村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2021年04月

中国の不良債権買取会社の問題は一旦火消しの方向

China's Huarong eases debt fears with bond payments

一旦様子見るけど、想像より悪い反応で結局引っ込めるっていういつものパターン。

前CEOをとりあえず色んな罪状おっかぶせて死刑にはしたものの、まあそれだけで問題が解決するわけではなく、資金サポートするのかしないのかで揉めて3月末締め決算の発表を延期させたことにより、市場参加者が疑心暗鬼になりフアロンの米ドル建て社債だけでなく、中国本土株にまで影響が出る始末となった。
しばらくは中国政府もフアロンの尻拭いはそれなりに時間・金額がかかるということもあり、当初は損失を一定程度フアロンに負担させるということも考えたのかもしれない。
しかし、それによってフアロンだけでなく、他の国営企業でも同様な状態でもしかすると損失が出るのかもしれないと投資家が恐怖し、本土株にまで影響が出るレベルで信用不安が増大していった。

そのため、結局中国政府側がこらえきれずに「フアロンの資産はしっかりしているし流動性もある(暗にそういう処理ができるように中国政府がサポートする)」と声明文を出すことになり、これをきっかけにようやく本土株は安定感を取り戻した。

このフアロンという不良債権買取会社は企業自体の情報開示状況が悪く、詳しくこの企業の信用状況を調べられない中で唯一の信用の支えとなっているのが、この不良債権買い取り会社は中国政府直下の組織であることだけである。
これがなければそもそもこの会社が存続することさえ難しい。
そしてこれはフアロンだけでなく、その他の不良債権買取会社・中小銀行・よくわからないLGFVなど一部民間企業を除けば外貨建て債券を発行している企業のかなりの割合が同様な信用状況である。
もしこれでフアロンのサポートを中国政府がしないとなれば、中国政府のサポートが最大の拠り所であったわけなので、大規模にこうした情報開示の悪い銘柄の信用力は急速に落ちる。
中国政府としては無駄金を使いたくないので、一旦ジャブ的な形で政府はフアロンの責を負わないとにおわせてみたが、それによって普通に本土株にまで影響がクリーンヒットしているのを見て、さすがにこれは逃げるのは無理だと悟ったものと思われる。

一応このフアロンの問題はほぼ決着が着いたように見えるが、結局中国政府にとってのアキレス腱はこうした国営企業が暗黙の保障をいいことに好き勝手やった挙句、巨大な債務の山を積み上げて爆死すること、そしてそれを中国政府が支えきれなくなることにあると思われる。
これにて一旦中国本土株の下落は止まったものと思われる。

資産運用ならdポイントももらえるTHEO+[テオプラス] docomo! 

ゆるりと低下した米債超長期金利も下げ止まりの兆し

米国金利上昇を構造分析、長期金利はそろそろピークアウトへ

ダイヤモンドオンラインでこんなこと書かれると逆にボトムっぽい。

30年金利について天井は2.5-2.7%の間だろうとこのブログでは繰り返し言及してきた。
財政拡張前提としたインフレによる金利高というシナリオ自体がそもそもそんな長く続くものではないと思っていたので、ここは当然だろうと思う。
そのことをパウエル議長も認識しているし、財政拡張政策が無限に続くわけではないのでインフレは財政拡張策が終われば自然と落ち着く一時的な現象だし、そういったことを考慮すると量的金融緩和を撤収させるという話は今すべきものでもないという判断も至極真っ当なもので、これをメディアには繰り返し述べて強調している。
そして、その話がようやく市場に浸透したものと思われ、そして金利がゆるやかに低下していっている要因となっている。

ただここからさらに金利が下がると考えるのはやや調子に乗りすぎな考え方だと思われる。
金利がこれ以上下がるとようやく少し適正レベルに落ち着きの兆しを見せ始めた米国不動産価格が再び急伸を続けかねない。
過去に不動産バブルをやらかして盛大に爆死したことを考えれば、あまりにも行き過ぎればFRBも看過することは難しいだろう。
そうなるといよいよ本当に財政支出拡張を進めながら量的金融緩和を撤収するというぎくしゃくな政策が発動されかねない。
これは相場にとっては非常に厳しい悪材料になるし、一気に不透明感が高まりかねない要因である。

以上を考慮すると、30年金利が2%を割れて動くようなことはやや考えづらいと思われる。
現在ブレークイーブン30年が2.23%なのでほぼどんぴしゃの位置に30年金利は落ち着き、実質金利がマイナスになれば再びモーゲージ需要が増加して再び金利を押し上げようという動きになるだろう。
30年金利が2%を割れないようであれば、自然とそこからイールドカーブのヒストリカルの限界を考えれば10年金利・5年金利の下げの居所もいったんは決まるように思われる。
今更ダイヤモンドオンラインが米金利のピークアウトとか言い始めて、一般的なビジネスマンにも金利低下認識が浸透しているなら、やはりここからさらに急速に金利が下がっていくと考えるのはやや行き過ぎた考え方だと思われる。
大体当ブログで当たっている内容のものはマスメディアに対して約1-1ヵ月半程度先行して記事にしているので、まあ大体こんなもんではないかと個人的には考えている。

一般的にはこの金利が居心地のよい低い水準でとどまって推移する相場をゴルディロックス相場という。 

資産運用ならdポイントももらえるTHEO+[テオプラス] docomo! 

日経新聞の読み方と読む意味について

自分なりの日経新聞の読み方。

ここ数年社会人に成りたてとか大学生などに日経新聞は読まずに意識高い系(笑)ネット記事しか読んでいないという人がちらほらいるらしい。
まあ社会人成り立てとか大学生ならまだ許せるけど、下手すると中年のくせにそんなやつもいたりとかするというのもツイッターではちらほら見かける。
今回は自分なりの日経新聞を読む意味について書いておきたいと思う。

日経新聞の読み方とは、ずばり答え合わせなのである。
日経新聞は日本語で総括的な経済ニュースが見れる中では少なくともどの媒体よりも一番真面目に報道をしている。
(というより他のレベル感がひどすぎる。スマニューとかニュースピックとか〇〇オンラインとかしか読んでない人はすべからく不合格)

常に自分がウォッチし、 予想したものがその後日経新聞に時差があって出てきた時は自分の物事の考え方・予想が正しいものだと認識することができる。
これにより、その前に仕込んだポジションや投資行動というのが正解であったことが確認ができる。

新聞報道記事出てからの実際の投資行動が役に立たないパターンはこれは新聞ビジネスの構造上しょうがないのである。
なぜなら社会的に影響力がいくらネットで弱まったとはいえそれなりにまだ力を持っている中で、事実を確認できないような記事を書くことは御法度中の御法度である。
しかし、実際の投資行動は状況があやふやな状況が最もベストタイミングであり、なので一般的には日経新聞に記事が載ったら相場は終わりと言われる所以である。

これは日経新聞だけでなく、FTでもウォールストリートジャーナルでも基本的には同じ読み方である。

この

「自分の頭で予想する→日経新聞・FTなどを読んで事実を確認する」

というプロセスが一番重要で、これを繰り返すことが相場大局観を養う上で重要だと思っている。

伝統的経済雑誌はもちろんひどい記事もあるが、少なくとも大半は多くの人間がきちんと取材して内容を確認して掲載されているものであり、こうした答え合わせを行うのには非常に重宝されてしかるべきものだと思っている。
一方でスマニュー・ニュースピック・〇〇オンラインなどは中身を内部者が誰も確認していないゴミ記事が9割9分で、事実だと当の本人が思って書いてあることさえ間違っていることが多々ある。
あくまでこうしたネット媒体のものはあくまで新しいネタやヒントを見つけるためにゴミの中から投資のネタの宝石を見つけるために時々ふらっと立ち寄るもので、これだけを真剣に読んで世の中の潮流を知るなんて考え方は非常にバカげていると個人的には思っている。

まあ一番大切なのは常に自分の頭で物事を予想しておき、常に答え合わせをしていくという行為であることは間違いない。

資産運用ならdポイントももらえるTHEO+[テオプラス] docomo! 

シェールガスオイル投資からPEが撤退したため開発は再開されず

US oil drillers ‘dying on the vine’ as PE flight prompts funding drought

そういうことだったのねと。

原油価格はWTIベースで既に60USDに達しているということもあり、すでにシェールガスは損益分岐点より上の価格で原油価格を販売できるはずなのに、ベーカーヒューズのリグカウントを見ていると戻りが鈍いのが見えていた。

<ベーカーヒューズ水平リグ稼働数>
タイトルなし

<出所元>
https://muragoeinvest.com/oil

これはなんでだろうと思っていたが、上記FTの記事でようやく理由がわかった次第だ。

シェールガス開発勢は新興勢力が多く、手元資金がない中でプライベートエクイティファンドからの出資と銀行からの借り入れによって開発資金を迅速に確保し、拡大を進めていた。
しかし2016年大暴落以降はまず銀行が融資でそこそこダメージを受けたことから、手を引き始めた。
しかし上記FT記事を見るとプライベートエクイティファンドは手を引かず、粘り強く資金の拠出を継続していた。
しかし、プライベートエクイティファンドもコロナウィルスによる原油価格暴落でついにバンザイをし、一気にシェールガスから手を引くことになったとのことだ。
上場すればワンチャンイグジットということでだいぶ粘っていたのだが、ESGでシェールガスも叩かれる例が増えてきたということもあり上場イグジットも難しくなり、大手原油開発業者も何度も繰り返し発生する暴落で買収どころの話でなくなってしまったため、ここで2020年で夢破れるという形になった次第だ。
2021年になって予想外に原油価格は劇的な回復を遂げたが、それでも完全に資金の出し手がいなくなったことから、開発したくても誰も資金を融通してくれず、開発資金を集めることができないという状態だということだ。

これを考慮すると米国で再度プライベートエクイティファンドや銀行が資金の融通を行わない限りは損益分岐点以上の原油価格になったとしても、開発の資金を得ることができずすぐには生産の開始をすることはないだろう。
足元でサウジアラビアがここまで比較的原油価格が回復してきたのに減産維持と意固地になっていたところからやや減産緩和に転じてきたのは、この情報をいち早く掴んでいたからではないかと思う。

ということでプライベートエクイティファンドと銀行が再びシェールガス勢に資金を融通するまでは想像よりも堅調な原油価格が続きそうな雰囲気がする。
急速に価格を切り上げながら上昇するわけではないと思うが、不思議と底値が固いみたいな動きになるのではなかろうか。
あとは米国の財政拡張策がいつまで続くか次第だろう。
 

財政拡張策の撤収前にテーパリングというのに違和感

セントルイス連銀総裁、ワクチン接種率75%がテーパリング検討の目安

アクセルとブレーキ同時に踏むのはおかしくないか?

米国では足下で超過需要やインフレ率の上昇などが話題になり始め、市場の予想もFRBがいつテーパリングを始めるかというところに焦点があたりはじめている。
3月時点では2022年だろうと言われていて、2023年利上げのロードマップを考えれば妥当な範囲だろうと思っていた。

しかし、これが4月段階でCPIとPPIがやや上振れてきたということもあり、このテーパリングの時期が今年夏~秋頃なのではないかというのが噂され始め、市場でコンセンサスができ始めているようだ。

これについては個人的にはやや違和感がある。
なぜかというと財政を盛大に吹かしながらの段階で金融緩和を縮小させるというのがどうにも解せない。
金融緩和は言ってみれば安上がりな景気浮揚ツールで、実際に多大なコストがかかる財政の前にまずは実行されるのが通常である。
なので撤収させるときもまずは吹かした財政を撤収させて、それでも景気が盛り上がっていくなら徐々に金融緩和を撤収させるというのが普通の考え方である。
これについてはこのブログでも何回か米債金利の予想を記事にしたときに書いており、基本的には財政拡張政策撤収→テーパリング→政策金利引き上げの順番になるのが筋である。

しかしテーパリングが今年半ばだとまだ財政を吹かしている最中に金融緩和を撤収させるということで、財政でムダ金をばらまきながら景気上昇を抑制させるというなんともちぐはぐな政策となってしまう。
元々パウエル議長も過去のコロナウィルス真っただ中のFOMCミーティングにてFRBは金融緩和で使えるツールは全て使ったのであとは財政で景気をどうにかするしかないと発言している。
金融緩和はあくまで財政拡張政策を支えるためのツールだと認識されている。
なのに財政拡張策をふいにするような金融緩和撤収を始めるというのがどうにも違和感をぬぐえない。
まあもしかすると金融緩和だと資産保持者ばかりに恩恵があって格差が拡大するので、財政で低所得者に支給しながら高所得のところは多少絞めておこうという動きなのかもしれないが、これは今の段階ではこれで合っているとは言い難い。

来年テーパリングなら景気の持ち直しが十分に確認されて財政はほどほどにしておきましょうという議論ができるはずで、その段階でテーパリングなら綺麗な形になる。
なので、個人的には今年夏~秋ごろにテーパリングが始まるという市場コンセンサスについてはまだ疑いを持った状態で市場を観察している。

なお、テーパリングが起こった場合には超長期債より10年未満のところが急激に30年債ゾーンに近づくというフラット化になるはずなので、意外と超長期債についてはそこまでリスクは高くなく、一方で短期ゾーンの方にリスクがあると感じている。

資産運用ならdポイントももらえるTHEO+[テオプラス] docomo! 

記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

プロフィール

村越誠

投資に関して気づいたことのメモをしていく。 ご連絡の取りたい方は、makoto.muragoe★gmail.comまで(★を@に変換してください)
ツイッターで更新情報配信