今の米国選挙の混沌さと不可思議さを改めて考え直すために読んでいる。
この本の半分以上はオバマ氏の選挙にまつわるエピソードが
多分に含まれており、米国での選挙のポイントを読み取ることができる。
最初から最後まで読めばオバマ氏がいかに真っ当で
真面目な政治家であるかがわかる。
(ただし真面目すぎるので、いささか実行力や決断力に欠ける部分があることは否めない)
米国の政治・選挙の実態から格差・教育・福祉・宗教・人種といった
オーソドックスな問題について、かなり赤裸々につづってある。
なお、対外政策については、読んでいるとちょっと苦手なのかなという感じで
上滑り感が厳しい。
特に熱意がこもっている部分としては
・なぜ選挙や政治に愚にもつかない罵詈雑言がいつも飛び交うのか?もっと冷静な議論が出来るような土壌はできないのか?マスコミもその傾向を助長している。
・選挙は好きか嫌いかは別として、金が重要だ。そのために多くの真面目な政治家は既得利益団体に取り込まれて、堕落していく。政治家で心を平静に保つことは難しいことだ。
・読んでいくうちに、なぜオバマ氏が皆保険制度を狙いにいったかも俄然なっとく行く言動が多々見られる。
今回の米国本選挙にあたって、今一度退任してしまう
オバマ大統領はどのような人であったのかを振り返ると
投資として参考になるだろう。
ところで最近の先進国ではびこる罵詈雑言が飛び交う愚劣選挙に
いつ終止符が打たれるのだろうか?
これもやはり愚劣な下層人民が選挙について学ばないことが原因であろうか?