村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2020年11月

買いパニックが起こるまで続くチキンレース相場

NYダウ一時3万ドル 米政権移行・ワクチン開発期待で

まだ過熱熱狂までにはいたってはいないけど。

クレジット資産がブル状態が継続する中で、VIX関連指標が出遅れていて、クレジット資産の流れがメインストリームであれば株の方が出遅れているという認識だったのだが、とうとうこの流れに相場が乗り始めてきたという感触だ。

<過去参考記事>

株とクレジットの温度差が拡大したまま


ナスダック大型株がここ数日不調であったものの、昨日はアップルが引けこそまだしつこい売りがでていたものの、やや売り枯れが見え始めてきたこと、および決算後中々ぱっとしなかったマイクロソフトも引けにかけて買いが勢いづき始めたところを見るとそろそろ水準の上抜けが起こってもいいかなという気がしてきている。

<アップル株のチャート>
タイトルなし

特にアップル株は9月のわけのわからないコールオプション買いパニックがあって以降値動きが悪くずっと引け時間に断続的な売りが出るというのを繰り返してきたが、直近になってやや売り枯れ感が出てきてやや期待が持てる状況になってきている。
まだ引けにかけて売りが出ているので急激な

<マイクロソフトのチャート>
タイトルなし

マイクロソフトも決算以降断続的に引けに売りがよく出るみたいな展開だったのが昨日は引けにかけて元気よく買い向かう動きが見えてきたことから、こういったナスダック大型銘柄にフロー動向にやや良い変化が見られ始めたように思う。

一方でハイテクや一部バブった中小型銘柄についてはこういった大型銘柄が元気になってくると資金を吸われる上に、大型銘柄と比べると意味不明なバリュエーションにまでなってしまっている銘柄も複数観測されるため、買いと売りが殴り合いになって出来高が平常時より爆発的に大きく株価が乱高下している銘柄は少し出来高が落ち着くまで様子見するのが吉なように思われる。

ここから見定めることは一つで、買いパニックが起きないかどうかにある。
買いパニックは往々にして買い側の需要爆発とショート側が痛みに耐えきれなくなったことによるショート玉の投げによって発生する。
今の株価水準が利益動向と比べると行き過ぎなことぐらいは市場参加者も百も承知な状況だ。
ただ金余りを背景に消極的に買う人が断続的に出てくる一方で、売りに回る人が少ないこととショートが損切りしていることが現在の相場を押し上げている原動力となっている。
ただ買いパニックみたいな現象が起きれば一気に損切りしてくれるショート玉が消えることと新規買い手もドン引いて一旦様子を見ておこうかという感じになる。
なので、細かく出来高と株価動向の両方を見合わせて過剰な買いパニックが起きていないかどうかを観察しながらどの辺で利益確定するかを考えていきたいと思う。
皆が買いたいと思う時こそ意を決して売る時であることは江戸時代の米先物相場師本間宗久氏も言及しているところなので、買いパニックで熱狂的上昇と出来高増加が同時に発生しないかどうかを注意深く確認しながら利益確定タイミングをはかっていきたいと思う。

<参考書籍>

相場秘伝 本間宗久翁秘録を読む―希代の天才相場師に学ぶ必勝の法則

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続々と出てくるワクチン開発ネタと市場の捉え方

Markets cheered by third dose of good news over Covid vaccine trials

主要どころはほぼ出そろったが、一番ポジティブなものが出てきたのかも。

今回のオックスフォード大学・アストラゼネカ組のワクチンについてはファイザー・モデルナのものと保管難易度が非常に低いことが挙げられる。
ファイザーは極低温(-20度とかだったような)での保管が必要で、モデルナのワクチンもそこまではいかないもののそこそこの低温での保管・輸送が必要になる。
先進国ではまだ手当がつくものの、新興国になるとアジアの一部を除くとそのような極低温保管庫を持っているところなんてほとんどないに等しいだろう。

しかしオックスフォード・アストラゼネカ組のワクチンについてはそのような極低温は必要なく、2-8度での温度での保管・輸送で品質を保てるということである。
そのため新興国などでも容易に供給が可能であることが期待され、先進国だけでなく新興国でも迅速に防疫体制が整うのではないかという期待がより大きくなりつつある。
もちろんこのオックスフォード・アストラゼネカ組のワクチンについては有効性90%と出ているがサンプル数が少ないのではないかという報道もいくつか出ているが、さすがに3組も有効性があるワクチンが出てくるなら今後もまだ後発組が出てくるだろうし、学習効果から開発難易度も下がることが予想される。

そういった面を含めればワクチンは出来るのか出来ないのかのステージでは既になく、もういつ供給が開始されて、供給されてから効果が出るのはいつなのかというのを待つステージになっている。
ここまでひどかったドベセクターが強烈にリバーサルをかましているのもこれが要因で、大統領選よりもよっぽどインパクトの大きい話で合った。


いつまでこのワクチンラリーが続くねんというところだが、そればっかりは現段階で予想するのは非常に難しいし、明確なビューを持っている人はいないだろう。
市場のことは市場に聞くしかなく、いくつかの代表的に取引されている資産の出来高と値動きを見ながら足下の参加者心理を考えるしかないだろう。

昨日はHYG・LQDともに金曜日に見られたような緊張感ある取引は消えていたので、金曜日のリスクオフムードはややこけ倒しという状況で一旦は終わったことが出来高からうかがえた。
唯一緊張感ある取引を演じているのはやはりゴールド・シルバー、特にゴールドは経済正常化が目の前に見えてきてしまったことから月曜日始まりからETF経由でぶん投げが発生している状況でそれ以外では目立った取引は見えなかった。
一回米国時間午前でナスダックを売り崩す動きが見られたものの、その日中に継続する売りが出てこず、さらに買い上げられて元の位置に戻ったことを考えれば慌てて出てきた昨日の場中売りでようやくナスダックアンワインドの動きは止まるのではないかと期待される。

<QQQのチャート>
タイトルなし


一つ気がかりなのはやはり米債の動きで、昨日もTLTがワクチン報道が出てきた引け間際でまとまって売る動きも出てきているので、債券金利の動きとFRBの発言には注意したいと思う。

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欧州で再ロックダウンによる感染者抑制効果が見え始める

European nations plan cautious easing of lockdowns for Christmas

相場を見る限りはそういうことってことなんですかね。

欧州は先んじてコロナウイルスの第三波を食らっていて、欧州各国再ロックダウンをしていたが一応はそのロックダウン効果も足下で出ていることが新規感染者数の増加停止から読み取れる状況にある。
とくにイギリス・フランス・アイルランドは一早くその効果が出ており、とりあえず12月に予定通りロックダウンを解除するということもできそうな雰囲気が出ている。
ただし、全面ロックダウン解除とはいかず、感染者数の雰囲気も見ながら、大体どこの国も3段階ぐらいに分けて制限解除するという試行錯誤をする予定のようだ。

<フランスのコロナウイルス新規感染者数>
タイトルなし


ようは一ヵ月程制限をかければとりあえず爆発的な感染者数は減少させることができるという認識が広く浸透したということである。
マーケットも欧州の再ロックダウン報道で一時期は下げたものの、その後の米国大統領選終了・ワクチン完成報道を受けて結局DAXなどを中心に再ロックダウン手前まで株価は戻っていることから再ロックダウンによる株価下落はあっても短いということなのだろう。
3月の時は前例を見ない都市封鎖だったということもあり市場としては大きく反応したが、現在は再ロックダウンしてもその期間も見通しやすくなっていることと、やはり後ろでワクチン供給体制がいよいよとなっていることから徐々に市場への影響は限定的になってきているものと思われる。
雰囲気的には普通の生活に戻るのは来年冬頃という目処がかなり立ってきているのが大きいものと思われる。
特に3月の時との違いは、3月の時は製造工場でさえ感染拡大抑止という名目で世界中で稼働停止をさせられるところが多かったが、さすがに今回の再ロックダウンでは主にイベント集会・飲食店での制限で的を絞った形での制限になるので影響を受ける業種は減るものと思われる。

<参考ニュース>
 普通の生活に戻るのは「来年の冬」 ワクチン開発者、BBC番組で見通し

本当に再ロックダウンで経済がぐちゃぐちゃになるのであれば、おそらく真っ先に影響するのは原油価格であるだろうと考えている。
なので原油価格が反応するまでは基本的にはやはり3月の時と比べて影響は限定的だし、相場の期待はつなぎとめられているという認識を持っている。
(原油価格が崩壊したらさすがにあれだけど)
一応米国はバイデン次期大統領が再ロックダウンはしないと言ってはいるが、州ごとに対応に差が出ることは想定されるのでそこらへんはニュースフローを見ながら考えていきたいと思う。

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米国株式市場で狂気乱舞する訳の分からないEV関連銘柄

さすがにこの銘柄の暴騰を見てるとやりすぎだなあと思う銘柄がちらほら出るようになっている。

ここもとEVに携わっているとなっていればとりあえず株買っとけみたいな流れが強烈である。
その中でも、いやさすがにその銘柄はないだろというのも出てきているので紹介してみたいと思う。
レベルとしてはXPEVやLIよりこれはないなというレベルの銘柄の話である。

一つめはSOLOである。
正式な会社名はエレクトラメカニカという会社である。

<会社HP>
https://electrameccanica.com/

どんなEVなのかなあと見に行ったら一人乗り用通勤EVを作っているようなのだが、さすがにデザインを見たら、セダンの後ろ半分ぶった切られたんですかねというクソださいデザインでこれはないと思った。


また最大の問題は一人乗り用乗用車というのが基本的に需要がないことにある。
ちなみにスペックはすごい微妙だそうだ。



普通に一人乗りならバイクを選ぶし、バイクと車では重量の差を考慮すれば普通にバイクの方が燃費効率が良い。
あとアメリカでこんな軽自動車以下のサイズの自動車走らせてたら後ろからバカでかいキャデラックに煽られそうでおちおちまともな運転さえさせてもらえなさそうでさすがにこれは絶対にないわという銘柄になるのだが、それでさえとりあえずEVだからという理由で株価は何倍にもなっている。

続いてRIDEである。
正式会社名はローズタウンモーター。

<会社HP>
https://lordstownmotors.com/

電動トラックを生産とうたっているが、なんと生産開始は来年9月で、まだ実売でさえされていないのだが、時価総額は42億ドルでかつ株価も乱高下している。
時価総額はともかくとしてこの数ヵ月株価が乱高下しているというのは一体何を見てみんな取引しているのかは全く不明だ。
そしてこの銘柄の上場はいわゆる悪名高きPIPEである。
GMが一応投資はしているようなのだが、GM自体が二コラという位置エネルギー車の会社に出資していきなり大コケしているということもあり、やや信頼性に欠ける状態になっている。

そしてラストにBLNKである。
ブリンクチャージという充電ステーションを運営している会社である。
これはSOLOやRIDEと比べると堅実性の高い銘柄であることは間違いなく、さすがにこの2社と会社実態を比べるのはさすがに可哀そうである。
問題はバリュエーションである。
売り上げ伸びていることは確かなのだがPSRが余裕の100倍超えである。
普通のサブスクネット企業でさえPSR40倍とかになると高いって言われてるのに、設備投資が必要なこの業態でさすがにPSR100倍超えはさすがに脳みそがいかれてないと取引できない水準である。

このようにとりあえずEVに携わっているなら投機しておけという流れが非常に強いので、乗る人は乗っておいて、乗らない人は最初から乗らないと決めて訳の分からない銘柄に対しては取り組めばいいんじゃないかなと思う。

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米国財務省とFRBが対立してバックストップ施策が減退見込み

米財務省、FRB緊急融資プログラム延長せず 未使用資金の返却要請

場合によってはプットオプションが張りやすくなったという考え方もできそう。

金曜日朝方、米金利低下・株先安というセットで急に動いていてなんだろうと思ったらムニューシン長官がFRBに対して緊急融資プログラムについては未使用資金(47兆円程度)について12月にプログラム終了とともに返還するように要請したというニュースが流れていた。
一方でFRBはいざという時のためにプログラム延長が必要だと主張し、双方真っ向から対立する展開となった。
FRBとしてはコロナ暴落の時のようにクレジット市場が爆落して金融システムがメルトダウンするような局面にならないように迅速に動けるようにしておきたいというのが本音である一方で、共和党は1月の上院選挙前に自分達で動かせる資金を増やして人気取りをしたいという思惑がぶつかる展開となっている。

昨日の相場も行ったり来たりと目まぐるしく、金曜日朝は米株安・金利低下で進み、欧州時間になって一旦それが巻き戻ったが再度米国引け時間にかけて株安・金利低下の動きとなった。
クレジット関連ETFも値動き自体は少なかったが、現物出来高とオプション出来高を観察するとややリスクオフに備えたポジション取りをしている人が金曜日はいたかなという感触がしている。

<クレジットETFのオプション取引動向>
タイトルなし

おそらく今回のニュースが最も影響を受けるのがクレジットということもあり、真っ先に念のための準備をしておこうという動きが強まったものと思われる。
VIXや株自体にはまだ緊張感ある取引が出現しているわけではないが、クレジット商品の動きが弱まると後から根本的にバリュエーションを揺らされる可能性もあるので、クレジット商品系ETFの取引動向には注意が必要だと思っている。

相場の材料としては相場が急変動した時にFRBが迅速に動ける余地が減少するということは確かにそのとおりであり、人によってはプットオプションをしかけてみようかという人が増加しそうな気もする。
あとはアゲインストコロナ銘柄は将来的に緊急融資ファシリティがまだ必要になる危険性のある銘柄がいくつかあるわけで、そこらへんの動きも鈍くなりそうな感触もある。

ここからは高値警戒感とのチキンレースになるが、やはり何か売るきっかけ待ち・あるいはパニック買いが生じた後の反動のどちらかが見られるまでは なんとなーくどっちに行くのかよくわからない雰囲気が続きそうな気配である。
ただロングポジション保有している身としてはなるべくバックストップ効果が減少する見込みの中でクレジットが荒れるようなことは起こってほしくないなというのが本音である。

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プロフィール

村越誠

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