日本クラウド証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について - 金融庁

日本のソーシャルレンディングはもはや不正の温床となっている。
今回クラウドバンクを運営する日本クラウド証券の法令違反はこれまたひどい。
しかも日本クラウド証券の金融庁からの勧告は2度目であり、再犯だ。
では今回はどのような不正を行ったのか?

<クラウドバンク投資家に説明していたスキーム>
無題


<クラウドバンク投資家に説明していたスキーム>
無題

金融庁から図を拝借してきたが、これはさすがに許されないし、わざとやっていて全くコンプライアンス意識がない業者だと言わざるを得ない。

1、クラウドバンクのSPCから不動産取得資金を行っているというのが嘘だった。
不動産取得資金の融資がクラウドバンクの不動産SPCではなく、SPCが甲事業会社に貸し付けを行い、甲事業会社が不動産取得資金の融資を行っている形式になっている。
しかも不動産担保設定権が不動産SPCではなく、甲事業会社になっていることから、クラウドバンク越しに融資を行っている投資家は弁済順位が劣後しており、クラウドバンクは甲事業会社に不正な便宜を行っていることになる。

2、メザニンでの貸付と説明していたにも関わらず、一部がエクイティ出資になっている。
投資家への説明ではメザニン融資であると説明しており、シニア融資より弁済順位は低いものの、エクイティ出資より弁済順位が高いので元本保全性が高いことを謳っていた。
ところが、実際は融資金の25%程度がエクイティ出資になっており、弁済順位が最も低い融資になってしまっている。
全く投資家に対して行っていた説明と違う状態だ。

3、他の事業からのエクイティ出資が55万円しか入っていない
事業のエクイティ出資がほとんどゴミみたいな金額しか入っていないため、不動産の元本回収が滞った場合には、メザニン融資していたはずの投資家にもダメージが及ぶ可能性が相当高い。
ほとんど意味のないエクイティ出資であったということだ。
そもそも、55万円のエクイティ出資って、アリバイ作りとしか思えない行為だ。
 
前のみんなのクレジットでも書いているが、ソーシャルレンディングはほとんど匿名組合経由の投資・融資というのを行っており、このスキームについて情報開示の少なさや不正のやりやすさなどから、過去にも何度も投資案件で不正が起こってきた問題あるスキームだ。

私は投資を行う際には、
・換金性や入出金に関してリスクはないか?(ないのが当然)
・情報開示が十分あるかどうか(特に財務諸表が見れるかどうか)
・ 市場の一般的慣行からあまりにも逸脱したリターンを提起していないか

こういった観点からソーシャルレンディングはいずれも状況を満たせておらず、私は投資するに値しないものと判断しているし、これを他人におすすめしている人も信じられない。
既に複数回・複数業者での金融庁からの勧告や処分が出ており、スキーム自体に欠陥があると認識しなければいけないステージになっている。

ちなみに某プロブロガーのイケダハヤトが700万円以上資金をつぎ込み、挙句の果てにアフィリエイト目的で宣伝を行うといった無責任な行為を行っており、 早急にそのような行動はやめるべきだろう。