいのペースでQTをやるまで米国は政策金利を引き上げていくという流れになりそうだ。

・EVセクターがどこまでバリュエーションを伸ばせるか
日本電産の決算説明会の中で永守氏が「EVは低価格路線で、今まで車を買えなかった層の人達が買えるビッグなビジネスになる」と豪語している。
理論としてはガソリンスタンドなどを整備できないような新興国地方でも電気さえ通っていれば充電して日常使いとして使用できるEVがもし安価ででてくれば爆発的に市場はでかくなるという理論である。
ウェブでの決算説明会で聞いた限りはもはや予想というよりは予言に近いような言い方である。
これまで自動車を買えなかった層に数千万台という規模で出る可能性まで見ているとのことだ。
一方価格面は50万円以下とこれまでの自動車では考えられないような低価格になるとのことだ。
これらを総合して考えると、最終メーカーよりも部材メーカーの方が利益が厚いかもしれないとも考えた。
ただし、まだ中長期テーマということもあり、2022年にどこまでこの話が企業バリュエーションに評価されるかはやや未知数だ。

・コロナウィルスのニュースは直接的にダメージを受けるセクター以外は影響なし
コロナウィルスの世界的な伝染から3年目となり、スペイン風邪の歴史を考えると新種の伝染病に関する話は後半戦となっている。
加えて変異株に対しても随時ワクチンが開発される算段がついている。
欧州はともかく米国はもうコロナウィルス感染者数が増えても一切強制ロックダウンをしようなどというのは考えていないのが現状だ。
もちろんツアーリズムなど直接的に制限を科されているところは引き続き十分な利益を稼げないのでどうしようもないが、それ以外では正常化はほぼ済んでいるという認識だろう。

もし追加予想ネタがあれば後日パート④に続く。

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来年の相場予想について(パート②)

昨日に続いて来年の相場予想。

・習近平の馬鹿経済政策で中国経済・株はぱっとしない状況が継続
今年7月から続いた習近平政権の馬鹿経済政策で、これまで外国人投資家が熱心に投資してきた中国ハイテク株が全滅し、マクロ経済上大量に借入金を起こすセクターのために重要性の高い不動産が規制強化でばたばたとデベロッパーが死に、本当にやばいことになれば多少は規制を緩める可能性はある。
ただし、決して以前の姿に戻る可能性は非常に低く、なぜなら習近平が独裁性を敷く中でトップダウンで決めてきた政策であるため、以前の姿に戻すことは実質的な政治的敗北であり、独裁でそのような姿勢を取るわけはないのでこれまで人気だった中国ハイテク株が復活するなどということは中国の政治環境をきちんと調べた人間は既にないだろうと見切っているはずである。
習近平3期目決定で、もうあんなプーさん似の意味不明なおじさんに付き合う義理はないわということで、国内への直接投資ならともかく外国人の証券投資はからっきし駄目みたいな感じが続くだろう。

・日本含めアジア株は全体として中国経済のグダグダにやや足を引っ張られる展開
中国以外のアジア国についても中国経済の軟調の影響は受けざるをえないのが現状だろう。
日本含めいずれの国も中国への輸出や内需で稼いでいる国ばかりである。
米国経済は堅調なものの、中国のマイナス分によって企業利益の伸びは劣後し、どうしても米国株に劣後しがちになる可能性が高い。
日本株を触るならインデックスよりもやはり個別株で、米国株にはない特色を持つ銘柄をチョイスすべきだろうと思う。

・欧州は地政学リスクの伴うノルドストリーム2の稼働延期が重し
現在地政学リスクの煽りを最も受けているのが欧州である。
どうしてもNATOのミサイル配備を自分の領土から遠ざけたいロシアと、ロシアに対してなめんなと意固地になりがちな米国民主党のぶつかりあいで、欧州は本来もうこの時期には稼働しているノルドストリーム2というガスパイプラインからガス供給を受けている手筈がまだ稼働しておらず、そのためガス供給ひっ迫で無駄にエネルギーコストを払っている状態になっている。
欧州企業は全体としてこの高エネルギーコストに利益を削られる展開になり、これも米国株が他国よりパフォーマンスが良さそうだと思える理由の一つになっている。

・資源輸出もないアジア以外の新興国は高インフレ・経常赤字に苦しむ
グローバルでみればドベ新興国の負債金額なんてソフトバンク一社にも満たない金額なので、直接的にポジションを張っているなら気にすべきだろうが、特にポジションがなければ世界経済への影響もほとんどなく特段気にするような話でもないだろうと思う。

明日パート③へ続く。

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来年の相場予想について(パート①)

さてほぼ今年の相場も終わりということで来年の相場のコンセプトを考えなければと思う。
この一年の記事も見ながら個人的に考えた投資見立てを書いていきたい。
かなり分量が多いので2パートに分けて書きたいと思う。

・世界中の個人投資家の爆買いに支えられる米国株
これは以前のブログ記事でも書いたが、明らかに米国株に対する世界の個人投資家の積立買いはすさまじい。
米国国内の個人投資家だけでなく、日本をはじめ韓国などのアジア個人投資家も熱心に米国株をバンバン買っているのが現状である。
個人投資家は劇的に金利水準が変化しない・どこかでかい金融機関が飛んで相場がめちゃくちゃになるという話でなければ引き続き米国株相場を牽引する流れになるだろう。
一方で、米国株以外は個人投資家の熱心度は大きく下がるため、米国株>その他各国株という流れが続くことは今年と変わらないと思う。

・機関投資家の銘柄選別は引き続き強まる流れ
先進各国でこれまでの金融緩和姿勢から金融引き締め姿勢になっていく中で、個人投資家はよっぽど劇的な金利引き上げがなければ金融政策なんてまともに見ずに投資をする一方で、機関投資家は必ず金融政策とセットでポジションを決めてくる。
そのため、最も世界の相場に影響力を持っているFRBが来年政策金利引き上げ・QT(バランスシートの縮小)を行ってくる中で、でたらめ銘柄のポジションは持てねーだろということで、参入障壁が低い・金になる可能性が低いという偽グロースは引き続き苦しい展開を強いられそうだ。
特に次の項目で後述するシクリカル銘柄の下値不安が低くて投資しやすい環境で、クソ偽グロース銘柄に機関投資家がわざわざポジションをそこまで再び厚くする理由を見出しにくい。

・2011年~2020年まで全く駄目であったシクリカル銘柄は底堅い動き
これは2020年の時考えていた経済環境から大きく状況は変化したと思われる。
2011年~2020年まではいってみればリーマンショック前に考えられていた過剰消費の伸びを前提とした投資がどんどん完成して供給>需要という展開が続く流れであった。
特に中国が政府資金を使ってめちゃくちゃに供給を増やしてきたことから世界中のシクリカル銘柄プレイヤーは苦しんできた。
しかし、9年間をかけて供給が調整しきって、コロナ禍もあり投資による供給増が未だ見込みづらい状況になっている。
特にこれまでの過剰供給の現況であった中国が習近平のデレバレッジ政策のおかけで供給を増やせなくなっていることは、中国以外の企業にとっては大きくプラスに働いている。
どちらかというと買収を通じてさらに再編させていく流れの方が強い。
そのため2011~2020年と比較するとこれまで苦しんできた資源・鉄鋼・化学・金属関連・石油精製などは高いリターンは取れずともこれまでの流れと比べると下値不安はかなり薄いものとなり、意外とバリュー銘柄でもぼちぼちみたいなリターンが取れる感じだと思う。

明日パート2へ続く。

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トルコリラの一時反転はお触り厳禁

日本のデイトレーダー、トルコ・リラ取引にそろり回帰

一時的に上手くいっても基本的には大半は損して終わる。

高インフレからのエルドアンの意味不明な金融緩和続行からトルコリラは大幅安が続いていたが、国内での外貨取引規制強化などから強烈なトルコリラ売りが一時的に大幅反発する展開となり、上記ブルームバーグ記事にある通り一部ミセスワタナベこと日本の個人投資家が高金利につられてトルコリラ取引を増やしているのではないかという記事が出てきている。

【トルコリラ円のチャート】
タイトルなし

個人的には本当に短期取引が上手い人はともかくとして、中長期投資なんて考えて投資している人は悪いことは言わないから目の前の値動きにつられてポジションを取ろうとするのはやめとけと言いたい。

なぜトルコリラに投資してはいけないのかのエッセンスは全て下記過去参考記事に書いてあるが、要点だけここに記述しておきたいと思う。

【過去参考記事】
新興国経済を見る上で重要な「国際収支の天井」という概念
 ↑
上記記事を読むだけでも新興国投資をする中で、投資してもいい国と駄目な国を見分けることが可能になる。

トルコの最大の問題はインフレというよりも経常赤字にある。
トルコは経常赤字を埋めるために足の速い証券投資でなんとか埋めている状況だが、高インフレかつエルドアン大統領の意味不明低金利政策で経常赤字は一向に減らず、途中から自国民が自国通貨安を嫌って外貨に換える動きが加速し、今のような状況になっている。
根本的には経常赤字を縮小させるための輸出促進・輸入縮小の手立てをうたなければいけないのだが、輸出促進なんてできるんだったら最初からしているわけで大抵の新興国が取る手段は輸入縮小である。
しかしエルドアン大統領がこれをする気がないことが現在のトルコリラ爆安の原因になっており、これはまだ解決目処が立っていない。
まだまだトルコリラから外貨に換えたいと思っている個人や金融機関は多いことが想定されることに変化はないだろう。

なのでトルコリラのFX投資なんてのは引き続き個人が取り組むような投資ではないし、短期ならともかく中長期でとか考えている人は破滅するだけなのでやめた方がいいというのがここ10年の個人的な結論になる。
トルコリラに触れるとしたらやはりエルドアン大統領が失脚して、まともに経常赤字を縮小させる方向に向かってからだと思われる。

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プロフィール

村越誠

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