村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2021年03月

さすがに勢いが鈍り始めた米国住宅関連指標

米住宅着工・許可件数(21年2月)-着工・許可件数ともに前月比で大幅に減少。悪天候に加え、木材価格、住宅ローン金利の上昇が影響した可能性

さすがに鈍って当然だが、これが金利上昇の歯止めになる。

未だ金利上昇が目下相場の焦点となっている中で、当ブログでは米債金利上昇は米国不動産市況状況がキーポイントとなっており、ここが減速感が出てくれば金利上昇テンションは次第に収まってくるだろうと想定していることに言及してきた。

<過去参考記事>

超長期金利上昇が続く背景


そこで3/16に発表されている2月分の新規住宅着工件数と建設許可件数の数値に注目したい。

<新規住宅着工件数>
タイトルなし



<建設許可件数>
タイトルなし

https://muragoeinvest.com/property

3%を切る30年モーゲージジャンボローンによって一気に米国住宅市場は活況化していった。
しかし1月終わりごろからモーゲージ金利低下は止まり、2月にかけて米債超長期金利上昇に合わせてモーゲージ金利も上昇に転じていった。
30年モーゲージ金利は最低値が12月の2.8%から直近金曜日の時点で3.2%まで上昇した。
2月時点から本格的な金利上昇が始まったことによって2月の新規住宅着工と建設許可件数の勢いが鈍ったことはほぼ明白な事実と思われる。

3月は2月か30年モーゲージ金利は上昇しているので、さらに勢いが鈍るデータが出てくればなお都合が良い。
まだ中古住宅販売とケースシラー住宅価格指数がでていないが、ここが減速し始めているならば概ね超長期金利はやはり繰り返しになるが色々複合的に考えればアップポテンシャルはもうそこまで高くないと見ることができるだろう。
2月中古住宅販売件数の発表が3/22、ケースシラー住宅価格指数が3/30に発表なのでこの2つの経済指標を見て米債超長期金利上昇ポテンシャルはなくなりそうであることを確認したいと思う。
ここが鈍っていることが確認できれば、もはや10-15年ゾーン以外の金利上昇はさほど恐れる必要性はないと思われる。
将来のインフレうんぬんと市場では騒がれているが、金利上昇の最大の焦点は今のところは米国住宅市況次第だと思われる。

ちなみに米国住宅関連指標についてはこの記事に掲載しているものも含めてデータを下記自作HPに掲載しているのでぜひ気になる方は確認してもらいたい。

<米国住宅関連指標ページ>
https://muragoeinvest.com/property

特に30年モーゲージ金利は毎日データが更新されているので、ここは常に確認して米国住宅市況データと合わせて金利水準の考察に使いたいと思う。

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二コラに続いてRIDEも詐欺EVメーカーの仲間入りか

ローズタウン・モーターズのEVトラック予約受注台数偽装を投資会社ヒンデンブルグ・リサーチが指摘

またこのタイプの話ですか。

米国新興EV関連銘柄では完全に詐欺みたいな夢物語を語って金だけせしめてトンズラみたいな銘柄が多数存在している。
その最たる例は今のところはコマンド-もびっくりの位置エネルギー車を恥ずかしげもなく次世代車と言い張ってGMから出資を得た二コラである。

結局GMは二コラ株にド天井で出資した挙句、現在株価はバブルになる前の水準にまで下落したところを見れば二コラが夢みたいな次世代車を作れるわけはなく、位置エネルギー車プロモーションでGMからうまい具合に金をせしめることに成功しましたねというのが市場評価であろう。

<二コラの株価チャート>

タイトルなし



そして現在次に同様に詐欺じゃないのかとニュースを賑わせているのがローズタウンモーター(ティッカーはRIDE)である。
この会社はSPAC上場でまだ自動車生産さえしていないのに株価が大きく上昇するといった何も考えていない投資家が雰囲気だけで投資していたEVトラックメーカーである。
そして現在このローズタウンモーターが言い張っているプレオーダーが10万台あるというのに対して、リサーチ会社が嘘っぱちではないかと告発しているのである。
テスラやNIOであれば実際に販売を行っており、現物が見れてかつ販売台数なども一定程度通行量などを調べれば確認可能である。
しかし、プレオーダーははっきりいって会社側の言ったもん勝ちでその証拠は会社側しか持ちえないものである。
しかもまだ生産もしていないので、ローズダウンモーターが生産するEVトラックがどの程度の性能かも実物を用いての性能評価はされておらずよくわかっていない。

そのような中で資本獲得のためだけに嘘っぱちプレオーダーで株価を吊り上げたのであれば、もはやこのEVトラックメーカーには価値はほとんどないと思われる。
そもそも自動車メーカーの株価評価自体、きちんと実物を見ての評価・販売動向・リベート費用の上下・販管費動向を確認して株価バリュエーションが妥当かどうかを判断している。
実物なし・販売実績なしだけのCGポンチ絵だけで自動車メーカーとして株価がつくということ自体がそもそも間違っていて、せめて生産がきちんと開始されてから株価は評価されるべきだろう。
そういった意味ではまだクソダサ極小EVを生産・販売しているSOLOの方がまだまともだと思える。

<ローズタウンモーターの株価チャート>
タイトルなし


まあよっぽど業界に精通しているとか、その個別銘柄に詳しいとか、投資金額全額なくしてもいいという覚悟がなければポンチ絵しか提示できないような銘柄には投資しない方がいいという真っ当な話に帰結する。
というかこの銘柄もGMが出資しているとか、GMは一体何を見て出資を決めているのか不思議でしょうがない。
あとこれからSPAC上場でこういう詐欺みたいな話は続々と出てくると思うけど、バブっている間はみんなすぐ忘れてまた投資するんだろーなーと思う次第だ。

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FOMC後の金利動向と避けたい荒唐無稽銘柄投資

昨日はFOMC後の安心感から一転して再度金利上昇がフォーカスされ、ナスダックを中心にグロース銘柄が下落する展開となった。

ただ繰り返しになるが30年金利が3年移動平均線を超えて2.5%をタッチしたこと・5年先5年期待インフレが上昇しなくなっていることによって、20-30年ゾーンは材料はほぼ出尽くしたと考えている。
もう20-30年ゾーンの残っている金利上昇ポテンシャルなんてたかが知れており、ここの上昇による相場下落は地震でいうところの本震ではなく、所詮余震に過ぎないと見ている。
ゴールド・REITの値動きを見ても昨日は金利上昇してからさほど下げていなかったのを見るとやはり金利上昇による緊張感ピークは既に超えているものと思われる。
金利が下がるとは思えないが、超長期ゾーン金利が横ばい変動に転じればじりじりとグロース株も回復傾向で推移していくものと思っている。

<過去参考記事>

開催されたFOMCレビューと米債金利動向予想


米債30年金利が3年移動平均に到達


モーゲージ金利と不動産価格から再度米債の居所を予想


10年未満の金利急上昇は対策される雰囲気


イールドカーブの歴史から見る10年・30年債金利の限界理論値


超長期金利上昇が続く背景


ただこの過程の中で11月から2月にかけて実力ないけどてきとーになんでもいいから夢ありそうな銘柄をてきとーに買えば儲かるというステージは終わったように思われる。
なぜならまだ10-15年金利ゾーンが不安定となっている中で機関投資家が実力がある銘柄とない銘柄で選別色を強めてくるわけで実力以上の株価になってしまった荒唐無稽銘柄は避けられてしかるべきだろう。
利益なし・売上成長なし・技術の差別化もなしの物量頼み・市場なしの政策期待頼みみたいな4ない荒唐無稽銘柄は厳しい値動きになりそうで、個人的にはその筆頭銘柄でもあるPLUGは以前にチャート形状で説明した通り見事なリバーサルアイランドをかちこんでからのさらにヘッドアンドショルダーも決めて当面は救い無しみたいな形になっている。
まあ結局クリーンエネルギー銘柄のほとんどはこの4ない銘柄に属するものでしたねという結論になるものと思われる。

<過去参考記事>

ナンピンを普通はやっちゃいけないチャートパターン


しばらくは多少の金利変動では状況が左右されないキャッシュフローが堅実に成長している銘柄・確保できる利回りが見えやすい銘柄が好まれると思われる。
インデックス投資ならさほど神経質になるレベルになるような事象でもないと思うので、インデックス投資家ならまあのんびりかまえていれば引き続き基本的には問題ない相場だと思っている。
 
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開催されたFOMCレビューと米債金利動向予想

追加財政が今のレベルが続く前提のインフレ見通し自体がおかしいと思うんだけど。

米債長期金利が上昇する中で注目されていたFOMCが開催されたので、レビューと米債金利の居所について考えたいと思う。
会見内容については下記youtubeで見られるので、英語が苦手な方も字幕をオンにして見てほしい。

<FOMC会見動画>
https://www.youtube.com/watch?v=oEyo6dOE3t8

言っていることはほとんど前回ミーティングと何も変わっていないが、ニュースベースではハト派と解釈されているようだ。
FOMCからはコロナウィルス不況に対応した現行金融緩和継続を継続する、インフレ率は2%を下回っていてインフレ見通しに変化なしという前回と同様な景気支援スタンスであることは変化なしであった。
まあ単純に市場参加者が勝手にテンション高くタカ派になっているだけで、何かが大きく変わっているとは個人的には思っていない。
特に市場参加者が大きく勘違いしていると思われている点としては現在の米国景気の回復はあくまで財政によって吹かされているわけであり、これをもってインフレが大きく上昇して米債金利10年が無限に上がるという考え方も非常にばかげているものと思う。
本当に景気盛り上がりとインフレがセットで来るなら今やっている巨額追加財政政策をもう追加しないとやればいいだけの話だからである。

なのでこのブログでは何回か言及している通り、コロナウィルス不況対策の撤収の順番は

追加財政政策が出なくなる→テーパリング→政策金利引き上げ

の順番になると見ている。
追加財政が必要な間はFRBはテーパリングでさえ議論されることはないと見ている。
金融政策が撤収されるのは最後になるだろう。
ちなみにドットは2023年に利上げと見るFRBメンバーが増加したものの、2年後政策金利の位置なんて追加財政支援で経済吹かしているだけの現在の状況で適切に予測することなんて不可能なので実はあまり見る必要性がある指標とも現在は思えなくなっている。

これをふまえた米債金利の居所については考えたい。
現在の追加財政が出ている間はFRBの金融緩和政策が撤収されることはないので米債金利短期(5年未満)は横ばい~非常に緩やかな上昇程度にとどまると思われる。
長期については20~30年という超長期ゾーンは既に2.3~2.4%といいレベルまできていて、個人的に想定している天井である2.5~2.7%手前まで来ていることから上昇ポテンシャルは実は限定的だと考えている。
10年~15年米債金利のゾーンが一番危険地帯でこのゾーンだけはどのタイミングでさらなる金利上昇が発生するかかなり予測しづらいが、その他はさほど大きな金利上昇リスクがあるようには見えない。
なのでイールドカーブは10~15年と短期債はベアスティープ、20~30年ゾーンと10~15年ゾーン間ではフラット化(現状ではブルともベアとも言えない)していくものと見ている。

また追加で頭の中に入れておきたい起こり得る現象として追加財政が出なくなってテーパリングまでの間は超長期国債発行が相対的に減少するため、超長期金利が低下する可能性さえあることである。
このエアポケット的なところで自律的な景気の盛り上がりと金利の低下が重なることによって再度バブル的な株価上昇がいまだ狙えると考えている。
ただし、気を付けたいのは実はそれはあくまでエアポケットであり、しばらく間を置いたあとにテーパリング開始が宣言されその時に今回の2月末のような相場の下落を体験することになるだろう。
(あるいはそれよりでかい調整)

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NAAIM指数と米国個人投資家サーベイから見る投資態度の違い

珍しい現象。

米国株の相場センチメントを探る上で、リアルタイム性が強い指標としてNAAIM指数と米国個人投資家サーベイの2つがある。
毎週木曜日になると水曜日までの一週間データが掲載されるのだが、これを直近3/10の数値を見ると意外感のあるデータとなった。

まずNAAIM指数から見てみよう。
NAAIM指数の指数値および詳細内訳を見ると
指数値・・・48
Most Bearish Response・・・-100
Quart 1 (25% at/below)・・・0
Quart 2 (median)・・・75
Quart 3 (25% at/above)・・・97.5
Most Bullish Response・・・100

タイトルなし



実はこの指数値はどの機関投資家群も相当弱気な態度の指数値である。
この辺の見方については下記を参考にしてもらいたい。

<過去参考記事>

最近話題になっているNAAIM指数に対する所感


一方で米国個人投資家サーベイを見るとブルからベアを引いた指数値は25.9となった。
これは逆にかなり強気態度でブルな数値である。
むしろ1月末の時の方がずっと弱気であった。

<米国個人投資家サーベイ>

タイトルなし


これほど機関投資家サーベイであるNAAIM指数と米国個人投資家サーベイで態度に差が出るのは珍しい現象である。
この指数動向の差と3/10までの株価動向を考えると導き出される結論は以下の通りとなる。

・機関投資家のポジションは大きくグロース株に偏っていた。
・アクティブ機関投資家はおそらくだがほとんどオールドバリュー銘柄には投資をしておらず、まともにグロース株売りを正面から受け止めてしまった。
・主に狼狽して売りに向かったのは機関投資家で、個人投資家はそもそも追いつい目られていた形跡さえない。
・個人投資家はロビンフッダーを中心としてグロース株に投資していたものの、実際はもっと裾野が広い範囲で投資をしていて、オールド株の上昇によってそんなにダメージを受けていない。
・逆にオールドボロ株で逆張りしていた人もまだロビントラックが使えていた時期は観測されていたことを考えると、やはり個人投資家全体で考えればダメージは軽微

そういった意味では今回はロビンフッダーに代表される個人投資家がやりすぎた・狼狽した結果によるものではないように思える。
どちらかというと思わぬ金利上昇でシステマチックに金利高に弱いとされるグロース株に売りが入り、途中から本格的にポジションが偏っていた機関投資家が狼狽売りしたものと見られる。

以上を考えるとロビンフッダーによる相場仕掛けは決してこれで終わりだとは考えにくい。
上記で書いた通り、狼狽売りの犯人は機関投資家にあるからで、さらにこれから米国政府から支援金再支給が行われることを考えるとさらにロビンフッダーが再仕掛けを行ってくることも考慮すべきだと思う。

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プロフィール

村越誠

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