村越誠の投資資本主義

グローバルな情報をもとに投資資産を積んでいく慎重派投資家

2019年02月

人権とかうるさくない中国にサウジアラビアがすりよる

中国サウジ急接近
サウジアラビアはカショガリ氏殺害事件から先進国各国が投資案件を引き上げており、苦しい状態が続いている。
特に事件後、米国からお目こぼしをもらうために原油増産して原油価格を引き下げざるを得なかったことは外国からの直接投資だけでなく、財布事情へもダメージを与えている。

そこで、人権とかにとやかく注文をつけない中国にすりより、とにかく金をせびろうという作戦に出ている。
でも中国は誰彼かまわず金をばらまくまくっているけど、中東各国の反目しあっている国同士に金ばらまいているところを見ると、あんまり一貫性がないやり方はどうなのだろうかという疑問も出てくる。 

大企業は社債で借りて銀行借り入れを返す流れ

初の社債発行相次ぐ 大塚HDやJR九州、低金利追い風
大企業で社債発行できるなら、銀行で借り入れるより長く、そして低金利で借りられる社債での調達の方が経済合理性が高い。

なぜ安く借りられるかというと日銀が社債オペをしてくれる上に、イールドカーブコントロール政策で意図的に10年までゼロあるいはマイナス金利になっているため、A格持っている企業なら5年までなら0.2%以下、10年でも0.4%以下で金を借りられる。
一方で、銀行のIR資料などを見ても、銀行から貸し出す際は満期が社債よりも短く、そして金利も高いことから、社債で借りて銀行借り入れを返すという動きが多くなってきている。
実はこれ自体が銀行の利ザヤに悪影響を与えている一因にもなっている。なかなか銀行の貸出利ザヤは改善しなさそうな雰囲気である。 

青海省傘下のLGFVで、初のドル建てLGFV債のデフォルトが発生するのか

中国に驚き広がる-「融資平台」と見なされている企業が利払い不履行

青海省傘下のLGFVが発行しているドル建て債券について、本来2/22に利払いがされてなければいけない金が振り込まれていないと騒ぎになっている。

LGFVについては以前から一部については利払いや償還能力に疑問がもたれていたが、ドル建てでの不払いは初めてのケースのように思われる。
そのちょっと前にどうやらHSBCのアナリストが利払いについては問題ないと表明していたり、格付けを付与しているS&PがB+でネガティブウォッチつけていたものを外したりとしていたが、まったくこの状況を予想できていなかったということだろう。

ただ想像にはなるが、HSBCもS&Pも発行体から何か根拠を持ったリファイナンスプランを説明されていて、それを信じざるを得なかったのかなと思うと少し気の毒にも感じる。
さて、この不払いによってS&Pが格付けをB+からCCC+に慌てて変更し、さらにここから5営業日以内に本当に利払い用の金が振り込まれなかった場合は正式にデフォルトだと発表した。

つまり今週中に青海省あるいは中央政府が支援して利払いができないと、ドル建て債では初めてLGFVのデフォルトケースが発生することになる。
まあもともとがB+だったということもあってさすがにそもそもほぼ信用されていなかった発行体ということもあるが、他のLGFVのドル建て債券にも影響するかどうか注目したい。
元の格付けがすごく低いものだったので、この事案だけでほれ見たことか!中国景気と世界景気沈没!とかはしゃぐ銀行おじさんの指摘は少し的外れだと思う。 

インドがパキスタン実効支配地域を空爆して、海外投資家は切れるのか

インド:パキスタンのテロリスト拠点を空爆-300人余り死亡

インドがパキスタンにいるテロリストを殺害するために、パキスタンが実効支配している地域を空爆したというヘッドラインでインドの為替・株・ドル社債は売られる展開となった。

歴史的にパキスタンは元々インドにいたイスラム教徒が独立分離してできた国ということもあり、パキスタンは建国以来ずっとインドと仲が悪く度々こうした小競り合い的なものをやってきた。またパキスタン自体に財政的な余裕がほとんどないし、そもそも国内がテロリストが支配しており無法地帯になっている地域も多いことから、例えインドにぶちぎれたとしても、割ける軍の人数なんてたかが知れている。

しかも軍自体が米国から支援を受けていることから、パキスタンが切れたとしても米国が仲介してなあなあですますので、世界経済に与える影響はほぼゼロだろう。
ただし、インド資産については、ただでさえインド経済はよろよろなのに経済以外のことにモディ政権が首を突っ込んでいるというのを見た海外投資家が、別に無理してインド資産に投資する必要ないんじゃないのとあきれて、フローのマイナス幅が拡大してしまうというリスクがある。
特にもともと既にフローが脆弱になっている現時点で出てきたことにより、海外投資家がもっとましな国にポジションを移そう、なに別に我慢して保有することはないだろという気持ちになることは確かだ。
だから実質的な経済への影響度という観点からはほぼ影響なしと判断できるが心理的な面ではインド資産にのみネガティブに働く可能性はあると考えられる 

中国金融当局は株価先導のバブルは絶対に許さない姿勢を取る

中国株:CSI300指数が反落-証券監督当局がレバレッジに警戒感

中国政府は2014年末から2015年半ばにかけてやらかしてしまった中国本土株バブルの記憶がかなり残っているようだ。

中国の証券監督当局が証券会社に対して規制外の信用取引残高の増加についてきちんと監視しろと口介入してきているようだ。
前回の中国本土株バブルの時はこの信用取引を野放図に許してしまい、さらに中国金融当局までが株の保有を煽ったことから、半年で株価は2.5倍になったが、その後は大混乱に陥り、中国本土株の大半の株に値段がつかなくなったり、当局が現物株売却を禁止したらさらに売りが殺到したりと中国経済が転覆するのではないかという騒ぎにまで発展し、上海総合株価指数が半値になるという事態になった。

中国金融当局は今回はこのような事態が再度起きることは絶対に許さないと思われるので、信用取引による株価高騰には相当注意深く対処していくと思われる。
それを考えれば別に慌てて本土株ポジションを組んでいくという必要性もそこまでは感じず、狙うとすれば丁寧に押し目を狙っていくべきだと思う。 
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