村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2020年05月

ロビンフッド口座保有者の動向から見える投資センチメント

検索結果

ウェブの結果(サイトリンク付き)

米国居住の個人投資家に手数料無料ということで口座数を伸ばしているロビンフッドだが、そのロビンフッドが提供しているAPIを利用して個別株・ETFでロビンフッドに口座を持つ投資家がどの株に資金をつっこんでいるのか見れるサイトができている。
RobinhoodAPIを使って集計しているようで、自分でも作れるかと思ったがロビンフッドのID持っていないとデータ収集できないということもあり断念。

これまではまだロビンフッドの顧客基盤が薄いということもありビッグデータとしてはノイズにすぎないレベルになってきたが、だいぶ顧客基盤の拡大が進んできたということもあり徐々に個人投資家の動向を観察できるレベルで投資口が動くようになってきたので、活用できる余地があるんではないか的な話がちらほら出ている。
いくつかデータを見ているとなるほどいろんな解釈ができそうだなと色々アイデアが湧いてくる。
今回はいくつか銘柄をみた中で感じたことをつらつらと書いてみようと思う。

米国の代表的ETFであるSPYはコロナ前暴落の時点でつられて買っている個人もいたが、暴落してからはめげずにバンバン買い増しして足元はCTAと同時に買いのけん引役になっている模様。

<SPY(安定した買いが入っている)>
タイトルなし


ただし、一方で3倍レバレッジ系ETFを見るとさすがにここから買うのは危険と思っている人が多いのかおよび腰になっているなというのを感じる。
3倍ETFはそこそこド天井から死ぬほど下がったダメージが癒えていないという人が多いのかボラティリティ上昇にはまだ警戒感が残っているということだろう。

<SPXL(さすがに5月頭から新規買いはおよび腰)>
タイトルなし


EMBやIEMGなど新興国系ETFを見るとからっきし腰の入った買いが入っておらず、新興国投資というのは機関投資家頼みということがうかがえる。
機関投資家が新興国に対して興奮しなければ新興国投資の出番はやはり当面ないように思える。

<EMB(右軸見ればわかるが発射台が低すぎる)>
タイトルなし

<IEMG(全然買いに腰が入ってない)>
タイトルなし


ちなみに個人が大挙して突撃したからといって必ずしもそれが株価の爆騰につながるかと言えば、それはケースバイケースだ。
デルタ航空とかの航空株に個人がすごく突撃しているが 株価は下がってはいないものの底這いが継続しており、個人の買いが全部機関投資家の売りに吸収されていることを意味している。

<デルタ航空(個人買いは強烈に入ってはいるものの・・)>
タイトルなし

こういった意味で個人投資家の投資意欲をはかるには有用ツールなように見え、機関投資家の動きも考えながらデータを見ると面白いかもしれない。

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米国の雇用正常化シナリオが徐々に疑わしくなってきている

アメックス、「何百人」ものセールス部門従業員を債権回収業務に転換

本当にV字回復するのか徐々に怪しくなっている。

昨日発表された米国新規失業者保険申請数だが未だ200万人以上と下がってはきているものの、下がり幅は徐々に縮小し、直線上にひくと以前のような20万件台にまで減少するにはまだ数ヵ月先の話になる雰囲気が出てきている。

<米国新規失業者保険申請数>
EZGvDLNXYAAZjB3


それにこれが夏ごろになれば正常化して以前のように米国企業がバンバン人を雇うというのも徐々に眉唾な話になってきている。

<参考ニュース>
韓国、29日から再び外出自粛要請 ソウル首都圏

米国の労働市場は必要に必要な時だけ労働者をかき集めるスタイルである。
米国でも上記ニュースの韓国のように感染者数の再増加が見られれば外出自粛要請が発令されるだろう。
そういうことを考えればすぐに以前の雇用に戻すという判断は米国企業はしないだろう。
下手すると不安定なので追加で人を切っておこうと判断する企業さえ出てくるかもしれない。

米国人のライフスタイルというのは日本人から想像することができないほど楽観的な消費をする。
金があればあるだけクレジットカードでバンバン買い物をする。
宵越しの銭なんて持っていない人が大半だ。
アメリカンドリームを実現できた人は使い切れないほど金があるが、その他大勢はキリギリス的な生活以外の何物でもない。
失業率が高いうちはこのままだと米国政府は定期的に国民に支援金を出す必要性があるかもしれず、選挙前にもう一回ぐらい現金ばらまきが行われるのではないかと思われるが、それだけで支え切れるかどうかはわからない。
住宅のような金持っている人が買っているというものはリスクアセット価格にリーマンショック程の調整は働いていないことから今回はダメージが低いように見えるが、クレジットカードは純粋に給料もらえなくて払えないという人が続出するのでもっともこの新規失業者の影響を受け、記事最初にある通りアメックスはこの影響が長期化することを見越してセールスを回収業務に回しているのだと思う。

もちろんだからといって株価が前回の底値を割れるという話ではない。
今回はリーマンショックの時と違って少なくとも不況対策と金融システム崩壊防止策についてはリーマンショックの時と違い後手には回っていない。
少なくとも本当に経済が致命的に駄目になるぐらいだったらいくらでもドル札を刷るというコンセンサスができている。
そういうことを考えれば今後のトレンドは銘柄間の二極化の拡大というのがやはりテーマになってくるのだと思う。
 
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不動産価格は15%下落をストレスシナリオとして良さそう

不動産の価格「下がる」9割 民間、投資家に調査

残念ながらJREITの利益確定を見過ごしてここはそこそこダメージを負ってしまった次第であった。

<東証REIT指数の推移>
タイトルなし


自分の考え方が間違っていたということもあり、色々新しい報道を見ながらシナリオを練っているところであるが、その考えをまとめておきたいと思う。

色々報道や機関予測などを見ていると、不動産価格については全体的に15%の下落を下限ぐらいに考えるのでいいように思える。
上記日経新聞リンク記事を一部抜粋したものが下記文章になる。

以下記事の一部を抜粋
2020年末にかけての不動産価格について、「5~15%下落」との回答は65.5%、「15%以上の下落」は23.8%だった。上昇を見込むのはわずか0.4%だった。

5-15%の下落というのはかなり多くのプレイヤーが予測している範囲のように思える。
これは日本ではないが、イギリス中央銀行が公開しているストレスシナリオでも不動産について15%の下落をストレスシナリオとして挙げている。
リーマンショックのような金融システムショックではBOEも35%の不動産価格下落をストレスシナリオに掲げていたが、それよりも浅くて済むという判断をしている。

<過去参考記事>

BOEが発刊した金融安定レポートから読み解く金融市場


この判断は今回は金融システムの崩壊から来る不況でないということと、経済崩壊を食い止めるために銀行に手厚い支援策を用意したり、政府が積極的に劣後ローンを差し出して銀行の不良債権増加を和らげようとしていることにより、不動産価格のファイヤーセールがリーマンショック時と比べれば規模感がずっと小さいということだと思う。


ということを考えていれば、不動産価格にとりあえず15%の下落というかけ目と銀行勢の利回り追求はいつか戻ってくるということを考慮しておけばJREITは最高値から15%下落の位置まで戻る可能性は相当程度高いと思われる。
もちろんJREITはもっと価格感応度の高いオフィス中心であることやホテルREITも入っているので当面はボラも出るし、どの段階でそこまで戻るかは今のところ判断がつかないが、とりあえず過去3年移動平均線より低い位置にいるならてきとーに積み立て買いすればなんとかなるんではないかと思っている。

ということで個人的には泣く泣くJREITナンピンを毎月積み立てる形の対応を取っていこうと思っている。
(結局お前ドナンピンじゃないかという批判は一切受け付けません!キリッ)

クラウドファンディング不動産投資「A funding」

米国REITはデータセンターREITに注目

Three Data Center REITs Report Solid Q1

以前作成したS&P500のパフォーマンスを見ている中で、REITなのにパフォーマンス上位にいる銘柄いるなと思い個別銘柄を調べてみると、なるほどデータセンターREITなんてものがあるんですなというのを見つけた。

<パフォーマンス上位に食い込むデータセンターREIT大手エクイニックス>
タイトルなし

<調べるために使用したコード>
【コピペでOK】Pythonコードで色々な銘柄で1年・3年移動平均線より高い株価をつけている日数割合を調べる方法

ちなみにETFもないものかと検索してみると米国ETFでSRVRというティッカーのETFがこのデータセンターREIT銘柄を集めて組成されたETFになるようだ。

<SRVRのチャート>
タイトルなし

今回のコロナ騒動でレバレッジ状況が高い米国REITは結構ダメージを受けたが、このデータセンターREITについてはほぼコロナ前に戻っている状況だ。
(2月の高値はさすがにバブルやりすぎっていう話で下落したのだろうが)
まあ普通に考えればリモートワークの激増でデータセンター需要は足元のコロナ不況で落ちるどころか、逆に増加する気配さえあるわけだから商業REITのように空室率増加・家賃低下を気にする段階に今ないことは確かだろう。

<参考ニュース>
エヌビディア、5-7月見通しは予想並み-データセンター向け需要増

念のためデータセンターREITの最大手エクイニックスの直近決算状況も確認しておきたいと思う。

エクイニックスIRサイト
(全部英語ですが読める人は読んでみてください)

ガイダンスが少し切り下がっているが、中身はほぼ為替に限定されており、コロナウイルスの影響はごくわずかという状況のようだ。

<エクイニックス1Q時の売上ガイダンスの変更>
タイトルなし

<エクイニックス1Q時のEBITDAガイダンスの変更>
タイトルなし


今のところエクイニックスの状況を見ると年率分配金が+8%ちょっとぐらい増えていくイメージになるようだ。
今のところ前年度の増配状況からほぼ状況は変化していないように見えるし、特段切り下げる必要性も感じていないのだろう。

<エクイニックスの分配金予測>
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<SRVRの分配金>
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分配金利回りは今のSRVRの価格から逆算すると、まあ2%ぐらいにはなるんじゃないのというところである。
米国REITの5%利回りと比べると非常に低いが、このETFはそれなりに分配金の成長が見込まれているので、2%+キャピタルゲイン(年率10%ちょっと増加する期待)がトータルリターンの期待として含まれていることを意味している。

少なくともこうしたデータセンターを使う企業でデフォルトが急増するといった話は聞かないので、普通の米国REITと比べればパフォーマンス的には有意にアウトパフォームしていくんではないかなと思う。
個人的にも次の押し目時にSRVRをポートフォリオに入れるかどうか現在検討している。
日本でもいくつかそういうデータセンターREIT取り扱っているファンドも確かあったような気がするので、気になる人は調べてみてはいかがだろうか?

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ドル円が下がりそうでなかなか下がらない理由

Dollar liquidity measures leave some countries out in the cold



今すぐ欲しいものは中々下がらない。

米国は景気刺激策のために少なくともまだ何かしらのばらまきはするだろうという観測が浮かび上がっている。

<参考ニュース>
対コロナ景気刺激策は「無限」かも、コーン氏と会談後メイヨー氏語る

それだったらそれだけ米国政府が借金するわけだから通貨価値毀損するはずというところだし、多くの貨幣に信頼を置いていない陰謀論者はこれを機会に通貨暴落!というのを煽っている向きがいくつか見られている。
しかし現実的にはまだそれが到来しているようには見えないドルインデックスの動きである。
これはなぜだろうか?

<ドルインデックスのチャート>
タイトルなし


それはドルが市中に出回っていないからである。
多くの米国企業・債務の重たいグローバル企業・新興国が債務返済のためにドルを必要としている。
とにかく何が何でもドルが欲しいのだ。
そうでないとドルで金を借りているわけだから、返済が出来なくなった時点でケツの毛までむしられることになる。
だからドルを手に入れたらそれをがっちりホールドするし、手に入れるためだったら手元資産を売り崩すということもやぶさかではなくなっている。
一応足元は中銀や政府の財政支出などで手元資産投げ売りという展開にはなっていないものの、コロナウイルス第二波を恐れている企業はすぐに現金を手放すわけにはいかない。
新興国も外貨準備高を削りながら為替レートを保っている状態であり、今手持ちのドルが生命線なわけなのでこれを無駄に使うわけにもいかない。
新興国はかつてドルの減価を気にして外貨準備高の一部を金に振り向けたりなどもしていたが、足元はその余裕もほとんどないだろう。
つまりドルが死蔵されているのである。

そういった意味でドル円が下がる時というのは経済活動が再開し、ドル債務返済したい人達に十分に行き届く兆候が出始めてからのように思える。
行き届けば、その時に改めてドルの減価を気にし始めた人達が余剰資金をどう扱うか考え始め、動意づく資産も出始めるだろう。
少なくとも米国が輸入を通じてドルを全世界に無節操にばらまくようになるということがドル減価には必要なように思える。
そうでなければ日本でも同じようなことが起きているわけだが、中銀が市場に金を流し込んではいるものの、実際は市中にそれが流れておらずマネーサプライは増えていないということになるからだ。
とにかく各プレイヤーはドルが必要である理由があり、需要が大きい中、中銀はドル供給しているもののまだまだドルが必要な人達に行き渡っていないという現実を考慮する必要性があるだろう。

【ヒロセ通商】1000通貨からできるFX

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