村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2020年11月

バリュー株選好からグロース株選好で再び相場が躍動

タイトル通りの推察ではあるが。

先週一週間の動きを振り返ると、いよいよバリュー株選好から再びグロース株選好になってバブル継続という雰囲気が出てきた。
これはバリュー株とグロース株の出来高特性の動きからもかなり推察される。

現状のバリュー株は平常時は売りの方が多く、買いがぶわっと集まった時に急激に上昇するという性格が強い。
ワクチン報道以降しばらくバリュー株が優勢だった時期を見ると出来高増加と共に株価が急激に上昇しているものが大半であることがうかがえると思う。
しかし、大抵の銘柄がアゲインストコロナということもあり、相場が荒れていない時は積極的に買おうという向きが少ない。
そのため出来高がない時は動かないあるいはだらだらと下がる傾向が強まる。

一方でグロース株はバリュー株と動きが完全に逆である。
平常時は買いの方が多いのでじわじわと上昇し、相場急変時に出来高増加とともに一定程度まとまったポジションが売り出されることによってどかっと下落するという形になる。
いわゆるITなどのウィズコロナ銘柄が多く、売上・利益成長が見込みやすいということもあり相場が荒れていないときは淡々と買いが集まるという性格が強い。
ただものによっては投機的に買いが集まり、異常な出来高とともに意味不明な位置にまで株価を押し上げられた挙句、その後不祥事発覚や決算未達報道とともに大幅下落するものも紛れ込んでいる。
そのため個別銘柄でベットする際には異常な熱狂に包まれていないかどうかの確認が必要だろう。

ファイザーのワクチン報道以降、バリュー株選好になり、ややグロース株が不利な展開が続いていた。
しかし、先週半ばあたりからいよいよバリュー株の買いが止まり始めたのが観察された。

<米国エネルギーセクターETFのチャート>
タイトルなし


それとともにGAFAMをはじめとした静かな動きが続いていたグロース株についてようやく順調な動きをし始める雰囲気が強まってきた。
人によってはこのバリュー株の動きが止まったのを見てすわショートという人もいるかもしれないが、セクターローテが発生して上がるものは上がるという雰囲気が続きそうな状態の中ではやや不利なように思われる。
少なくとも出来高を見る限り異常な買い熱狂に陥っていないグロース株については、この調子であれば買いパニックに陥るまで、あるいは人気ないバリュー株が底割れしそうな雰囲気になるまで引っ張れそうな雰囲気である。

ちなみに買いパニックとはどういう状況かというと、具体的には9月初めのあの動きだと個人的には思っている。

<過去参考記事>

オプション市場を見るとみんな人間やめてるって感想しか出ない相場

あと人気ないバリュー株の代表銘柄は米国エネルギーセクターであるため、XLEの動きに着目しながら次回相場の調整タイミングははかっていきたいと思っている。

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急速に市場参加者から貴金属投資に対する興味が失せ始める

Gold loses $1,800 support as $2.2B flows out of the yellow metal

投資状況はまだ悪化が続いている。

金曜日のゴールドとシルバーの動きはロングしている人達にとって最悪の一言に尽きる動きだったように思える。
米国時間が始まる1-2時間前あたりに特に新規材料がない中で、いきなりまとまった売りが出たのか急速に下がる展開を見せた。


いくら米国が半ドンだったからといって底値を割らせる方向で動いていたはずなのに、ここまで貴金属相場を押し上げてきたETFの出来高がほとんど増加しなかった。
特に値が飛んだ寄りで出来高が増加しなかったのは致命傷のように思える。

<GLDのチャート>
タイトルなし


これが意味することは一つは新規の買い手の払底を意味する。
足下で株などにおいては下がり始めるとアグレッシブに買い向かう人達がわらわらと出てくるのか、日中足ベースでもガッツのある買いによる出来高増加というのが確認される。
これが相場を順調に押し上げる原動力になる。
しかし金曜日のゴールドETFとシルバーETFはそのガッツは見えず、特に寄りで値が飛んだはずなのに出来高が盛り上がらなかったところに新規の買い手不足・市場参加者の興味不足という状況が露骨に出ていた。
もう一つ意味することはホルダーが塩漬け覚悟となっていることだろう。
下げ相場の最終局面においてはホルダーは出口に殺到するため、これが一気に出来高を押し上げて相場を底打ちさせる原動力になる。
しかし、このエネルギーが足りない場合は、より強い買い手が登場するまでだらだらと売り圧力がかかり続けることを意味する。

なぜこのような事態に貴金属市場が陥ったのかは過去記事を見てほしい。

<過去参考記事>

ワクチン報道による経済正常化期待で貴金属市場が木っ端みじん

これと併せて丁寧に米国の貴金属ETFの出来高状況を追うと貴金属未保有者の貴金属に対する興味が失せているという評価が正しいように思える。
3月から8月まで買いパニックが生じた貴金属市場で、10月までは市場参加者の興味が続いていたが、やはりワクチン報道以降はなんで買う必要性があるんだっけと完全に手のひらを返しているように思える。
個人的にはゴールドかシルバーのショートを試してみたいと感じている。

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日本居住者が個別米国株を取引きする3つの手法

個人的に調べて判明した分をまとめました。

米国株取引したいと思ったときに、例えば米国居住している人はそのまま手数料無料な現地のシュワブやロビンフッドなど口座開設すれば一発で終わる話である。
シンガポール居住なら、そもそも外国株取引することが前提になっている証券会社が大半なので、FSMone・Poemsなど手数料の安いネット証券会社などが選択肢に入るだろう。
一方、日本だとようやく色々米国株取引の選択肢が取れるようになったということもあるので、あらためて自分が調べられた範囲で日本居住者の場合米国株取引する手法は一体いくつあるのか紹介したいと思う。


単純にSBI証券楽天証券マネックス証券で外国株口座開設する手法だ。
これは最も初心者にとっては易しく、単にこれら3社の総合口座開設して、その後についでに外国株口座開設をちょちょいとやればいいだけであるし、サポート体制なども国内大手なのでばっちりである。
(まあマネックスはインターフェイスクソなのがあれだけど)
ただ金融庁との関係で取り扱っていない銘柄やETFがあるので、あれ取引したいのにというのが取引できなかったりする。
代表的な例はナスダック3倍連動ETFのTQQQが取引できなかったりする。
あと取引手数料は片道0.45%(税込みだと0.495%)なのでまあはっきりいうと高い。
ただ、この3社は特定口座対応しているため、年間損益計算書を作成してくれるので確定申告の手間はそんなにかからない。
なので少額取引する人には普通に国内大手ネット証券会社でやるのがスタンダードだろう。


ちょっと①の手法での取引手数料が高いなと感じて、もっと大ロットで資金を回そうと思っている型はインタラクティブブローカーズを利用する手が思いつくだろう。
インタラクティブブローカーズは手数料コースにもよるが、大体米国株1株取引する時に0.0035-0.005ドルの手数料で、最低手数料が0.35-1ドルからの取引スタートである。
大体メジャー米国株になると一株100ドルぐらいの銘柄がざらなので、1株買って手数料が0.005ドルでも0.1%以下になるので、よっぽどペニー株を買わなければ①よりもずっと手数料は安いだろう。
ただインタラクティブブローカーズは頻繁に取引する人を優遇するシステムを取っているため、口座内保有資産が10万ドルを下回る場合は、2000ドル以上入金している人は月間10ドル、それ未満だと20ドルの月間口座維持手数料を徴収される。
月間手数料分は口座維持手数料と相殺してくれるものの、10万ドル入金できない人は最低でも年間120-240ドルを取引しなくても徴収されるので、少額しか入金できない人・取引頻度が低い人にはやや不利なので、そんなに米株頻繁に取引しないよという方は①で十分事足りるだろう。
また特定口座対応はしていないので、確定申告の時は自分で電卓を叩く必要がある。
日本法人があるので日本語対応はしてくれるだろうが、さすがに国内大手ネット証券と比べると対応レベルは下がるであろうことも少し頭には入れておいた方が良いだろう。
(まあまだ日本語通じるだけましだが)
あとは入金が円で一応できるものの、振込手数料とかやや複雑な手数が必要なようだ。


最も取引手数料が安いものの、マックスでめんどくさい作業が多いのが米国ファーストレード証券を利用する手法だ。
米国ファーストレード証券は日本居住でも口座開設できる米国現地ゼロコミッションブローカーであり、ドルさえ入金できれば手数料無料で取引ができる。
ただ問題はこのドルを入金する手法であり、単純な電信送金だと死ぬほど手数料が取られるため、三菱UFJ銀行の口座を持っている人は日本国内から三菱UFJ銀行のサービスである海外口座開設サービスで米国ユニオンバンクの口座を開設し、トランスファーワイズでドルをこのユニオンバンク口座に送金し、そのドルをファーストレードに入金しなければいけない。
またファーストレード自体が米国現地証券会社なので日本語対応はしているわけないので、全部英語でのやり取りをこなさないといけない。
なのでこの手法では

1、三菱UFJ銀行の口座開設
2、そこからユニオンバンクの口座開設
3、さらにユニオンバンクにトランスファーワイズでドル資金送金
4、ファーストレードの証券口座開設
5、ユニオンバンクからファーストレードに送金

という複雑な手続きを要する。
ただ一度送金できればコストはすごく安く済むので、試す価値はあるだろう。
詳しい開設方法は、「ファーストレード 口座開設」とかのキーワードでググるといくらでも出てくるので、それを参考にすればよいと思う。

大体日本居住者で米国株取引をしたいと思った人が取れる選択肢は現状この3つである。
本気で大ロット回す人は③がお薦めだが、普通に初心者でポチポチやればいいとか、一度買ったらしばらくドホールドかますような人は①でいいかと思う。

なお、米国株取引において地雷だと思われる会社は以下の業者達であるので、自分は下記業者はパスしている。

・サクソバンク
米株取引自体は手数料が安いものの、なぜか取引の度に円貨決済されて、サクソバンクの決める為替手数料を抜かれまくる。
サクソバンクはインターナショナルでもその他通貨からドル転手数料が比較的高い業者としても有名で、とにかく隠れコストが高いと不評な業者である。

・DMM証券
これもサクソバンクと同様に米株取引自体は無料だが取引の度に円貨決済されて為替手数料が抜かれまくるので論外。

まあ米国株個別触るというならこの3つの選択肢という話なだけなので、別に米国株のインデックス投資やテーマ投資なら投資信託でいくらでも方法はあるので、そちらで十分と思う方は国内投資信託で行うのでも十分だと思う。

リップルから見る相場サイクルの流れ

<リップルのチャート>
タイトルなし

こう見ると高速回転する相場サイクルの流れが勉強できる。

直近仮想通貨がすわバブルかと大幅上昇し、その後お決まりの大幅下落を見せるといった動きを見せている。
Tradingviewでは価格提供元のBitfinexから出来高も提供されているようで、出来高情報を見ながら価格を追うと相場サイクルの流れを高速にこなしているなあと勉強になった。

相場サイクルの流れとはどういった手順になるのだろうか、少し個人的にまとめたいと思う。

スタート地点は出来高は過去長期平均とさほど変わらないところからスタートする。
いわゆる誰も注目していないところからがスタートラインだ。


ここでまずは仕掛けとして、もしかして上昇するのではないかということを考えてワンショット大きめに買いを入れるプレイヤーが出現する。
これにより一旦価格は上昇する。
しかし、この価格上昇を見て高いからとりあえずポジションを売っとこうと思うプレーヤーが同数出るようでは、すぐに出来高を伴って下落し、もとの注目されない位置に戻る。


一方で、この一回目のポジションが取られた後も誰も売ってくる人間が増えなかったらどうなるだろうか?
一回目にポジションを取った人がまだポジション取れるじゃないかと追加してくるだろう。
また、この動きに新規で着目した人達もポジションを取り始める。
これがさらに継続的に出来高を増加させて価格を上昇させる。
ただ、この時は一気に出来高が出来て価格上昇するパターンだったり、ゆるやかで継続性の高い 出来高増加とともにじわじわと価格が上昇するパターン、誰も売らないので出来高があまりできていない割には価格が上昇するパターンなどその上がり方は千差万別である。
この時は安定上昇期と言えるだろうが、その期間がどれぐらい続くのかも千差万別だ。


この流れが継続する中でいよいよ投機筋が途中から参戦してくると爆発的な出来高増加と価格上昇が発生する。
この時は過去長期平均と比べて異常な出来高が長期間継続することになる。
まさに鉄火場となる。
もう十分儲けたからと持っているポジションを一気に捌く人と新規で大量に買ってくる人達・ショートを投げさせられた人達の強制買いのガチンコ勝負となる。
新規買い手の減少とショートしている人が焼き尽くされるまでこの動きは続く。


しかし、熱狂の最中徐々に大量の買いポジションを持っていた人達が大きいポジション整理を始めたり、あまりにも相場が過熱するとそれを冷ますための措置が取られたりする。
過熱を冷ます措置とは証拠金の引き上げや様々な買い規制などである。
どこかのタイミングで新規買い参入者+ショート玉整理の量が売る人の量を下回るようになり、出来高が大きい中で下落が始まる。


一回目の大幅下落は初押しは買いといわんばかりにさらに出来高が増加して価格が回復するしぐさも見えたりする。
しかし、実際は買いと売りが拮抗しはじめる中でお互いが激しい殴り合いとなっていき、高値圏でのポジション構築がどんどん進んでいくことになる。
しかしそんな異常取引がいよいよ大詰めになると大きなロットで売る人達が頻発出現するようになり、薄くなっていった買いの人達を玉砕していくことになる。


買いナンピンする人も出てくるが、圧倒的な売りの量におされて、大量に売り玉を入れる人が出るたびに価格は下落する。
これがいわゆる落ちるナイフと表現される時で、出来高を伴った下落が連発し、最終的に買い手がどんびく中で行きつくところまで相場は下落していく。
しかしこの売らなきゃいけない人達がいなくなり、出来高が過去平均に近くづいていくことでようやく相場サイクルのプロセスは①に戻る。

相場はこの①から⑥の流れを繰り返していくが、必ずしも①から⑥を全部こなして一周するわけでなく、①→②になった後に③の過熱に陥る前に一旦①に戻るものがあったりとその流れは色々だ。
また最終的に①→⑥になる期間も資産によって大きく異なるが、一般的に仮想通貨はこの相場サイクルで高速で回転することが特徴だ。

実需が全く期待できないリップルはこの①→⑥のプロセスが高速で回ったという評価ができそうだと思う。
⑥から再び①に回帰するにはまず新規に売る人が枯渇することが必要であり、それは異常な出来高がまず過去平均と同程度の水準まで落ち着くことが必要になると思われる。
その事象が見られない限りは新規売りが止まっていないことを意味しているわけで、いわゆるこの間に買いポジションを取りに行くことが落ちるナイフを掴みにいくということになるので、出来高が過去平均に戻る・つまりナイフが床にささったのを見てからどうするか考えた方がリップルぐらい異常な取引高を演じたものは様子見するのが無難なように思える。

もちろん曲芸的に落ちるナイフ掴んで成功するということもあるだろうが、それは常に自分を律することのできる損切りラインを決めた上で行える人に限定されるだろう。

ちなみにTradingViewがブラックフライデーセールで安く契約できるらしいので興味ある方は覗いてみてはどうでしょうか?

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米国の中国企業への新規制裁で中国株はやや不利な展開

JPMorgan indices exclude new debt from sanctioned Chinese firms

中国大型銘柄や指数投資にはやや不利。

米国政府は軍がかかわっている企業についていくつかを制裁リストに加えることを決定した。
この制裁リストにはドル建てで社債を発行している中国企業が数社含まれていたということもあり、そのドル建て社債を組み入れた指数を作成しているJPモルガンはそれら企業の新発債については当面指数には加えないということを発表した。
(ただし既発のものについては指数組み入れは維持する模様)

軍がかかわっている企業などという言い方をされると、エンターテインメントや教育などほんと一部を除いた中国企業でもいざとなればてきとーにリストに加えることが可能なのでやや機関投資家の腰は引けそうな展開となっている。
上記は社債になるが、株も場合によっては同様な措置を取られる可能性がある。
社債で対象に入ってしまった企業は新規資金調達スピードが遅くなるため、そういった企業は早々と株に影響が出ることは避けられないだろう。
また中国企業全体にオフショア資金調達についてやや影響が出ることも懸念され、いわゆる中国プレミアムみたいな他のアジア諸国よりもやや不利な資金調達コストを払う羽目になることも想定される。

一度でも制裁リストに載ってしまったらどんな事情であれぶん投げさせられるわけなので、そうなると利益動向などは堅調だとしてもバブルみたいな水準にまで買い込むというリスクは基本的に機関投資家は取ることは難しいだろう。
特に大型銘柄になると対ベンチマークに対して大幅オーバーウェイトで保有を継続するということは潜在的なパフォーマンスリスクだけでなく、コンプライアンスリスクなど別途様々なリスクを抱えることになるので運用者の意向以外の要素が入り込むため、強制的な負の影響力が発生する。

そう考えると中国株大型銘柄を現状上値追いするというのはやや難しい局面にあり、米国ファンドが大量に持ってそうな銘柄や米国上場ETFに大きく絡んだ銘柄ほど値動きは重たくなるものと思われる。
特に大型銘柄は軍や共産党が絡んでいない企業などというものはないわけはなく、そんなめんどくさい仕事するぐらいなら別の銘柄探してポジション張った方がいいなと思うのは機関投資家にとっては自然な行為に思える。
以上を考慮すると、CSI300とか上海総合株価指数とかに投資することに現状旨味はほとんどないと思われる。

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プロフィール

村越誠

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