村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2021年01月

米国株出来高口数の異常さから見るバブル

あらためてみると異常。

CBOEで米国株の出来高総口数の集計ができたので、これを計測してグラフにしていた。
ぽちぽちと30日間データのCSVデータをダウンロードしてそれをSQLデータに入れていって、それをグラフ化し、またついでに最新データが出てきたら自動で集計してデータを更新してくれるようにプログラムを組んでレスポンシブグラフを作成していた。
そして集計してみると足下の相場の異常さというのが浮き彫りになる結果となった。

<米国市場の出来高口数推移>

タイトルなし

https://muragoeinvest.com/marketvolume

2015年以降からしかデータは取得できなかったが、計測してみるとコロナ前の米国株の過去平均出来高口数は概ね日次平均70億口数程度で推移していた。
出来高がわっと増えるところは大体リスクオフで増加するが、その後相場が正常化すると自然と出来高はこの70億口数のレベルに落ち着いていった。
これは長らく変わらない水準で動いており、この落ち着いた動きがまあ投資家にとって株投資リターンがインデックスベースならこれぐらいで、まあ色々なものが一応は妥当バリュエーションで動いていた背景だとも言える。

しかしコロナウィルス不況以降の取引は全く別次元の動きとなっている。
しょっぱなリスクオフで出来高口数が150億口数のレベルになるのはリスクオフ局面だったので十分理解できるのだが、その後元のレベルには回帰せずに段々過去平均の1.5倍以上にもおよぶ120億口数レベルの取引が平均になる勢いである。
これが多くの投資家にとって、特に人気のある銘柄が意味不明なバリュエーションにまで押し上げられていった背景とも言えるだろう。
1/27では再度リスクオフになったが、この時点での日次出来高口数は240億口数とさらに輪をかけた過去と比べると異常とも思える取引数値となっており、どうやらそう簡単にこの出来高異常値は続きそうな気配がしている。
特にFRBがこの異常取引をコロナ不況を支えるためにほぼ意図的に無視せざるをえない状況になっていることで、もう悪ノリに悪ノリがかさなっていると言わざるをえない。

この異常値が続く限りにおいては下がったとしても、例えば大型銘柄で人気化しているところでは過去のPERに戻ることはやや難しいように思える。
ただ、この異常取引が終わる時というのがこの馬鹿げたバブルの終わる時であることもまた然りだと思われる。

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FOMC記者会見に対する個人的な所見

わかっちゃいるけどって話。

FOMCの記者会見動画が上がっていたので質問とか回答を確認。

<記者会見動画>
FOMC Press Conference, January 27, 2021


記者の質問からは資産価格バブルについての質問が過去何回かの記者会見について大幅に増えた。
というわけで資産価格バブルについて記者が質問している箇所を上記動画の中から抜粋してメモしておきたいと思う。

質問一問目からゲームストップ株についての話からマクロプルデンシャル的な観点から持続可能的な政策なのかと問う質問が出たが、個別株には言及しないけどなるべく持続可能性あるようにストレステストしながら色々モニターしてますよと強弁。

追加財政がまだ必要かという質問に対しては必要だけど、そこは政治マターだよね・議会が色々議論してるしと具体的な話は避ける方向。

次の質問も再び資産価格バブルで、ビットコインから社債価格・ゲームストップ株とか見るとスーパーイージー金融緩和はほんとに大丈夫なんかねという話。
雇用最大化には我々の政策ツールが必要だという話。
ちゃんとノンバンクとか家計の債務状況もモニターしてるし、資産価格上昇も決して金融緩和だけでなく財政期待とかワクチン期待が相当程度含まれていて色々なファクターがあると回答。

インフレ率についての質問は、ディスインフレ圧力の方が過去強いし、今のところそういう兆候はなしと回答。
原材料価格高騰についてもそこらへんのインフレどう考えているのに対しては、いやいやディスインフレ圧力の方が強いと見ているのでそもそもその考え方に異を唱えるとの真っ向反論。

住宅価格の上昇についてもバブル懸念していないのかと質問。
これに対しては前回の答えと同様にペントアップデマンド効果があるためで、今の価格上昇は続かないと見ているとのこと。

まあハトとかタカとかじゃなくて、とりあえず今のスーパーイージー金融政策を続けるしかないから察しろよという雰囲気が終始する記者会見で、とりあえず目の前で起きているバブルをバブルじゃないと言い張るしかないという感じであった。
まあ少なくともタカ的側面は一切出していないという会見だったということと、今回の記者質問では追加で何かしないんですかという質問はほとんどでなく、まあこの雰囲気だとほんとにバブル一直線なんじゃないかと思えるような内容だったように思える。

市場反応的には記者会見当日の引けおよびアフターが弱かったけど、単に去年の6/11のような一部アホコール買いがややアンワインドされているだけで空売り残高がたっぷり残っていることを考えれば、空売り口数がはっきりとした減少を決めるまではまだ相場は耐えれらるんじゃないかなと思う次第である。

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日本電産の決算から聞くEVや家電の最新状況について


決算短信・決算説明資料 | 日本電産株式会社 - Nidec Corporation




色々なヒントがありましたので、今さらですが。

・家電は省エネ化・バッテリー駆動
昨今の家電の流れとして省エネ化とスマホなどに代表されるようにバッテリー駆動のものがどんどん増えている。
それに加えて中国では所得の増加に伴って高級家電の需要が増加しており、これも貢献している。
こうした流れは今後も続くだろう。
決算資料には巣籠り需要とは書いてあるが、永守会長は関係ないと言い切っている。

・自動車業界についてEV拡大で他分野異業種からの参入が増加し、分業体制になる
EVはいわゆるモジュール型のように組み立てていくため、様々なパーツを寄せ集めて組み立てていくものになる。
そのため自動車業界としては全部に対応できるわけではないので、必要なパーツを作れるところから買ってくるという形になるため、分業体制になり、この市場チャンスを狙った他分野異業種の参入は増加していくだろう。
テスラのように上流から下流全部は難しく、既存自動車会社とOEM契約をしていく流れになるだろう。

・急激な市場成長とともに研究が加速度的に増えていく 
市場の拡大とともに資金や人員投入量が大きく変わっていく。
なので時間が経つにつれ加速度的に業界は変化していくと考えている。
その一つの分岐点は2025年だと考えている。

・安い軽自動車みたいなEVが流行るのではないか
EVは基本的には最終的にはこれまで自動車が買えないという人が買えるところになるまで安くなると考えている。
45万円の中国で販売されているミニEVがバカ売れしており、これまで数百万円というガソリン車を買えない人達が買うようになっていくだろう。
初期に製造されるものはおもちゃみたいなものだろうが、基本的に技術革新はそういったものから産まれていく。
最初は走れる距離は100キロとかそういうレベルのものであり、600キロとかそういう走り方はまだできない。
そういったところに様々な提案を持ち込み、価格を上げずしてどのように性能・信頼性を向上させていくのかを商売として成り立たせていく。
最終的に価格競争になるのは目に見えているので、最初からそこにフォーカスした生産体制を考えている。
最初から今の自動車メーカーのような完璧な車を作ることはできるわけではなく、これから問題をどんどん解決していき低価格で信頼性の高いものができていくと見ている。

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米国上場ETFで足下人気化しているテーマに絨毯爆撃的に投資する方法

世界の株価比較

足元で空売り口数が一気に減少に転じてきたことから、小型株の重しが減少し始めたことで金曜日から米国で小型株の反発が見られ始めた。
このまま小型株が上昇するのであれば、やはり現在主力テーマとなっているもののポジションが有利になりそうだと感じている。
ただどうも個別株は調べるの大変だしよくわからないという方は無理して個別株で勝負するのではなく、様々なコンセプトで出ている米国上場ETFを上手に活用できればテーマごとのリスクリターンを取ることが可能だ。
以前にクリーンエネルギーのポジションを取るならということでリストを出していたが、その他のグロースコンセプトについても少し列挙しておいたいなと思う。

<過去参考記事>

クリーンエネルギーバブルとクリーンエネルギーに投資できる米国ETF


<半導体>
SMH、SOXXらへんが代表的な半導体株ETFである。
レバレッジをかけたいならSOXLが一番流動性もあって触りやすいと思う。

<バイオ・ヘルスケア>
ARKGが中でもパフォーマンスがここ1年では高く、順張りで乗るならARKG一択のように思える。
先進国ならIBBなどもあるが、中国でもCHINやCHBなど面白そうなものがいくつもある。

<インターネット系>
ナスダック以外であれば先進国系であればONLN、中国や新興国であればCQQQ・EMQQ、さらにそこにレバレッジをかけたいならCWEBという選択肢がある。
ただFAANGも中国インターネットもサイバーセキュリティも全部いっぺんにポジション取りたいという方はOGIGが良いように思える。
意外とOGIGだけでも相当程度過去パフォーマンスはいいし、さらに言えば有象無象というよりはでかい企業を全部集めましたみたいなところなので、絶対値リターンもあるけどリスクリターンのバランスもよさそうに思える。

<素材・バッテリー関連>
LITやBATTなどがある。
さらにこのバッテリーに使われるレアメタルやレアアース銘柄を組み込んだREMXなどが足下でやや上げ足を速めている。

大体足元でバブっているのはこの辺の銘柄群で、リスク選好度が高まってるけど個別銘柄わからんしってなるのであればこの辺を絨毯爆撃的に買えば個別株みたいな大当たりはしないものの、テーマチョイス分のリスクリターンは取れるのではないかと思う。
ただこれらテーマはもはや平時では考えられないようなバリュエーションにまで価格水準自体はフライハイしてしまっているので、バブっていて事故る時は盛大に事故って損切りが必要になることも頭に入れながらプレイしたいところだ。
(特にバイオ・バッテリー関連・クリーンエネルギー)
 

中国政府が株バブルを警戒して資金吸収という微調整

中国中銀が予想外の資金吸収、バブル警告も-本土・香港市場に冷や水

2015年のトラウマがありますので。

年初になってから香港株や米国上場の中国株を中心に中国関連株は好調な推移をしていた。
ただ中国政府は現在賃金レベルの上昇なしでの資産バブルはよしとしていない。
というのも2015年の中国株バブルで非常に痛い目に合った。
習近平氏が就任してまだ3年で共産党内の地盤固めが終わっていない状態のところで景気浮揚のために金融緩和を進めていたのだが、その最中でまるで政府お墨付きかのように株投資を煽ってしまった。
中国人の投機熱は一度火がつくと非常に一方方向に動きやすいイナゴみたいな性格があり、本土株総合指数はたった数ヵ月で2.5倍にまで一方通行で上昇した。
しかし、その後一転して中国政府は引き締めに走ったのだが、一気に投機熱にダメージを与えたことにより本土株はあらゆる銘柄が連続ストップ安や連日サーキットブレーカーとなって、売りたくても売れないみたいな状態になりあっという間に半値にまで陥った。

<CSI300のチャート>
タイトルなし



しかもその過程で人民元切り下げにもせまられることになり、これが中国だけでなくグローバルに影響を与える事象となった。

当時の写真を調べればいくらでも有名な写真が出てくるわけで、この時の市場の動揺はすさまじいものであったと個人的にも記憶している。

このことは習近平がトップにいる限りにおいては忘れられることはなく、そのため投機熱・特に株に対しては非常に監視の目が厳しい。
特に足下のような米国が輸入を増やしていて、かつ海外の人の往来ができないこともあり、中国のメイン資金流出減である本土からの資本逃避が少ない・米国からの中国株投資も増えていることから中国株上昇率が高まっていた。

そこで今回PBOCが資金吸収をすることにより中国国債利回り引き上げ・それに伴うリスクプレミアムの上昇で中国株・香港株はやや大きめな下落となった。
前日にロビンフッドの取引障害でプチフラクラみたいな動きとなった米株の動きもやや影響を与えたように思える。

ただ中国政府も根本的には景気を殺すような資金供給をする気というのはさらさらないはずである。
そういうことを考えれば一回大きめに資金吸収をするが、その後は再び相場の動きを見ながら微調整させていき、上昇するにしても基本的に持続可能な安定上昇レベルに抑えるように努力しようとする。
そういった意味では中国株・香港株に投資するにあたっても相場全体というよりはグロース株にフォーカスしていくのが得策のように思える。

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村越誠

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